『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

夫に怒鳴る老女の声に、不思議と安心した話

2019年12月02日 | 考える日々
隣の席に、耳の遠そうな老夫婦が居られた。 一緒にお茶を飲みにくるくらいなんだから、 普通に仲良しのご夫婦なんだと思うんだけど、 奥様はなんだか声高にお話しておられる。 女「なあ、ほんで、今日返事せなあかんけど、 あの検査、どーするん?」 男「まぁ、お前の言うてた通りでいいよ」 女「そんな無責任な!」 男(にこにこして妻の顔を見ている) 女「なぁ、聞いてるん?(イライラ)」 男 (にこにこ) 女「自分の思うこと、ちゃんと伝えてくれんとわからんゆーてんねん」 男「いいよ」 女「あんたのゆーこと、ちょっともわからんわ。 何がいいの? 具体的にどーしたいのよ?」 私がいっつもあんたの言いたいこと代わりにゆーたってるけど、 たまには自分でゆーて!(あ、キレた)」 男(にこにこ) 女「もう、私、知らんでってゆーてんねん。なぁ、聞いてる?」 男(にこにこ) 女「聞こえてるん? 聞こえてないん?  聞こえてるけど知らんふりしてるん? どっち? これから、自分でちゃんと伝えてや。 ほんまわからん人や! 自分のことやんか(畳み掛ける)」 男(にこにこ) ダンナ様は、聞こえてるんだか、どうなんだか、 奥様の口調がキツくなっていくのに頓着せず、 始終にこにこして奥様を見ている。 ついに奥様、全面的にキレました。 女「もう私は知りません。センセにも何も言いません。 自己責任でお願いしますっ!」 男「ああ」(にこにこ) ああ、もう結構なお年なのに。 いたわり合って、支え合って生きていけばいいのに。 あちこちガタが来る年齢になっても、 自己責任だと怒鳴り声を投げつけるなんて。 こういう年の重ね方は辛いなぁ〜。 その後、だんだん奥様の口数が減り、ついに黙り、 あさっての方向を向いて、無言でコーヒーをすする。 ダンナ様はそんな奥様を、 相変わらず、にこにこ眺めておられる。 しばらくしたら、娘さんらしき人が来て、 お二人に向かって一言二言。 普通の声だから、娘さんの話は聞こえてこなかったけれど、 ダンナ様、普通に受け答えしておられる様子。 あ、聞こえてたんだ(^^)。 聞こえてないから返事しないんじゃなくて、 最初に「お前のいいようにしていいよ」と言った、 それ以上でもそれ以下でもなかったんだ。 「全面的にお前を受け入れてるよ」、 って表現し続けて、にこにこしているダンナ様の前で、 「何を言っても安心だ」という前提で、 奥様がダンナ様も一緒に不安がって欲しくて、 自分の不安を言いつのってたんだ。 相手が気に入るような事ばっかり先回りして言うような 青春の頃のキリキリ綱渡りな恋愛に比べたら、 なんと安心感のある老夫婦のやりとり。 どこまで受け入れて、甘えて、わかりあってるねーん。 すごいすごい。 お二人で積み上げて来られた歴史を 垣間見せていただきました。 いや、覗き趣味はないけどさー。 奥様の声が大きすぎて、 自分のことに全然集中できなかったんだよー。 さてさて。


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