ハングルを唯一女(をみな)の文字として嫁ぐ娘に継ぐ内房歌辞(ネバンカサ)
閉ざされし内房(ネバン)に生くる女(ひと)の空 空のかたちは小さき四角
夜になり詩歌に想ひ書き綴りひとり泣くとふ女(をみな)かなしも
封建の女性にわずかに許されし自由の宴を歌会といふ
アラリヨと歌ふは貧しく文字さへも持たぬ女の恋物語
短歌:ほにゃらか
写真:内房歌辞(ネバンカサ)
NHK「チャングムの心をたずねて」より
内房歌辞…18世紀に、儒教のもっとも厳しい地域で生まれたハングル詩歌。
両班の家の女性が嫁ぐとき、母親が娘に、嫁入り道具として贈った。
内房(女性だけの住まい)
歌辞(定型詩)
ハングクサラム…Korean (韓国人)
アラリヨ…アリラン(朝鮮半島の民謡)の最後の句
「誰がわたしの想いをわかってくれようか」という意味
昨日、体調が悪かったため、家でず~っとテレビを見ていたら、
NHKで、韓国の「歌」についての番組を放送していました。
その番組で、韓国の女性にも「歌会」という楽しみがあることを知りました。
同じ民俗の血が流れているのだなということを
しみじみと感じることができるお話だったのです。
その番組で感じたことを詠みたくなりました。
これは、朝鮮王朝時代の身分制度や男尊女卑の中にあった女性たちが、
歌に心の救いをもとめながら築いてきた、韓国女性の「歌文化」をテーマに
歌ったものです。
☆makoさんの 『二進法の恋』 「イルボンサラム」はこちら。