Norton P11 Ranger

またレストアとは関係ないんだけど…。スクランブラー。軽快な感じがいいよね。CommandoならSSだけども、個人的にはAtlasとCommandoの間にあるP11 Rangerの方が好みのスタイリングです。



1962年、経営状態の思わしくないNortonはは生き残りの為にAMC社の傘下に。合併後、合同生産されたバイクは正直失敗作が多いらしいのですが…。まあ、何はともあれそれらのほとんどは当時非常に重要な市場であったアメリカへと輸出されたんだそうです。…で、1966年、AMCのライトウェイトフレームにAtlasの745ccツインエンジンを搭載したロードスポーツNorton P11が北米輸出用に設計されます。有名なフェザーベッドフレームの代わりに、AJSやMatchlessのツインモデルに使われていたデュプレックスフレームにAtlasのパワーユニットをマウント。AMCの誇る例のギアボックスと、アルミダイキャストのチェーンケース（見栄えがよく、オイル漏れも少ない）を搭載し、ホイールとフロントフォークはノートン製（実際はDominatorなどに使われていた“ロードホルダー”にMatchless G80CSなどに用いられていた“Teledraulic”フォークの一部が組み込まれているため、強度においてロードホルダーほどではなかったらしい）…という感じで。しかし残念ながら商業的には失敗。”Ranger”の名を冠して再生産されるも、1968年のNorton Commando Fastback開発もあって、ものの2年も経たぬうちに市場から姿を消すこととなりました。その後のビッグオフロードバイクの流行を考えると、山道からハイウェイ、市街地を軽快かつアクティブに走る理想的なマシーンとして生まれたP11のコンセプトは、今になって光り輝き、20年早すぎたコンセプトだったとも言える…とは外国のサイトの受け売りですけども。ポジティブな受け取り方にも思えますが、まあ確かに今こうして僕が惹かれているわけですから正しい考察と言えなくもないでしょう。かっこいいよね。