高校生の頃バンドに燃えてました。
もう音楽で食べて行こうかと真剣に考えてました。
でもやっぱりその夢は重すぎて・・・
負けてしまったんですね。
美容師も「美容学校に行かなきゃなれない」と思ってたので早々と諦めてしまって。
結局なったのは工業用機器のコンピューターのプログラマーでした。
当時コンピューター学院の「アビ○」とかなかったので使えたのは稀だったらしく割と大手の企業に入社できたんです。
(高校の友人がボンボンでPCを当時3台持ってて1台借りてた)
望めばイギリスでもドイツでもフランスでも思いのままと言う恵まれた環境の中、僕の存在はどんどん浮いていきました。
何故か?
面接の時は短く切ってあった髪が入社する頃にはかなり伸びてましたから。
当時は男性が髪を伸ばすのは割りと特殊な(?)事で周りにはバンドメンしかいませんでした。
上司はしきりに「切れ」と。
髪は関係ないでしょう?と言う僕の意見は頭ごなしに無視です。
1年経った頃高校ぐらいから続けてたバンドがうまい具合にまわりだしたんです。
メジャーバンドから前座で使って貰える様になったり。
「これはやっぱりバンドだな!」とあっさり会社を退社。
でもこれもとある理由でダメになりそして就職先を捜す為に「髪を切ろう」と思い美容院へ。
髪を切ってくれてた美容師さんに「僕も前は美容師になりたかったんだけど学校に行かなきゃいけないから諦めたんだ」と言うと
「学校なんか行かなくってもなれるよ?」と。
福音以外の何物でも無かったですね。
そうしてまた運命は周り始める・・・・
美容院の給料だけでは~の件は前回書きましたからはしょります。
で、ファミレスSのバイトの面接を受けに行きます。
無理かな・・・髪長いしな・・・とか思いながら指定された時間にSに到着。
最初に応対してくれた人も結構びっくりしてました、髪の長さに。
こりゃ完全に無理・・・
店長らしき人が出てきましたョ、もうオリは帰りたいョとか思って何と無く店長の顔を見たら微妙に微笑んでる(?)。
いや、かなり好意的な態度に見えるが果たして。
即採用だったんです。
店長はしきりに「髪、長いね~、いつから伸ばしてるの?」とか「バンドやってんの?」とか聞いてきて
肝心の面接は?でした。
こんなんでいいのかなとか疑問に思いつつ僕はとりあえずバイトが決まった事を喜びました。
その店長は何かと僕を可愛がってくれてる様な気がしました。
あの当時で35歳ぐらいだったのかなぁ。
今の僕より少し若いぐらいですか。
新婚さんだとかで仕事にも張りが出てる、そんな感じの男性でした。
仕事にも慣れてきた頃事務所から店長がマネージャーから怒られてる声が聞こえてきました。
「何かまずい事でもあったのかな?」その店はかなり流行っててチェーン店の中でも売り上げがナンバー1で何度も表彰されてる店だったので
いろいろと厳しかったみたいです。
話の内容が断片的に聞こえてきます。
「バイトの髪ぐらい切らせる事もできないのか!」と。
店長は「女性だって長いじゃないですか!どうして彼がダメなんですか?」と。
まずいな、僕の事で怒られてるんだ・・・
「厨房の中で働いてる女性はみんな髪を帽子の中に入れてます、彼もそうさせてますよ」と言ってくれてたと思います。
何か居た堪れなくなって僕は仕事場(皿洗い)に向いました。
でも知らんふりをしてる程の度胸はないので仕事が終わってから店長にその時の事を聞きました。
店長はちょっと驚いて「聞いてたんだ・・・・」
「・・・・でも田中君の髪は絶対に切らせないからな!」と。
何故??????????
切りたくないとか一言もこの人に言ってないけど。
そりゃ切りたくないしどっちか取れって言われたら迷わず髪を取りバイトを辞めましたけど・・・
困ってしまって黙ってたら店長が一言。
「僕も昔、バンドやってんだ・・・」って。
そんな理由であんたは自分の評価を下げちゃって良いのか?とも思いましたがそれよりも何か嬉しかったです。
「美容師をやりながらバンドもやって(やってたんです、実際)ここでバイトって凄いよな!」とやたら褒めてくれるんです。
彼は僕に自分の姿を重ね合わせてたのかと思いましたが実はそうではなく・・・
僕を弟の様に可愛がってくれてたんですね、今なら解る。
それからもどんどん店長の立場はまずくなる。
僕はもう店を辞める事もできなくなっていた。
今、辞めたらこの人を裏切るんだよな?!
でもこのまま僕がいたらこの店での店長の立場はどうなる。
そう考えた僕は髪をばっさり切りました。
これで店長が許されるなら安いモンでしょ。
あの漢気に今応えんでいつ応えるのか。
僕の頭を見た店長は絶句します。
「田中君・・・・ごめん」と後はそれこそ「そんな大袈裟・・・」って思うぐらいの店長でした。
詳しくは書かないです。
僕は店長と一緒に仕事がしたかった。
でも店長は僕が髪を切ったあと辞表を出した。
マネージャーは「落ち着け、そうだ長期休暇をやろう、行ってない新婚旅行に行ってこい!」とか必死に引き止めてたな。
でも店長は落着き払った声で「いえ、辞めます、お世話になりました」と僕の見てる前で。
もう僕は何て言って良いのか判らなかった。
まだ21歳ぐらいの僕に何が言えたのか判らない。
あまりにもガキだったわな。
それからすぐに僕もSを辞める。
(結局半年ぐらいかな、この間。何故か3ヶ月でカットとかせて貰えてて美容院での給料も上がったので)
それから一月後。
店長から電話が来たんです。
「今度の休み俺の家に遊びに来いよ、嫁さんと土産用意して待ってるから。」と。
月曜日大和郡山の店長の住むアパートへ。
とても綺麗な奥さんと凄くにこやかに僕を迎え入れてくれた。
でも僕は胸が苦しかった。
誰のせいで辞めたのか何が原因でそうなったのかは誰にも聞かなかった。
怖かったから。
ひょっとすると僕は全然関係ないかも知れないけど。。。
でも僕のせいだったらこの奥さんにも僕は迷惑を掛けてるんじゃないのかなって。
それを最後に店長からは連絡がなくなりました。
今でも思い出す。
「田中君の髪は絶対に切らせないからな」
「田中君・・・・ごめん」
瞬きをしたらあんた涙零れちゃうでしょ?って店長の優しい瞳。
もう音楽で食べて行こうかと真剣に考えてました。
でもやっぱりその夢は重すぎて・・・
負けてしまったんですね。
美容師も「美容学校に行かなきゃなれない」と思ってたので早々と諦めてしまって。
結局なったのは工業用機器のコンピューターのプログラマーでした。
当時コンピューター学院の「アビ○」とかなかったので使えたのは稀だったらしく割と大手の企業に入社できたんです。
(高校の友人がボンボンでPCを当時3台持ってて1台借りてた)
望めばイギリスでもドイツでもフランスでも思いのままと言う恵まれた環境の中、僕の存在はどんどん浮いていきました。
何故か?
面接の時は短く切ってあった髪が入社する頃にはかなり伸びてましたから。
当時は男性が髪を伸ばすのは割りと特殊な(?)事で周りにはバンドメンしかいませんでした。
上司はしきりに「切れ」と。
髪は関係ないでしょう?と言う僕の意見は頭ごなしに無視です。
1年経った頃高校ぐらいから続けてたバンドがうまい具合にまわりだしたんです。
メジャーバンドから前座で使って貰える様になったり。
「これはやっぱりバンドだな!」とあっさり会社を退社。
でもこれもとある理由でダメになりそして就職先を捜す為に「髪を切ろう」と思い美容院へ。
髪を切ってくれてた美容師さんに「僕も前は美容師になりたかったんだけど学校に行かなきゃいけないから諦めたんだ」と言うと
「学校なんか行かなくってもなれるよ?」と。
福音以外の何物でも無かったですね。
そうしてまた運命は周り始める・・・・
美容院の給料だけでは~の件は前回書きましたからはしょります。
で、ファミレスSのバイトの面接を受けに行きます。
無理かな・・・髪長いしな・・・とか思いながら指定された時間にSに到着。
最初に応対してくれた人も結構びっくりしてました、髪の長さに。
こりゃ完全に無理・・・
店長らしき人が出てきましたョ、もうオリは帰りたいョとか思って何と無く店長の顔を見たら微妙に微笑んでる(?)。
いや、かなり好意的な態度に見えるが果たして。
即採用だったんです。
店長はしきりに「髪、長いね~、いつから伸ばしてるの?」とか「バンドやってんの?」とか聞いてきて
肝心の面接は?でした。
こんなんでいいのかなとか疑問に思いつつ僕はとりあえずバイトが決まった事を喜びました。
その店長は何かと僕を可愛がってくれてる様な気がしました。
あの当時で35歳ぐらいだったのかなぁ。
今の僕より少し若いぐらいですか。
新婚さんだとかで仕事にも張りが出てる、そんな感じの男性でした。
仕事にも慣れてきた頃事務所から店長がマネージャーから怒られてる声が聞こえてきました。
「何かまずい事でもあったのかな?」その店はかなり流行っててチェーン店の中でも売り上げがナンバー1で何度も表彰されてる店だったので
いろいろと厳しかったみたいです。
話の内容が断片的に聞こえてきます。
「バイトの髪ぐらい切らせる事もできないのか!」と。
店長は「女性だって長いじゃないですか!どうして彼がダメなんですか?」と。
まずいな、僕の事で怒られてるんだ・・・
「厨房の中で働いてる女性はみんな髪を帽子の中に入れてます、彼もそうさせてますよ」と言ってくれてたと思います。
何か居た堪れなくなって僕は仕事場(皿洗い)に向いました。
でも知らんふりをしてる程の度胸はないので仕事が終わってから店長にその時の事を聞きました。
店長はちょっと驚いて「聞いてたんだ・・・・」
「・・・・でも田中君の髪は絶対に切らせないからな!」と。
何故??????????
切りたくないとか一言もこの人に言ってないけど。
そりゃ切りたくないしどっちか取れって言われたら迷わず髪を取りバイトを辞めましたけど・・・
困ってしまって黙ってたら店長が一言。
「僕も昔、バンドやってんだ・・・」って。
そんな理由であんたは自分の評価を下げちゃって良いのか?とも思いましたがそれよりも何か嬉しかったです。
「美容師をやりながらバンドもやって(やってたんです、実際)ここでバイトって凄いよな!」とやたら褒めてくれるんです。
彼は僕に自分の姿を重ね合わせてたのかと思いましたが実はそうではなく・・・
僕を弟の様に可愛がってくれてたんですね、今なら解る。
それからもどんどん店長の立場はまずくなる。
僕はもう店を辞める事もできなくなっていた。
今、辞めたらこの人を裏切るんだよな?!
でもこのまま僕がいたらこの店での店長の立場はどうなる。
そう考えた僕は髪をばっさり切りました。
これで店長が許されるなら安いモンでしょ。
あの漢気に今応えんでいつ応えるのか。
僕の頭を見た店長は絶句します。
「田中君・・・・ごめん」と後はそれこそ「そんな大袈裟・・・」って思うぐらいの店長でした。
詳しくは書かないです。
僕は店長と一緒に仕事がしたかった。
でも店長は僕が髪を切ったあと辞表を出した。
マネージャーは「落ち着け、そうだ長期休暇をやろう、行ってない新婚旅行に行ってこい!」とか必死に引き止めてたな。
でも店長は落着き払った声で「いえ、辞めます、お世話になりました」と僕の見てる前で。
もう僕は何て言って良いのか判らなかった。
まだ21歳ぐらいの僕に何が言えたのか判らない。
あまりにもガキだったわな。
それからすぐに僕もSを辞める。
(結局半年ぐらいかな、この間。何故か3ヶ月でカットとかせて貰えてて美容院での給料も上がったので)
それから一月後。
店長から電話が来たんです。
「今度の休み俺の家に遊びに来いよ、嫁さんと土産用意して待ってるから。」と。
月曜日大和郡山の店長の住むアパートへ。
とても綺麗な奥さんと凄くにこやかに僕を迎え入れてくれた。
でも僕は胸が苦しかった。
誰のせいで辞めたのか何が原因でそうなったのかは誰にも聞かなかった。
怖かったから。
ひょっとすると僕は全然関係ないかも知れないけど。。。
でも僕のせいだったらこの奥さんにも僕は迷惑を掛けてるんじゃないのかなって。
それを最後に店長からは連絡がなくなりました。
今でも思い出す。
「田中君の髪は絶対に切らせないからな」
「田中君・・・・ごめん」
瞬きをしたらあんた涙零れちゃうでしょ?って店長の優しい瞳。