クリストとジャンヌ・クロード( Christo & Jeanne-Claude )は、夫婦であり、芸術家としての生涯のパートーナーでした。
モロッコ カサブランカ生まれのジャンヌ・クロードは2009年にニューヨークで、ブルガリアのアーティスト、クリスト( Christo Vladimirov Javacheff )が昨年5月31日に死去しました。
⇒Vilcek Foundation
二人は1960年代にはパリの凱旋門を布で包むという構想を抱いていました。
60年の月日を経て、二人の死後それが現実となりました。
⇒Christo and Jeanneclaude.net
クリストは彼のアートの中にいます。
⇒ARTNEWS
イタリア北部のイーゼオ湖に水面に浮く通路をつくり湖の中央へ誘います。
湖も通路もその先にある小さな人工の島も風も人々もすべてが作品の一部です。
⇒inexihibit
人々は水の上を、あるいはクジラの背中を歩いているような感覚で島に向かいます。
⇒Christo and Jeanne-Claude
彼の初期の作品は、身近にあるもの、家具、電気機器、人などをポリエチレンなどでラッピングするものでした。
バイクが包まれています。
⇒Christo and Jeanne-Claude
彼のラッピングは巨大化していきます。
1995年 ベルリンの国会議事堂
⇒BBC
アメリカ コロラド州の渓谷にかけられた巨大なカーテン
⇒Christo and Jeanne-Claude
日本とアメリカで実行された共同プロジェクト
アメリカのカルフォルニアでは黄色い傘、日本の茨城県では青い傘
⇒Christo and Jeanne-Claude
セーヌ川にかかるパリで最も古いボンヌフ橋
クリストの手にかかると・・・・包まれた
ラッピングは橋や壁、モニュメントなど数多くあります。
来年にはフランスパリ凱旋門のラッピングの計画もありました。
彼の作品は環境全体だといいます。
そこに新しい視点を生み出し、別の認識、意識を生みしていく。
作品は、一定の期間を経て解体され、材料はすべてリサイクルされるようです。
作品の製作にかかる費用は、すべてクリスト自身のポスターや本やグッズなどで得た収入から賄われているそうです。
他からの出資をもらうと芸術が変わっていくという信念があったようです。
今世の中を席巻しているコロナ感染も、いわば社会をラッピングしているようなもの。
社会を見る意識が変えられています。
ラッピングによって隠された本来のものが解き放たれた時には同じものでも新鮮で違った気持ちで見るようになります。
ただし、社会や生活そして人間にはラッピングしたくはないですね。
本来のものが隠されているという状況は好ましいものではありませんから。
普段の生活でも贈り物などにラッピングします。
⇒YAMATOMI
儀礼的、形式的なものだとしても、本来のものを包んで隠し、見る人の気持ちに訴えるものです。
規模の差こそあれ、小さなものでもラッピングにはまだまだ可能性がありそうです。
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