お盆に戻ってくるとされる先祖の霊のために供物を飾る棚を精霊棚(しょうりょうだな)といいます。
供物の中になすときゅうりがあります。
供物にはそれぞれ意味があります。
きゅうりは、馬を表していて、早く家に帰ってきて下さいという意味(精霊馬)
なすは、牛を表し、盆が終わってあの世へ帰るのに、ゆっくり帰ってくださいという意味(精霊牛)
情の深い意味ですね。
なすときゅうり、ちょっと置くだけでも意味を知れば意義深いものです。
夏野菜といえば他にもピーマンやかぼちゃ、ししとうやいんげんなどたくさんありますが、どれも馬や牛に想像が飛んでいきにくいですからね。
あるものから、別のものを示す、これは見立てです。
子どもが直方体の積み木をブーブーと言いながら走らせるのは、それを車と見立てているのですね。
ミニチュア写真家田中達也氏は、ミニチュアの視点で身近にあるものを別のものに見立てた世界を作っています。
ブロッコリーは木となり森となります。
⇒MINIATUrE CALENDER
枯山水は日本文化の典型的な見立てです。
砂や小石の水面に岩の島が浮いています。
⇒日本文化再構研究所
松尾芭蕉
荒海や佐渡によこたふ天の河.
日本海の荒海を夜空の天の川に見立てています。
スケールの大きな俳句です。
想像が膨らむ見立ての世界
知らず知らずのうちに日常の生活にも多く入り込んでいるような気がします。
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