Johnny Wakelin - In Zaire (1976) • TopPop
誰しも、ふと耳に入ってきたフレーズが、なぜか心に残ってずっと離れないという経験はよくあると思いますが、ぼくの場合、それでいちばん印象に残っているのが、この「イン・ザイール」。
これ、ネタから明かしてしまうと、昭和50年代にTBS系で朝にやっていた「おはよう700」という番組内の「キャラバンⅡ」というコーナーのテーマ曲だったそうで、きっと、ぼくのほかにも覚えている方がいるのではないでしょうか。で、この頃ぼくは小学生(おそらく、「イン・ザイール」がテーマだったアフリカ編は昭和52年)。
しかし、当時ぼくがその番組を見たのは実は一回だけで(というより、その曲が流れた数分だけ)、番組名すら知らなかったし、もちろんコーナーのテーマ曲なんて知るはずもないから、次の日にテレビをチェックすることもありませんでした(というより、その日は休みだったという記憶があって、最近まで日曜の番組だと思っていた。学校が休みの時期に見たのかなあ)。
それで結局、曲名と「♪イン・ザイール、イン・ザイール」というフレーズだけが、理由も分からず強固に頭に焼きついてしまった、というわけです。
で、大人になってもその記憶は消えなかったので、ちょこちょこと探りを入れたりしていたのですが、しかし当時はインターネットもなかったし、なにしろ手がかりが「イン・ザイール」という曲名しかない以上、アフリカ音楽くらいしか探しようがない。
唯一の希望は、この曲が始まる直前のナレーションで、「みんなが知っている曲」というニュアンスで紹介されていた記憶があるということで、もしかしたらこれはかなり有名な曲で、偶然またいつかテレビで流れたりするかもしれないということでしたが、しかしポップス方面にまったく弱い自分としては、自力で探すのはとても無理だと思っていたのです。
それが数年前、ついに自分もインターネットを使うようになって(正直、かなり遅かったのですが)、ある日ふと思い出して検索してみると、あったあった、ありましたよ。
これ、もとはジョニー・ウエイクリンという人の曲で、試聴できるレコード店のサイトを見つけて聴いてみると、まさにこれ! その瞬間、ちょっと涙が出そうになりました。それにこの曲、やはり元々かなりのインパクトがあったと見えて、日本の歌手もカヴァーしているし、ぼくの周りの人もけっこう知っておりました。いやあ、長年の謎が解けて、うれしかったですね、まずは。
ただ、ちょっと寂しいのはいつもその後。
ぼくの場合、気になったことはけっこういつまでも忘れずに調べ続けるタイプで、テレビなどで耳にしていいなあと思ったほかのメロディなども、ちょこちょこと飽きずに探してしまう。で、昔から気になっていたものは、もう大半探してしまった感がある。
それですっきりしたのはいいんだけど、しかし大抵は曲名が分かっただけ。曲のほかの部分は大して面白くなかったり、その後の広がりもなかったりで、正直いって「何も残らないなあ」と思うことが多い気がする。というか、むしろ何だか楽しみがひとつ減ったような気になることさえある。
この時の場合も、いざ曲名が分かったといって、ウェイクリンという歌手を特に好きになったという訳でもなく、しばらくしたらまた頭の中から消えてしまっていた。
・・・う~ん、でも結局はいつまでも探せないのもイヤなわけだし、こんなところでマイナスな気持ちになってもしょうがないか、なんていつも思うわけです(笑)。