ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。
あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。
以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
「006:時」から
★後悔をしているわけじゃないけれど数多のifを経てゆらぐ時間(とき) (武田ますみ)
( http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508 )
ほ:ありますよね。
あの時、あそこでこうしていたら、今はどうなっていただろう
という思い。誰にでもありそうな気持ちですが、
「数多のifを経てゆらぐ時間」という表現が良いと思います。
★5時限の終わりも聞かず飛びだした 眼をひらかない魚のうわさに (鈴木貴彰)
( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )
ほ:「魚」のことが気になって、授業の終わりが待ちきれない思いが
生き生きと伝わります。
「目をひらかない魚」っていうのが、ものすごく気になります。
★朽ち果てし百葉箱の傍らに時を忘れて紅梅は咲く (茶琥チヤ子)
( http://chiyako.exblog.jp/ )
ほ:茶琥さんの思い描いた情景は全然別のことかもしれませんが、
私の頭には「廃校になった母校」の映像が浮かびました。
私が1~2年生まで通った中学校は、近隣の3校が合併になり、
新校舎へ移転したため、廃校になったのです。
そこにあった百葉箱も、まさに朽ち果ててしまいましたが、
植木などは、まるで何も知らないように花をつけていたものです。
この歌は、会えなくなった方を思い続ける歌なのでしょうか。
★この街に今いる人の時計みな全て等しく十二時を指す (黒田康之)
( http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/ )
ほ:最初に、なぜ十二時なのだろうと思いました。
どこかの街の、何か事件が発生した時刻なのか。
それとも、シンプルにお昼?あるいは深夜十二時なのでしょうか。
意味するところはつかみがたいのですが、
「この街に今いる人の時計みな全て等しく」という部分が
私の心を惹きつけました。
★六歳は大人さびたることも言う「時間時間ってイソガバマワレ」 (鈴木英子)
ほ:幼いと思っていた我が子が、時々はっとするような大人びたことを言う。
その驚きと、喜びの瞬間がうまく切り取られています。
「イソガバマワレ」をカタカナで表記したことにより、
子供の口調のたどたどしさと、「本当に意味わかってるの?」という
お母さんのやさしい目線が、目に見えるように伝わります。
★つかれ果て母に電話をしたくなれど日本は午前二時時差をかみしむ (橘 みちよ)
ほ:海外留学、あるいは出張でしょうか。
肉親と遠く離れている時、時差ほど距離を感じさせるものはありませんね。
私も、主人がアメリカに長く出張した時、こちらの深夜1時過ぎに、
あちらへのモーニングコールをし続けたものです。
英語が苦手な私は、ホテルのフロントの人に取り次いでもらうのも苦痛で、
毎晩、メモに書いた「セリフ」をオウムのように繰り返しました。
「時差をかみしむ」で気持ちが伝わりました。
★匿名のメール 不埒な誘惑は逢魔が時の空を行き交ふ (前野真左子)
ほ:いやですよね~。
特に、眠っている時にこれで起こされると、どうやって撃退してやろうかと。
「空を行き交ふ」という表現がポイントです。
なんだか不埒なメールの電波が飛び交っているのが見えてきそうです。
★時差のあるひとたちのいる教室でわたしひとりが草原時間 (五十嵐きよみ)
( http://yaplog.jp/noma-iga/ )
ほ:人の時間のリズムは、人それぞれの暮らしの中にあり、
そこに文化の違いを感じて感心したり、疎外感を感じたり。
そんなふとした寂しさのようなものを感じました。
★ランドセルと机と母に貼り付けた空の水色の時間割表 (宮まり)
ほ:ほのぼのした歌で好きです。
我が家では「母」の分の時間割表は「冷蔵庫」に貼ってあります♪
もちろんランドセルと子供の机にも。
「空の水色の」っていうところが気になるのですが、
要するに「みずいろ」ってことでしょうか。
この部分が、たぶん「ほのぼの感」を出しているのだと思います。
★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。
6つ目のお題にして、すでに何度か重複して同じ作者の方のお歌を
ピックアップしてしまいました。
なるべく作者の方のお名前を見ないようにして、先入観を持たずに選んだ後で、
作者名を確認するようにしているのですが、
この偏りは、やはり「好き」ということなのでしょう。
着眼点とか、発想とか、表現というものには、人それぞれの好みというのがあって、
たぶんその辺りが私の心をくすぐるんだと思います。
今後は、どんな歌、どんな作者の方に出会えるのか、とても楽しみです。
他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。
私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。
あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。
以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
「006:時」から
★後悔をしているわけじゃないけれど数多のifを経てゆらぐ時間(とき) (武田ますみ)
( http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508 )
ほ:ありますよね。
あの時、あそこでこうしていたら、今はどうなっていただろう
という思い。誰にでもありそうな気持ちですが、
「数多のifを経てゆらぐ時間」という表現が良いと思います。
★5時限の終わりも聞かず飛びだした 眼をひらかない魚のうわさに (鈴木貴彰)
( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )
ほ:「魚」のことが気になって、授業の終わりが待ちきれない思いが
生き生きと伝わります。
「目をひらかない魚」っていうのが、ものすごく気になります。
★朽ち果てし百葉箱の傍らに時を忘れて紅梅は咲く (茶琥チヤ子)
( http://chiyako.exblog.jp/ )
ほ:茶琥さんの思い描いた情景は全然別のことかもしれませんが、
私の頭には「廃校になった母校」の映像が浮かびました。
私が1~2年生まで通った中学校は、近隣の3校が合併になり、
新校舎へ移転したため、廃校になったのです。
そこにあった百葉箱も、まさに朽ち果ててしまいましたが、
植木などは、まるで何も知らないように花をつけていたものです。
この歌は、会えなくなった方を思い続ける歌なのでしょうか。
★この街に今いる人の時計みな全て等しく十二時を指す (黒田康之)
( http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/ )
ほ:最初に、なぜ十二時なのだろうと思いました。
どこかの街の、何か事件が発生した時刻なのか。
それとも、シンプルにお昼?あるいは深夜十二時なのでしょうか。
意味するところはつかみがたいのですが、
「この街に今いる人の時計みな全て等しく」という部分が
私の心を惹きつけました。
★六歳は大人さびたることも言う「時間時間ってイソガバマワレ」 (鈴木英子)
ほ:幼いと思っていた我が子が、時々はっとするような大人びたことを言う。
その驚きと、喜びの瞬間がうまく切り取られています。
「イソガバマワレ」をカタカナで表記したことにより、
子供の口調のたどたどしさと、「本当に意味わかってるの?」という
お母さんのやさしい目線が、目に見えるように伝わります。
★つかれ果て母に電話をしたくなれど日本は午前二時時差をかみしむ (橘 みちよ)
ほ:海外留学、あるいは出張でしょうか。
肉親と遠く離れている時、時差ほど距離を感じさせるものはありませんね。
私も、主人がアメリカに長く出張した時、こちらの深夜1時過ぎに、
あちらへのモーニングコールをし続けたものです。
英語が苦手な私は、ホテルのフロントの人に取り次いでもらうのも苦痛で、
毎晩、メモに書いた「セリフ」をオウムのように繰り返しました。
「時差をかみしむ」で気持ちが伝わりました。
★匿名のメール 不埒な誘惑は逢魔が時の空を行き交ふ (前野真左子)
ほ:いやですよね~。
特に、眠っている時にこれで起こされると、どうやって撃退してやろうかと。
「空を行き交ふ」という表現がポイントです。
なんだか不埒なメールの電波が飛び交っているのが見えてきそうです。
★時差のあるひとたちのいる教室でわたしひとりが草原時間 (五十嵐きよみ)
( http://yaplog.jp/noma-iga/ )
ほ:人の時間のリズムは、人それぞれの暮らしの中にあり、
そこに文化の違いを感じて感心したり、疎外感を感じたり。
そんなふとした寂しさのようなものを感じました。
★ランドセルと机と母に貼り付けた空の水色の時間割表 (宮まり)
ほ:ほのぼのした歌で好きです。
我が家では「母」の分の時間割表は「冷蔵庫」に貼ってあります♪
もちろんランドセルと子供の机にも。
「空の水色の」っていうところが気になるのですが、
要するに「みずいろ」ってことでしょうか。
この部分が、たぶん「ほのぼの感」を出しているのだと思います。
★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。
6つ目のお題にして、すでに何度か重複して同じ作者の方のお歌を
ピックアップしてしまいました。
なるべく作者の方のお名前を見ないようにして、先入観を持たずに選んだ後で、
作者名を確認するようにしているのですが、
この偏りは、やはり「好き」ということなのでしょう。
着眼点とか、発想とか、表現というものには、人それぞれの好みというのがあって、
たぶんその辺りが私の心をくすぐるんだと思います。
今後は、どんな歌、どんな作者の方に出会えるのか、とても楽しみです。
他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。
私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。