スマートウォッチがややこしさを連れてきた

「本当に必要なものだけ持っていたいから、

ポイントに踊らされたくない」という

弱さゆえのこだわりがあって、

いつもニコニコ現金払いでした。

だけど、

現金の受け渡しがない方がレジの方も安心、

という昨今、まぁ今はそれも必要なのかな、と、

キャッシュレスで買い物をする事が増えました。

銀行で現金をおろすことも減ったし、

これはこれで便利だわ。

んで、

気が付いたら、ポイントとやらが溜まってて、

しかも

「〇日までに使わないと消えるから今すぐ使え」

と、そのポイントで買い物が出来るサイトのリンク。

ポチポチとタップしてあれこれ見ているうちに、

「そういえば運動不足だよなぁ～」と思って、

誰が払ってんのかよくわからないまま

謎に激安のスマートウォッチを買いました。

もらいました、かな？

ポチっと注文して２日ほどで届いたそれは、

見た目は、それなりのスマートウォッチで、

見開き6ページほどの薄い説明書が、

直訳のたどたどしい日本語でビックリ。

その説明書だけじゃ全貌がわからないけど、

歩数計や心拍はもちろん、

血中酸素や消費カロリー、フィットネスの記録など、

いろんな機能がついているようです。

見ているうちに、

痩せやすいゾーンって、心拍いくつくらいだっけ？とか、

スマホを持たなくても散歩に行けたら軽くていいなとか、

だんだん、身体を動かしたくなってきます。

そして、夜なのに「今から散歩して来ようかな～」

などと、盛り上がっていたら、

子どもが「見せて」と言ってちょこちょこっと、

スマホと連動させてくれたり、

「こんな事もできるけど、設定したい？」と、

いろんな機能を発見してくれたり。

触れば欲しくなるのが人情。

「いいな～。コレ、私にちょうだい」などと言う。

「え～、せっかく運動しようと思ってたのに。共用にする？」

「それじゃ記録が混ざるよ」とか、あれこれあって、

まあ結局、使いたい時に使いたい人が使うということで。

こういうのが、

なんか、なんか～～～～。

…気持ちがモゾモゾする。

もともといらなかったものなのに、

せっかく欲しがってる人にあげるのが惜しくなる。

そのくせ、何回か使ったらすぐ飽きる(^^;)。

はぁ…。

結局、コレがあったからと言って、

運動習慣が身につくわけじゃないし、

水を飲めとか、座りっぱなしはダメとか、

一日に何度もバイブが震えるけど止め方わからんし。

しかもバイブの止め方を調べるのもおっくうで、

そのうち電池が切れたら止まるでしょ、と、

振動が吸収されるやわらかい場所に放置された

三日天下のスマートウォッチ。

子どもだって、すぐ飽きた。

なんとなく思い出したのが、

百人一首の「たえて桜のなかりせば」って歌。

その昔、恋多き業平が、桜の季節に、

花が咲くにも散るにも、その都度心乱れて、

「桜さえなかったら、春はもっと穏やかに過ごせるのに」

と嘆息した息遣いさえ聞こえるような。

　　世の中にたえて桜のなかりせば

　　春の心はのどけからまし

私の場合は、

　　世の中にたえてポイントのなかりせば

　　春の心はのどけからまし　

…ってとこです。

嘆息の息遣いというより、我執の鼻息って感じ(^^)。

こんなんで「気持ちが似てる」なんて言うと、

業平に怒られるね、きっと。

放置されたスマートウォッチに象徴される

おのれの物欲だの、エゴだの、意志の弱さだの、

いろんな心の乱れを見て、

「今度からポイント交換は食べ物にしよう」

と心に誓ったのでした。

食べてしまえば、

気持ちが乱されることもないし～！

あれ？　

意志が強く、カラダも健康になったらいいんであって、

気持ちが乱れなければいい、って話じゃない？？

あーもう、やっぱりややこしい！