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♪おみそしるパーティー♪

「ほにゃらか」の
古典・短歌・ことば遊び
『 題詠100首blog 』に参加中

いいわ~。この歌♪ 006:「時」

2005年03月18日 22時44分00秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「006:」から


★後悔をしているわけじゃないけれど数多のifを経てゆらぐ時間(とき) (武田ますみ)
 ( http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508 )


   ほ:ありますよね。
     あの時、あそこでこうしていたら、今はどうなっていただろう
     という思い。誰にでもありそうな気持ちですが、
     「数多のifを経てゆらぐ時間」という表現が良いと思います。



★5時限の終わりも聞かず飛びだした 眼をひらかない魚のうわさに (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:「魚」のことが気になって、授業の終わりが待ちきれない思いが
     生き生きと伝わります。
     「目をひらかない魚」っていうのが、ものすごく気になります。



★朽ち果てし百葉箱の傍らに時を忘れて紅梅は咲く (茶琥チヤ子)
 ( http://chiyako.exblog.jp/ )


   ほ:茶琥さんの思い描いた情景は全然別のことかもしれませんが、
     私の頭には「廃校になった母校」の映像が浮かびました。
     私が1~2年生まで通った中学校は、近隣の3校が合併になり、
     新校舎へ移転したため、廃校になったのです。
     そこにあった百葉箱も、まさに朽ち果ててしまいましたが、
     植木などは、まるで何も知らないように花をつけていたものです。
     この歌は、会えなくなった方を思い続ける歌なのでしょうか。



★この街に今いる人の時計みな全て等しく十二時を指す (黒田康之)
 ( http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/ )


   ほ:最初に、なぜ十二時なのだろうと思いました。
     どこかの街の、何か事件が発生した時刻なのか。
     それとも、シンプルにお昼?あるいは深夜十二時なのでしょうか。
     意味するところはつかみがたいのですが、
     「この街に今いる人の時計みな全て等しく」という部分が
     私の心を惹きつけました。



★六歳は大人さびたることも言う「時間時間ってイソガバマワレ」 (鈴木英子)


   ほ:幼いと思っていた我が子が、時々はっとするような大人びたことを言う。
     その驚きと、喜びの瞬間がうまく切り取られています。
     「イソガバマワレ」をカタカナで表記したことにより、
     子供の口調のたどたどしさと、「本当に意味わかってるの?」という
     お母さんのやさしい目線が、目に見えるように伝わります。



★つかれ果て母に電話をしたくなれど日本は午前二時時差をかみしむ (橘 みちよ)


   ほ:海外留学、あるいは出張でしょうか。
     肉親と遠く離れている時、時差ほど距離を感じさせるものはありませんね。
     私も、主人がアメリカに長く出張した時、こちらの深夜1時過ぎに、
     あちらへのモーニングコールをし続けたものです。
     英語が苦手な私は、ホテルのフロントの人に取り次いでもらうのも苦痛で、
     毎晩、メモに書いた「セリフ」をオウムのように繰り返しました。
     「時差をかみしむ」で気持ちが伝わりました。



★匿名のメール 不埒な誘惑は逢魔が時の空を行き交ふ (前野真左子)


   ほ:いやですよね~。
     特に、眠っている時にこれで起こされると、どうやって撃退してやろうかと。
     「空を行き交ふ」という表現がポイントです。
     なんだか不埒なメールの電波が飛び交っているのが見えてきそうです。



★時差のあるひとたちのいる教室でわたしひとりが草原時間 (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:人の時間のリズムは、人それぞれの暮らしの中にあり、
     そこに文化の違いを感じて感心したり、疎外感を感じたり。
     そんなふとした寂しさのようなものを感じました。



★ランドセルと机と母に貼り付けた空の水色の時間割表 (宮まり)


   ほ:ほのぼのした歌で好きです。
     我が家では「母」の分の時間割表は「冷蔵庫」に貼ってあります♪
     もちろんランドセルと子供の机にも。
     「空の水色の」っていうところが気になるのですが、
     要するに「みずいろ」ってことでしょうか。
     この部分が、たぶん「ほのぼの感」を出しているのだと思います。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。



6つ目のお題にして、すでに何度か重複して同じ作者の方のお歌を
ピックアップしてしまいました。

なるべく作者の方のお名前を見ないようにして、先入観を持たずに選んだ後で、
作者名を確認するようにしているのですが、
この偏りは、やはり「好き」ということなのでしょう。

着眼点とか、発想とか、表現というものには、人それぞれの好みというのがあって、
たぶんその辺りが私の心をくすぐるんだと思います。
今後は、どんな歌、どんな作者の方に出会えるのか、とても楽しみです。



他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 005:「サラダ」

2005年03月17日 13時42分15秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「005:サラダ」から


★アメリカは坩堝(るつぼ)ではない人間のサラダボールだ旅の実感 (謎野髭男)
 ( http://blog.goo.ne.jp/nazohige/ )


   ほ:アメリカにはいろんな人がいるようですね。
     自分さえ、自分の国さえ良ければという人がいる一方、
     他人のために尽くせる人もいる。
     きっとアメリカに限ったことではないのでしょうが。



★すれ違う心をそっとまぜ合わすサラダボウルの緑の濃淡 (林本ひろみ)
 ( http://2.csx.jp/~h_h/ )


   ほ:すれ違った心は、和風の和え物ほどにはしっくりと混ざらない。
     それが緑の濃淡をつくっているのでしょう。



★サラダよりカレーが好きとぐずる子は吾が遺伝子を真面に継ぎて (かわぐち みつる)


   ほ:ほんとうに、「遺伝子」の力は不思議です。
     「ぐずる子」への愛しさが伝わります。



★辞めるべくして辞めるのだ 6年に積もる言の葉ざりざりサラダ (中村悦子)


   ほ:「ざりざりサラダ」どんなサラダなのでしょう。
     口触りが悪く、味も苦いのでしょう。お疲れさまでした。



★給食のサラダドレッシングを押しこんだ お道具箱と笛のすき間に (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:ありがちです。(歌が「ありがち」という意味ではなくて)
     子供の学校の机の中をのぞくと、いろんなものが入っています。
     どうして、そんな隙間にそんな物を?と思うような物が。
     この「給食のサラダドレッシング」は、どうしても「使いたくない物」
     だったのでしょうね。隠しておきたい理由があったのでしょう。



★ぷきぷきとボウルの中で笑い出すベビーリーフのやんちゃなサラダ (島菜穂子)


   ほ:使われている単語の勝利です。
     「ぷきぷき」「笑い出す」「ベビーリーフ」「やんちゃ」
     とても幸せそうなサラダですね。



★盛られたるサラダのような アスパラにたまごにトマトみな誰かの子 (鈴木英子)


   ほ:「みな誰かの子」が見事です。
     「サラダ」=「いろんな人間の寄せ集め」という見方をする歌は
     他にも多くありましたが、概念にとどまっている歌が多い中、
     この歌には「一人ひとり」の姿が見えてくる実感がありました。
     おそらく「アスパラ」「たまご」などの具体的な名詞が、
     うまく使われているからだと思います。



★もしここに君の作ったサラダとかあったらきっと泣いて食えない (あみー)
 ( http://blog.livedoor.jp/ammy/ )


   ほ:ふつうの言葉みたいなのに、妙に詩的で、心に響きます。



★ゆで玉子ふたつ使って贅沢にミモザサラダを作る雛の日 (森屋めぐみ)


   ほ:「ミモザサラダ」も、かなりたくさんの歌の中に見られましたが、
     この歌は、ミモザサラダにちゃんと意味がありました。
     きっとお子さんが好きなのでしょう。しかもゆで玉子が。
     それをひな祭りのお祝いに、「贅沢に」「ふたつ使って」いるのですね。
     お子さんの成長を喜ぶ母親の気持ちがあふれるように感じられました。



★愛しあうつもりのなさはゆるぎなく サラダの果てをかこむぼくらが (我妻俊樹)
 ( http://cat.zero.ad.jp/gips/ )


   ほ:「サラダの果て」さぞかし干からびてしまったのでしょう。
      愛もサラダも。
     「愛しあうつもりのなさはゆるぎなく」なのに、
      サラダが干からびるほどの長い時間向き合っている。
      そこに「ゆるぎない」と言いながらも迷いがあるのでしょうか。     



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。



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いいわ~。この歌♪ 004:「淡」

2005年03月14日 16時06分00秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

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   「004:」から


★淡墨の喪の山見たり友の腕掴みしままのこの脱力感 (津山 類)


   ほ:「この脱力感」で充分に気持ちを表現しています。
     「淡」という文字から、お葬式をイメージされた方は少なかったようです。



★淡々と毎度の食事を作る母 いつもと変わらず 頭が下がる (スナフキン)
 ( http://www.geocities.jp/omakasesumo23/ )


   ほ:淡々とした日常に感謝される心が素敵だと思いました。



★今までで綺麗な恋はひとつだけ 淡い初恋5歳の電話 (露稀)
 ( http://www.geocities.jp/black_2_sheep/index.html )


   ほ:「5歳の電話」がポイントです。可愛い様子が目に浮かびます。



★淡々と 怒(いか)り抑えて 生きる子よ 激怒の父の 因子はどうした (花詠み人)
 ( http://fujihara.cocolog-nifty.com/ )


   ほ:「激怒の父の因子」を受け継いで欲しかったのでしょうか。
     きっと内側に秘めた強さがあるのだろうと感じさせられます。



★ふんわりと淡くからまる綿菓子に今日も騙されべたべたしよう (穴井苑子)
 ( http://brown.ap.teacup.com/agarix/ )


   ほ:「今日も騙されべたべたしよう」が良いですね。
     どうぞ、べたべたしてください。



★淡白な文面なのにひしひしと愛を感じているぜ(勝手に) (あみー)
 ( http://blog.livedoor.jp/ammy/ )


   ほ:「(勝手に)」というところで爆笑しました。
     誰にでもあるだろう「愛されていると思いたい心」と、ストーカーとの
     紙一重の感じが好きです。



★表現の濃い子淡い子 桃の子も母には見えるこころをもてり (鈴木英子)


   ほ:表現は「淡」くても、「母には」ちゃんと心が見えているよ、と。
     そして、「母」以外にも見えてほしいよ、という思いを感じます。



★結論を淡・淡・淡と急かしてるサラダ菜を突く銀のフォークが (中村成志)
 ( http://www003.upp.so-net.ne.jp/haihoo/ )


   ほ:何をそんなに苛立って結論をせかしているのでしょう。
     「淡・淡・淡」という音の持つ鋭さと、
     「突く」「銀」「フォーク」という単語の持つ鋭さがマッチしています。



★濃淡の影を映して三月を蛇行しながら川は流れる (青野ことり)
 ( http://homepage3.nifty.com/flat_m3/ )


   ほ:情景としても目に浮かびますし、「思い」のようなものも伝わります。
     素敵な春が訪れますように。



★ココナッツマカロン淡く投げつけた 心の距離を戻したかった (みにごん)
 ( http://mini.pussycat.jp/ )



   ほ:「ココナッツマカロン」というお菓子の持つあわあわとしたイメージと、
     それを「淡く投げつけた」という表現のやさしさ、切なさが
     よくマッチしていると思いました。仲直りはできましたか?



★肌に沁むほど塩辛い恋をした吾は淡水魚ではなかった (おやなぎ しま)
 ( http://snaky.fc2web.com/ )


   ほ:「淡」のお題で「淡水魚」を使った方は他にもたくさんいました。
     この歌は、「肌に沁むほど塩辛い恋をした吾」を例えているところが
     面白いと思いました。



★「餡なしの八ツ橋みたいな人はいや」淡い吐息にささやかれてる (秋月祐一)
 ( http://blog.livedoor.jp/capybara2/ )


   ほ:「餡なしの八ツ橋みたいな人」に笑いました。
     それは、わたしもいやだな。
     「餡」さえ入れば良いのでは?と思ったりして。



★淡水魚眠る水槽に塩を撒く干からびていく干からびていく (水沢あけび)


   ほ:どうしてそんなことしたんです?と、思わず聞きたくなってしまいます。
     「干からびていく干からびていく」がポイントです。
     撒いたのは自分のようなのに、「干からびていく」のを見ているうちに
     自分自身が干からびていく感じがします。



★感想を追記しました。黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。




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いいわ~。この歌♪ 003:「つぼみ」

2005年03月12日 22時53分18秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

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以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
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   「003:つぼみ」から


★つぼみにもならない想い咲き終わり泣いてる人を羨んでいる (愛観)
 ( http://ami.lovesick.jp/papillon/ )


   ほ:「泣いている人を羨んでいる」 ふつうなら羨ましくないことです。
     羨ましさは他にあるのでしょう。そのあたりの正直さ?に心を打たれました。



★無人駅 月の光を吸いながら ひとつふたつと生まれるつぼみ (K.Aiko)
 ( http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=utayomu)


   ほ:ひんやりとした空気感。しんとした静けさ。つぼみが闇に浮かびあがるように
     ふくらんでいく感じを想像させられました。



★菜の花のつぼみ摘み取り旬の味楽しまんかな晩酌の杯 (林義子)


   ほ:いいですね~。お酒が飲みたくなります。



★咲かぬなら摘んでしまえよ早いうちつぼみのうちなら痛みも少し (満八)


   ほ:「つぼみのうちなら痛みも少し」がポイントです。
     つぼみのうちに摘むのは、優しさか、もっと残酷か。悩みます。



★アサガオのつぼみをかじる むらさきにくちびる染めて受ける夕風 (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:子供の時には、花の蜜を吸ったり、草花をさわって手に色がついてしまったり。
     そこまではよくあることのようですが、「アサガオのつぼみ」は
     めったにかじりません。
     さらに「むらさきにくちびる染めて受ける夕風」となると、狂気を感じます。
     現実と非現実の入り交じった、不思議な世界が目に浮かびます。



★チューリップのつぼみとんがれ鉛筆の芯もとんがれ。この傷に春 (足立尚彦)


   ほ:チューリップと鉛筆を同じように尖っているものととらえ、
     さらに「とんがれ」という。
     「この傷に」というからには、すでに傷ついているんでしょうに、
     さらに「とんがれ」と。元気だしてください。と言いたくなりました。



★満開のあの春の日の約束は有効ですか つぼみにて待つ (今野よすが)


   ほ:「約束は有効ですか」という聞き方が好きです。
     約束した日が「満開」だったのに、「つぼみにて待つ」というのは
     少し疑問ですが、全体のやさしい感じが好きです。



★ギザギザの青空だった 濡れた手で握りつぶしたガラスのつぼみ (野良ゆうき)
 ( http://www.geocities.jp/nannokanno575 )


   ほ:心も手も痛そうです。つぼみのうちに、ガラスは握りつぶせたのでしょうか。
     「ギザギザの青空だった」と「握りつぶした」と過去形ですから、
     きっと大丈夫だったのでしょう。そんなことまで思わせます。



★悪気なく私のなかの小人らがよってたかってつぼみを開く (秋中弥典)
 ( http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm )


   ほ:いたずらな小人たちですね。誰の心にもいるのでしょうね。
     面白い表現だと思いました。



★伸びすぎた蔓を切りゆくつぼみから摘んでいくのはもうやめにして (尾崎弘子)
 ( http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/ )


   ほ:「つぼみ」から摘むのはやめてという気持ちが、よくわかります。



★自転車がつぼみを乗せて駆けていく 紺のブレザー帆のようにして (下川梓)
 ( http://d.hatena.ne.jp/azusa_s/ )


   ほ:自転車に乗る学生を帆に例える面白さと、スピード感が印象に残りました。



★こどもらはこどもらなりに満開で桃の子いつまでつぼみの硬さ (鈴木英子)


   ほ:「こどもらはこどもらなりに満開で」という言葉から、むやみに完璧を
     求めているわけではなく、その時期なりの「満開」で良いのにという
     思いが伝わるからこそ、「つぼみの硬さ」のもどかしさがより強く伝わります。



★「食べられるつぼみ」といふにおそらくは炒めてたべるものぢやあるまい (謎彦)
 ( http://www.ja-hokkaidoukouseiren.or.jp/websmile/food/17.html )


   ほ:深い意味があったなら、すみません。とにかく爆笑してしまいました。
     「食べられるつぼみ」…。なんだろう???気になります。
     酢みそとか、ポン酢で食べるんですかね~。     



★おそい雪つもらせているふくらんだつぼみあなたはわたしの自慢 (本田瑞穂)
 ( http://singasong.sunnyday.jp/ )


   ほ:お子さんのことでしょうか。
    「あなたはわたしの自慢」という部分が好きです。



★ゆっくりとつぼみが開く明日には君との思い出四捨五入する (雛鳥)


   ほ:うまい!
     そうやって、思い出は「四捨五入」されていくんですよね。やられました。



★手遊びをするピカピカの一年生つぼみのようなグーが並んで (林 ゆみ)
 ( http://yumi.myfws.com/ )


   ほ:とってもシンプルですが、ほんとに可愛らしい手が目に浮かびました。



★感想を追記しました。黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
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いいわ~。この歌♪ 002:「色」

2005年03月11日 11時14分03秒 | ★題詠マラソン(感想)
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   「002:」から


★払おうとした手を逃れたる蜘蛛の子の柔らかそうなうす緑色 (浜田道子)


   ほ:蜘蛛の子ほどの小さなものにも、命を感じる歌です。
    「柔らかそうなうす緑色」がいいと思います。



★見も知らぬ景色に電車は連れて行くごめん見てない君しか見ない (丸井真希)
 ( http://m-space.jp/?25345225 )


   ほ:旦那さんになる人の実家へ、挨拶にでも行くのでしょうか?
     不安だけど、あなだたけを信じてついて行こうという決意に見えたんですけど。



★性もなく名もなく生くる術あらば今今捨てむ身に染む色を (樹里)


   ほ:性同一性障害のご苦労をイメージしました。
     性は変えても苦労・変えなくても苦労があると思いますが、
     どうかあなたらしく生きてくださいますように。



★地球儀の平野に塗りわけられているオリーヴ色は祈りのかたち (土岐友浩)


   ほ:「祈りのかたち」だと発想したことがありませんでした。
     この発想がポイントです。わたしも世界の平和を祈ります。



★七色にかがやく鱒の水音に根がかりのルアーを切りてゆく君 (しのざき香澄)
 ( http://kasumi25.jugem.cc/ )


   ほ:釣り人のマナーが問題になっています。
     「根がかりのルアー」を切っていくのは良いことなのか、どうなのか。
     さまざまな疑問を投げかけられました。



★ガリガリリ パタンコトンと鳴る音に 誘われ見れば黒色(くろいろ)尻尾 (あかりことり)


   ほ:ちょっとした景色なのですが、この空気が好きです。
     とくに「ガリガリリ パタンコトン」が良いですね。



★変わろうと願う心が軋むせい?緋色の髪の君壁を蹴る (雪之進)


   ほ:変わろうとして変われずに苦しむ「思い」をちゃんと理解してくれる人がいれば、
     きっと変われるはず。という希望が見える歌のように思いました。



★他者だけの世界の中へ踏み入れる足の爪から色づいてゆく (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:題詠マラソンを主催されている五十嵐さんのご苦労も感じましたし、
     「人には、他者の言葉や思いを吸収しながら、新しい物を身につけてゆける喜びがある」
     ということに、あらためて気づかされました。



★あでやかに八十過ぎて色っぽい 友の母上生き方強し (小谷久美子)


   ほ:素敵ですね。こんな女性になりたいものです。
     そんな素敵な人を歌える小谷さんも、きっと素敵な女性なのでしょう。



★綿菓子の色に頬染め振り返る君は幼き匂いをさせて (下川梓)
 ( http://d.hatena.ne.jp/azusa_s/ )


   ほ:「幼き匂い」にやられました。
     かわいい姿が目に浮かぶように、生き生きと描かれています。



★どうしてもあの色でなきゃ駄目なのね やめてもいいよ変われないから (今野よすが)


   ほ:人間、そんなに簡単に変われませんものね。
     やめてもいいよ やめてやるよ でも、ちょっと心残りも…。そんな感じですかね。



★勝ち犬になれる一言教えます「あなたの色に染められたいの」 (さお莉)
 ( http://blog.goo.ne.jp/emanon1979/ )


   ほ:結婚しても、なかなか「染められ」ない私は、この歌を読んで反省。
     染まった「ふり」が大事なのか、ほんとうに染まれることが大事なのか。
     色々考えさせられました。



★感想を追記しました。黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
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いいわ~。この歌♪ 001:「声」

2005年03月09日 13時08分42秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

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まずは「001:」から


★音にさえ母と子のあるさびしさに子音母音を声に鳴らせり (春畑 茜)
 ( http://blog.goo.ne.jp/haruhatakou/ )


   ほ:喉を締め付けるような「さびしさ」が伝わってきます。



★声かけてえーもんやろか かわいいし ぜったい彼氏おりそうやけど (笹本ふう)
 ( http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/ )


   ほ:こういう短歌もあるんですね。目からウロコが落ちまくり。



★衰えし母には母の誇りあり賞められることあれば声あげて笑う (浜田道子 )


   ほ:日頃は痴呆の症状があるのでしょうか。「母の誇り」がポイントです。



★溢れ出る想いを声に出来ぬ子の切なき祈り深夜に軋む (暮夜宴)


   ほ:一人声をあげずに泣く子をじっと見守りながらも、想いを吐き出してごらん
     という想いも伝わります。



★声が言葉にならざる桃の子六歳よゆっくりしずかにひらければよし (鈴木英子)


   ほ:「ゆっくりしずかにひらければよし」という下の句がポイントです。
     子供を見守る想いと、自分自身の決意の確認が的確に表現されていると思います。



★「撮ってるよ、こっち向いて。」という声が遺品のビデオから溢れ出す (岩崎恵)


   ほ:この歌を読んだ後、もらい泣きしました。
     フィクションか、ノンフィクションかはわかりませんが、切り取るポイントが見事です。



★唐突に書籍小包届いた歌集 君の歌だけ声がきこえる (折口 弘)
 ( http://blog.goo.ne.jp/frontflug/ )


   ほ:これはもう、「わかるわかる」という感じです。「声」が聞こえるんですよね。



★反論は声にならざりおおかたは賛成多数で終る会議よ (吉田貴美子)

   ほ:なかなか反論は言えませんよね。
     これから、こういう状況の時に、この歌を思い出しそうです。



★感想を追記しました。黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。



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