「内容には納得していない」。
勝ち名乗りを受けた後、リング上で漏らした亀田興のコメントは本音だろう。
2-1の辛勝。
終盤、スタミナを切らしたルイスに対し、猛攻を仕掛けてどうにか劣勢をひっくり返したのが実情だった。
「結果だけには満足」。
これでは、威勢のいい“亀田節”が出るはずもない。
過去4度の防衛戦を振り返ると、見事なまでに格が下の挑戦者が並ぶ。
世界ランキングは順に14位、8位、12位、11位。
骨のある挑戦者を迎え撃つのは実質初めてとあって「俺の力を証明できる舞台」。
本人も言うように真価が問われる一戦だった。
だが、9割近いKO率を誇る挑戦者の強打を警戒するあまり、ガードをがっちり固めるだけで手数を出さない。
もっともこの「作戦」が終盤、功を奏した。
減量失敗の影響からか、ルイスが急激に失速。
亀田興はここぞとばかりに接近戦に転じ、左のショートやストレートを的確に当て、相手の顔面を腫れ上がらせた。
9月に長男が生まれ、父親になって初めての試合。
普段は重圧とは無縁の王者にしては珍しく「毎日、プレッシャーはあったな。
負けたら息子に格好つかん」。
難敵を迎え、戦前の下馬評は「亀田危うし」だった。
「何回も耳にしてたから。
おやじも『興毅、今回はやばいぞ。
もっと練習せえ』と」。
5度目の防衛に成功し、家族への体面を保てたことがせめてもの救いだろう。
(細井伸彦)
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