Don Cherry (tp) Lennart Aberg (sax, fl) Bobo Stenson (p) Anders Jormin (b) Anders Kjellberg (ds) Okay Temiz (per)
これは、数年前に買ったものの、一度も聴かずに埋もれてしまっていたCD(残念ながら、わりといっぱいある(泣))。
で、今回ひょっこり出てきたので聴いてみたんだけど、全然知らないメンバーなんかもいる中で(Bobo Stenson と Anders Jorminはよく組んでいたと思う)、何だかすごくECMっぽい雰囲気が濃い作品で、ひさしぶりにECMの音にどっぷり浸かってしまった。
ネットで拾った情報によると、この盤は晩年のドン・チェリーが久しぶり(11年振り)にECMへ録音した作品ということで、また同時に遺作にもなってしまったものらしい。
で、ECMって、やっぱりこのレインボースタジオに象徴されるような硬質で冷ややかな音響というのが一番の魅力だと思うんだけど、でもそれが一層際立つのは北欧のドメスティックな音楽をやるよりは、むしろ例えばこの盤のようにエスニックな要素なんかが加わったりする時で、そしてそのエスニックな要素に説得力を持たせるためにもやはり地元の人間よりは、この盤のようなドン・チェリーやパーカッション奏者のように、外から来た異質な人間が混じって、それもある程度主導権を取ったほうが断然良さが出るのではないかと思ったりする。
この点、例えば北欧人のヤン・ガルバレクのリーダー作があまり面白く感じたものが少ないというのも(もしかしてぼくだけでしょうか)、案外その辺が原因じゃないか、なんてことも思うんだけど。
というわけで、この盤もドン・チェリーが参加していない1曲目(パーカッションの音はドラムスとは別に聴こえてくるが)から雰囲気抜群なんだけど、でもそれで最後まで行かれてしまうとやっぱりキツかったんじゃないかな、と。
あと、最近実は少しずつ気になってきていることがあって、それは昔最初にECMにハマった時に集中して聴いていた人たちから、気づけばもう随分遠ざかってしまっているということ。
今回参加しているボボ・ステンソンもまさにその一人で、今もパソコンの前から3メートルくらいのところに他のECM盤とともに並んでいるのに、もう十年は余裕で聴いていない。
でも、その3メートルが、実は遠いのですよ! その3メートルの間に、すごく沢山の聴くべきCDがひしめき合っているのだ~~!(笑)
In Memoriam
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