goo blog サービス終了のお知らせ 

♪おみそしるパーティー♪

「ほにゃらか」の
古典・短歌・ことば遊び
『 題詠100首blog 』に参加中

いいわ~。この歌♪ 021:「うたた寝」

2005年06月07日 15時54分16秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「021:うたた寝」から



★うたた寝の夢に見たるは亡き君とハワイへ向かふ飛行機の中 (春日山)

   ほ:「うたた寝」で見た夢の歌が多く見られた中、
     この歌の「夢」は具体的で、切なかったです。
     そういう夢を見てしまった後の寂しさが、
     読んでいるこちらにも伝わるように感じられました。
     シンプルで、飾らない表現で、とても好きな歌です。
     


★うたた寝を突き破る声「き、き、君は冗談抜きの昼行灯か」 (参田三太)
 ( http://www.geocities.jp/santasanda2000/ )


   ほ:笑ってしまいます。
     セリフを言っているのは上司でしょうか。
     その人の怒った顔が目に浮かぶようで、面白いと思いました。
     「き、き、君は」の使い方が上手いな~と思いました。



★ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにもうたた寝覚めのさびしかりける (さゆら)

   ほ:忘れようとした夢。忘れかけた夢。
     うたた寝に見た夢のかけらをひろい集めて、
     もう一度物語にしたいのに、まとまらない…。
     そんなふうな、寝覚めの物寂しさを感じました。
     「ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにも」という上の句。
     字余りで、リズムはあまりよくありませんが、
     そのもどかしい感じが、歌の内容と合っていると思います。
     また「ひろふごとく」という言い方が、巧いな~と思いました。



★『歌のありか』を「歌のあかり」と呼ぶならいうたた寝に聞くあかりを呼ぶ声
           *『歌のありか』菱川善夫著 (鈴木英子)


   ほ:作者の在籍した短歌研究会では、菱川善夫の『歌のありか』を
     「歌のあかり」と呼ぶ習いがあったのですね。
     うたた寝をしている時でも、ふと聞こえる「あかり」という声に、
     敏感に反応してしまう作者。
     それほどに、「歌」に傾ける思いの深さ、
     ある意味、当時は『歌のありか』の呪縛もあったのでしょうか。
     そんな思いが伝わって来ます。
     


★うたた寝の父がときどきつぶやいた ぼくの知らない兄のなまえを (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:意味はよくわかりませんが、心に引っかかる歌です。
     (惹かれるに近い意味で、気に掛かるということ)
     生まれなかった兄弟がいたのか、早くに亡くなったのか。
     どこかへ養子に出したのか。母親以外の人に生ませた子なのか。
     作者の人生に踏み込むことはできませんが、
     何か特別なことなのだと感じさせられます。
     また、この歌からだけでも、父との確執のようなものが
     感じ取れるように思うのは、私の考えすぎでしょうか。



★いつからか歌を忘れてうたた寝をしているふりのカナリアだった (みうらしんじ)
 ( http://www.mnet.ne.jp/~miusin/ )


   ほ:作者は、「歌」から離れていた時期があったのでしょうか。
     忘れていたわけではない、ふりをしていただけ。
     けっこう真剣な心の葛藤が描かれているようなのに、
     「カナリアだった」という表現によって、軽みが出て、
     とても良い感じの歌になっていると思いました。
     「歌を忘れたカナリア」とはよく言いますが、
     「ふり」をしていたというのが、この歌のポイントですよね。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 020:「楽」 

2005年06月03日 22時43分20秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「020:」から



★恋人は楽チン座椅子昼間からリクライニング すごい角度だ (ハナ)
 ( http://www14.plala.or.jp/nemu31/ )


   ほ:意味はよくわからないです。(ごめんなさい)
     でも、「すごい角度だ」という結句で、爆笑しました。
     「どんな角度だ?」って突っ込みたくなり、
     いろいろ想像してしまいました。
     面白いので、一票です。     



★手のひらのコンパクトには楽しげにほくそ笑む姿たくらみルージュ (りり)
 ( http://mielmielrio.ameblo.jp/ )


   ほ:女の化粧は恐いですね。
     結句の「たくらみルージュ」がポイント高いです。
     この結句で、化粧する女の本性みたいなものが見えるので、
     「ほくそ笑む姿」とする必要は、ないかもしれません。
     「微笑む姿」と綺麗に流しておいて、
     「たくらみルージュ」へもって行った方が、面白い気もします。



★何もかも話して楽になろうかと荷物を運ぶロバも思うか (吉田貴美子)

   ほ:ロバがこんなこと思っていたら…と考える視点が面白いです。
     きっとロバも思っているに違いありませんよね。
     荷物を運ぶために生まれてきたわけじゃないのに。
     辛いこともあるでしょうね~。
     「ロバも」というから、「作者も」同じ気持ちなのでしょう。
     「何もかも話して楽になりたい」時、ありますよね。
     気持ちもこもっているし、視点も面白い歌で、とても好きです。



★春だものえぐみの菜を残さずにあとしばらくは楽しみましょう (秋中弥典)
 ( http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm )


   ほ:「えぐみの菜」は、私も好きです。
      子供の頃は苦手だった、えぐみのある野菜や山菜の味。
      大人になると、それが返ってたまらなく感じたりするのですよね。
      人生も同じですかね。
      甘いこと、楽しいことばかりでなく、ちょっとした苦みや辛さも、
      また人生のアクセントというところでしょうか。
      ず~っとでは嫌ですね。苦すぎも嫌ですね。
      「あとしばらく楽しみましょう」って感じが良いのだと思います。



★悲しみが悲しみを呼ぶ寒の夜はいのち継がない快楽(けらく)に落ちる (丹羽まゆみ)
 ( http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3 )


   ほ:辛い歌です。
     「いのち継がない快楽(けらく)」の辛さがわかります。
     それは「落ちる」と表現するにふさわしいのですね。
     上の句は、説明的なようでもあり、説明不足のようでもあり、
     ちょっとびみょうですが、
     「寒の夜は」がポイントとなって、具体的なイメージに
     繋げていると思いました。



★また観てる お馴染みビデオに笑う児よ 楽しむ力分けてくれぬか (折口 弘)
 ( http://blog.goo.ne.jp/frontflug )


   ほ:子供は、同じビデオをくり返し見て、
     どうして、あんなにも楽しそうに笑えるのでしょうね。
     その「楽しむ力を分けてくれぬか」というお気持ち、
     よ~くわかります。
     感動することが、だんだん少なくなっていく大人と
     同じ事にも感動できる子供の心。
     我が子を見つめるお父さんの視線の優しさと、
     ちょっと切ない気持ちが伝わってきました。




★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 019:「アラビア」

2005年06月01日 18時00分00秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「019:アラビア」から



★アラビアのロレンスなるは虚像たり問わるは歴史誰の目で見ん (謎野髭男)
 ( http://blog.goo.ne.jp/nazohige/ )


   ほ:結句の「誰の目で見ん」が、この歌のポイントだと思います。
     私は歴史が苦手なので、
     謎野さんが「ロレンス」を「虚像」と歌われた、
     その歴史の真実を知りたいと思いました。



★アラビアの砂漠に埋もれたマインバッハ、ロールス・ロイス。さがす約束 (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


    ほ:「さがす約束」が効いていると思います。
      鈴木貴彰さんの個性が、この言葉によってキラリと光るのですね。
      「アラビア」という題を、単なる概念としてとらえず、
      鈴木さんの世界に引きつけて歌っている点で、
      この歌は成功しているのだと思いました。



★半熟こそ完熟なるよ「アラビア」の題に結局みな挫けたり (鈴木英子)

   ほ:「半熟こそ完熟なるよ」に心を惹かれました。
     そういうふうに考えることも大事なのだと、気付かされました。
     人は、完璧であるはずもない。
     宗教の良き教えも、反面、危険な解釈をされてしまうことがある。
     簡単にはいかないことを思い知らせされた瞬間の挫折感。
     しかし、その挫折を知ることも、また大事なのですね。



★アラビアの場所をいつ頃知るだろう 我が子がせいいっぱい立っている (宮川大介)
 ( http://31.com )


   ほ:アラビアがどこにあるのか。
     アラビアにはどんな歴史があるのか。
     調べなければわからない。調べてもよくわからない。
     小さい我が子が、今やっと立ち上がり、
     精一杯立っている姿を見守りながら、
     この子が大きくなる時、歴史はどうなっているのだろう。
     そんなことを考えている親の気持ちが伝わってきました。



★アラビアが どこにあるかも 知らんのに 行けるんやろか 自転車乗って (笹本ふう)
 ( http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/ )


   ほ:笹本さんの歌は、とても面白いです。
     ふざけているように見えて、物事の本質を突いているものが
     数多くあります。
     この歌も、その1つだと思います。
     ちょっと皮肉なのですが、この関西弁のおかげで
     嫌みになっていないところも、魅力だと思いました。、



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 018:「教室」

2005年05月09日 21時00分10秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「018:教室」から



★教室のガラスに映る富士のやま茄子の食えない子どもであった (斉藤真伸)

   ほ:面白い歌ですね。

     私も給食の嫌な想い出と言えば、「茄子の天ぷら」です。
     茄子の天ぷらは、揚げたてなら本当に美味しいのに、
     冷めてびちょびちょになったのを残さず食べろと言われ、
     吐きそうになりながら食べたあの日の辛さは一生忘れないでしょう。

     食べる喜びは、生きる喜びでもあるのに、
     食べることを苦痛にさせる学校なら、子供にとっては地獄です。

     さて、歌にもどりますが、上の句の「富士」と下の句の「茄子」から
     「一富士・二鷹・三茄子」という言葉が頭に浮かびました。
     教室から見える富士をさりげなく歌っているようでありながら、
     「どうして富士の次は茄子なんだ!」と思う気持ちが伝わってくるようで
     とても愉快になりました。
     


★教室でキカンジュンシ(机間巡視)をしたなんて平気で言うな若い教師よ (謎野髭男)
 ( http://blog.goo.ne.jp/nazohige/ )


   ほ:この歌を初めて読んだとき、「机間巡視」をすることの
     どこがいけなかったのだろうと、疑問に思いました。
     自分が教育実習に行った時も、塾で講師をしていた時も、
     「机間巡視」をしなさいと指導されたので、不思議でした。
     
     でも、よくよく読み返しているうちに、「机間巡視」という
     言葉のもつ「怪しさ」「危うさ」に気付かされました。

     まず「巡視」するという表現の厭らしさ。
     しかも、子供を見るという視点ではなく、「机の間」を回るという感覚。
     たしかに、それは良い表現ではありません。

     しかも、「机間巡視」という行為によって、
     一人一人に教育をしたという自己満足に浸ってしまう危うさ。
     謎髭さんは、そういうことの危険性を訴えたかったのだと思います。

     当たり前だと思っていることのひとつ一つの意味を考え、
     反省をしながら生きてこられたベテラン先生ならではの作品で、
     読む側も、とても大切に読みたい歌だと思いました。



★教室の思い出おぼろ部室ならなかりしことまで思い出せるが (鈴木英子)

   ほ:部活動に力を入れていた人には、「わかる、わかる!」の心境だと思います。
     私も、学生時代の想い出は教室よりも部室にあるような気がします。

     「なかりしことまで思い出せるが」という表現が、とても面白いです。
     言われてみれば、「そうだ、そうだ!」と思えるのですが、
     なかなか思いつく表現ではないので、心を惹かれました。
     


★ひだまりにガーベラじょじょに束ねられ いよよあかるく終わる教室 (斉藤そよ)
 ( http://www003.upp.so-net.ne.jp/capverses/ )


   ほ:束ねられたガーベラは、ほんとうに幸せなのでしょうか。
     まやかしのひだまり?まやかしのあかるさ?ではないのでしょうか。

     「束ねられ」という表現や、「終わる教室」という表現から、
     ふと、そんな感想を持ちましたが、
     もっと純粋に、「金八先生」をイメージすれば良いのでしょうか。

     とてもやさしいひだまりのような温かさの中に、
     切なさが潜んでいるような不思議な歌で、そこが好きです。



★放課後のだあれもゐない教室を開ければつうんと寂しき匂ひ (中澤あけみ)
 ( http://www.geocities.jp/ake_ake3/ )


   ほ:匂いの持つ郷愁のようなものが、この歌のポイントだと思います。
     「つうんと寂しき」と直接的に表現してしまっていますが、
     特に気になりません。むしろストレートで好きです。

     この感じは、ふつうに忘れ物をとりに戻った生徒の立場だとしても、
     生徒を帰したあとの先生の立場だとしても、
     どちらでも理解できる感覚だと思います。

     放課後の教室がもつ独特の雰囲気を、うまく切り取っていると思いました。



★その席の数だけ集ふ魂に果てなく広き教室であれ (前野真左子)

   ほ:とても素敵な歌だと思いました。
     まず、作者の考え方が好きです。
     教室、学校は、ぜひそうあってほしいと思いますよね。

     子供をただ詰め込むばかりでなく、魂が集まっているのだということを
     忘れないでほしいと思っています。

     「席の数だけ集ふ魂」という表現、「果てなく広き教室であれ」という表現、
     とても的確で、思いもあふれていて、すごいな~と思います。

     これは、「教室」を「家」に置き換えれば、
     自分も、母として、妻として、家族の一員として、
     「果てなく広き家」にできるよう、努力しなければと思わされました。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。


いいわ~。この歌♪ 017:「陸」

2005年04月26日 15時29分09秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「017:」から



★僕がいま陸生なれど永遠に一子は海生動物のまま (廣西昌也)

   ほ:一緒に生まれるはずだった兄弟か姉妹のことでしょうか。
     「一子は海生動物のまま」という下の句の表現が、
     哀しくもありながら、すこし客観的にも見えます。

     内容にどっぷりと浸って歌っていないところも良いと思います。

     「僕はいま」の「ま」と、「海生動物のまま」の「ま」で、
     韻を踏んでいるというか、音のノリが良いというべきか、
     これによって、内容の重さを少しだけ軽くする効果があるのかもしれません。



★「陸」の字に 陸軍思う このごろは 残虐ぶりを 聞いてる最中 (花詠み人)
 ( http://fujihara.cocolog-nifty.com/ )


   ほ:「聞いてる最中」という部分がポイントだと思います。
     自分が直接は関わっていない。
     傍観者として「見て」さえもいなくて、「聞いて」いるだけ。

     陸軍の「残虐ぶり」を良くは思っていないが、
     批判の声をあげるわけでもない。
     その「無責任」とも言える態度を、嘆くわけでもない。

     つまり、「このごろ」の無感動さを歌っているのだと思います。
     


★陸魚はねキュウと鳴くんだ。永かった土の中から掘り起こされて (ゆか)

   ほ:まず、「へ~」と思いました。
     そして、そう言えば、そんな声(音)を出している魚を
     テレビか何かで見たような気がしました。
     悲しい声ですね。

     「永かった土の中から掘り起こされて」という部分から、
     干潟の魚のイメージがわきました。

     自分の生きてきた環境から「掘り起こされ」た人が
     別の環境では生きて行きにくい、辛いということを
     歌っているようにも感じました。
     


★地球儀のつぎはぎだらけの大陸に亡びし国は回り続ける (三宅やよい)

   ほ:どんなに亡びた国でも、その土地が地球から切り取られるわけではなく、
     土地そのもの、そこに住む人間そのものは、地球上で回り続ける。

     たしかにその通り、当然と言えば当然のことを
     われわれは忘れて暮らしてはいないでしょうか。

     「つぎはぎだらけの大陸」という表現も、うまいと思います。
     国境は「つぎはぎだらけ」のように継ぎ目を変えながらも、
     この地球は回り続けるのですね。



★朝・昼・晩おかずが魚ならたぶん陸の時代はそう長くない (阿部定一郎)

   ほ;最初に読んだ時、肉食に偏るよりは、まだ魚の方が身体に良さそうなのに、
     何が言いたいのかな~とも思いました。

     魚の乱獲、自然破壊、偏食。そういうことの積み重ねが
     地球を駄目にしていくのかもしれません。

     地球は温暖化し、陸地だったところがやがて海の下になるでしょう。
     人間自身も、魚を食べ続けて魚になるとは思えませんが、
     どこか体調に異変が生じることもあるでしょう。

     歌全体の軽妙な感じも、面白いと思いました。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 016:「たそがれ」

2005年04月21日 15時08分19秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「016:たそがれ」から



★たそがれの「誰」でも「彼」でもかまわない どうせぼくらも失う輪郭 (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:「たそがれ」=「誰そ彼」ということを歌ったものがたくさんありました。
     その言葉の起源を知っていると歌っただけでは面白くありません。
     でも、この歌はそれだけの歌ではありません。

     この歌には、下の句の「どうせぼくらも失う輪郭」という部分があるから、
     他の歌とは違うのです。

     夕暮れの薄闇の中で判別がつかなくなっていく「他人」を歌うのではなく、
     夕暮れに限らず、自分という存在のちっぽけさを歌っているから、
     この歌は面白く、せつないのだと思います。



★叱られた子と鉄棒が錆び色となりてはがれてゆくよたそがれ (さゆら)

   ほ:たまたま昨日、自分が「ブタの丸焼き」の歌をブログに載せたので、
     見方がそちらに傾いているのかもしれませんが、
     逆上がりの練習をする子供と親の情景が目に浮かんできます。

     うまくいかなくて叱られているのでしょうか。
     それとも、家で親に叱られた、学校で先生に叱られた子供が、
     公園か校庭の鉄棒のそばで、しょげているのでしょうか。

     「錆び色となりて」
     夕暮れで赤褐色に染まるまで、子供はそこにいるのでしょう。
     「はがれてゆく」
     やがてさらに暗くなり、鉄棒も「錆」がはがれるように赤みを失い、
     子供もようやく家に帰っていくのですね。
     


★消息を絶ちしひとをもたそがれはおなじ速さに浸すだろうか (鈴木英子)

   ほ:「おなじ速さに浸すだろうか」
     最初にこの歌を読んだとき、鳥肌が立ちました。
     自分も、こういうふうに歌いたかったのだと、
     なぜこういうふうに自分は歌えないのだろうと、
     胸をわしづかみにされました。

     意外な発想を歌った歌。表現に工夫や面白さのある歌。
     そういう歌が、私は好きです。
     歌の内容に共感できる!と思っても、表現がいまいちだな~と思うと
     なかなかピックアップするのは難しいです。

     では、この歌はどうでしょう。
     この歌は、自分も歌いたいと思っていた感情ですから、
     けっして「意外」ということではありませんでした。
     しかも「たそがれ」という時間に関して、いくどとなく感じた思いでした。

     なのに、自分にはこんなふうに歌うことができなかった。
     自分などを引き合いに出すこと自体間違っていますが、とにかく
     「おなじ速さに浸すだろうか」という表現の巧さ、的確さに
     ただただ脱帽するばかりです。



★5歳児もたまにたそがれするらしいひとくちだけで残したプリン (ハナ)
 ( http://www14.plala.or.jp/nemu31/ )


   ほ:子供の可愛らしさにやられてしまったわけではありません。

     「ひとくちだけで残したプリン」
     この下の句から、その5歳児の浮かない思いが伝わるではありませんか。

     「たそがれする」という言葉が、言葉遣いとして正しいのかどうか、
     それは問題ではなく、それで充分に伝わるではありませんか。

     あるいは、「たそがれする」と言ったのは、子供自身かもしれません。
     子供というのは、時々変な言葉を流行らせます。
     それが妙に状況にしっくりすることってありますよね。
     


★たそがれは三叉路「じゃぁね」ほどかれたテールランプの灯りを連れて (香乃)

   ほ:三叉路「じゃあね」の部分は、音が少しごちゃごちゃしています。
     声に出して読むと、「サンサロジャーネ」とカタカナで聞こえます。
     「リオデジャネイロ」の仲間かと思いました。

     でも、「ほどかれたテールランプの灯りを連れて」が、
     とてもしっとりして素敵な表現なんですよね。

     この対比と言いましょうか、
     前半の軽い感じと、後半のしっとりとした感じが
     ミスマッチの魅力をかもしだしていると思ったのですが、いかがでしょうか。
     


★純喫茶「たそがれ」の客だれひとり微動だにせず日没を待つ (阿部定一郎)

   ほ:いや~。想像すると不気味ですね。
     昔、学生時代に時々行った、渋谷の音楽喫茶を思い出します。

     この純喫茶「たそがれ」は、ちょっとそういう喫茶店とは違うのでしょうか。
     店の経営者も老夫婦で、出てくるメニューは珈琲・紅茶・クリームソーダ・
     ミートソース・ナポリタン・ミックスサンド。
     客もすべて老人達。 まるで乳母捨て山のように。

     何年もそこにいるかのように「微動だにせず日没を待つ」老人たち。
     あるいは、「たそがれ」を待つために、少し前から集まってきた老人たち?

     日没が来たら、客らはどうなるのでしょう。
     死を待っているのでしょうか。
     日没を待って、何かに抗うためにそこに集うのでしょうか。
     想像をかき立てられます。

     たんなる情景の歌として見過ごせない、メッセージを持った
     不思議な魅力の歌でした。

 

★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 015:「友」

2005年04月19日 01時57分40秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「015:」から



★「病無く身強き人」は友だちに向かないんだよ。うすく笑った (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:「病無く身強き人」をこちらが嫌いというよりも、
     「病気持ちで身弱き人」である自分が、相手から嫌われそうで、
     そんな自分が嫌だからつきあいを避けてしまっているかもしれない。
     「うすく笑った」という結句が、少し悲しくて、少し皮肉な感じですね。
     これが、セリフになりそうな言葉を詩的にしていると思います。



★結びにはたった一文字「友」何故に返事を出さなかったか何故に (中村悦子)

   ほ:言ってしまった言葉。言わなかった言葉。
     出してしまった手紙。出さなかった手紙。
     人の心の中に、きっと一度くらいはあるだろう後悔のひとつ。
     しかも、「友」と言ってくれた人に対して…。
     「友」は亡くなってしまったのでしょうか。
     「何故に」のくり返しが、後悔の強さを表現していると思います。



★親友と勝手に決める鈍感にエクレアキャンディー差し上げてゐる (村本希理子)
 ( http://muramoto@ob.aitai.ne.jp )


   ほ:「鈍感」というからには、その人を「親友」とは呼べないと
     感じているのでしょうか。
     「エクレアキャンディー」私個人的には嫌いな味のような気がします。
     「差し上げてゐる」という表現に皮肉さがありながら、
     それでも何かをあげようとする複雑な気持ちが面白いです。



★友からの手紙の中のひとことがこの頃すこし歯茎にしみる (野良ゆうき)
 ( http://www.geocities.jp/nannokanno575 )


   ほ:「歯茎にしみる」がここで適切かどうかは置いておいて、
     「歯茎にしみる」感じのいや~な痛み、いや~な気分にはぴったりですね。
     始めはキ~ンとして、そして痛みの余韻が消えない。頭に来る痛みです。
     「手紙の中のひとこと」に想像をかきたてられます。



★あいまいな感情のまま友人と呼ぶ年上の男がひとり (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:「あいまいな感情のまま」とありますが、「あいまいな感情」と思う時点で、
     すでに「あいまい」ではないのでしょう。
     その後のドラマが気になり作りになっていますね。
     ちょっとドラマっぽくて、作り物っぽいのが少し残念のような…。



★友達の家に持ち寄る手作りのチーズケーキとマリッヂブルー (冨樫由美子)
 ( http://blog.goo.ne.jp/barairo2005-hibi/ )


   ほ:巧いことを仰いますね。
     「チーズケーキ」と「マリッヂブルー」を同列に扱い、
     「友だちの家に持ち寄る」という設定が面白いと思いました。
     結句の意外性が良かったと思います。



★若かりし友の形見のひとつにてバックミラーに映る夕陽は (星川孝)
 ( http://user.shikoku.ne.jp/retoro/index4-tanka.htm )


   ほ:「夕陽」を形見と感じるとは、スケールの大きな「形見」ですね。
     「バックミラーに映る夕陽」を友と一緒に見た想い出が
     印象に残っているのでしょうか。
     <物よりも想い出>というCMのコピーがあったような気がしますが、
     たしかに「物の形見」より「想い出の形見」の方が、
     ずっと形見のように思えます。
     
 

★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 014:「主義」

2005年04月15日 12時14分47秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「014:主義」から



★ポイ捨ては絶対しない主義ですがカバンの中はゴミだらけです (穴井苑子)
 ( http://brown.ap.teacup.com/agarix/ )


   ほ:ご本人のことでしょうか。こういう人がいるということでしょうか。
     私は、まさにそういう人です(笑)
     上の句と下の句の内容の対比が面白いと思いました。



★糖分はとらない主義だ 言いはなつ少年の目は閉じられたまま (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:少年が言うには大人びたセリフです。
     そのギャップが、まず面白いと思わせます。
     恐らく、この少年は「糖分」をとってはいけない身体なのでしょう。
     「言いはなつ」「目は閉じられたまま」
     本当は甘いものが食べたかったにちがいありません。



★じやがいものやうな顔してごろごろと主義や主張がころがつてゐる (皆瀬仁太)

   ほ:「じやがいものやうな顔」した主義や主張という表現が面白いです。
     主義だ主張だと偉そうなことを言っても、しょせん「じやがいも」程度。
     そこらじゅうに「ごろごろ」転がっている、屁理屈程度のもんだ。



★主義なんてぽんぽんだりあワタクシはしどろもどろに暮らしております (なかはられいこ )
 ( http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/ )


   ほ:「ぽんぽんだりあ」が面白いですね。
     「しどろもどろに暮らしております」という表現に巧く繋がります。
     よく「主義」というお題から、この言葉が浮かんだものだと驚きました。

 

★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。


この「主義」というお題は難しかったようで、お題のための歌が多く見られました。



他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 013:「焦」

2005年04月13日 16時09分30秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「013:」から



★点滴は焦らせるように落ちてくる あるいは夜をなだめるように (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:「焦らせるように」「あるいは夜をなだめるように」
     という表現が巧いと思いました。

     夜の病室の寒々しさとした雰囲気が伝わります。
     病人の「切なさ」や「苛立ち」のようなものは歌中に存在するのですが、
     けっして「病気」に溺れているようには見えません。
     客観的に「点滴」を見つめる作者の目があります。

     鈴木貴彰さんの歌には、少し病的な登場人物が見え隠れするのですが、
     病気そのものに、感情的に溺れた歌はありません。



★七草の粥を炊きつつおのずから焦るなかれとつぶやきており (浜田道子)

   ほ:家族、あるいは夫の健康を気遣って「七草粥」を炊くのでしょう。
     日々の家事をこなしながら、自分自身に「焦るな」とつぶやく。

     ただ粥が炊けるまでの時間のことではないように見えます。

     単純に、朝餉あるいは夕餉のしたくとせず、
     「七草粥」をもってきたところが巧いと思います。



★あの頃の短研五人うつむきて苛立ちてかたみの言葉焦がしき (鈴木英子)


   ほ:「短研」=「大学短歌研究会の頃」との詞書きがありました。

     「かたみの言葉焦がしき」という表現によって、
     この五人の若者達の短歌制作に取り組む姿勢が、
     いかに真摯なものであったかが伝わってきます。

     あるいは、「たそがれ」の歌に出てくる「消息を絶ちしひと」の
     「形見の言葉」を、当時の仲間が集まり、皆で反芻している
     というようにも受けとれます。

     さらに、「うつむきて」「苛立ちて」と、畳みかける表現。
     短歌を創ることが、それほどまでに苦しいかったのでしょう。
     仲間を思う想いの、なんと強いことでしょう。
 


★融通も利かせられずにあるがまま焦げる輪郭 ぬりえはきらい (こはく)

   ほ:私も、「ぬりえ」は融通が利かない、つまらないと感じたことがあります。
     しかし、それを「あるがまま焦げる輪郭」とするとは!

     この融通の利かないものへの苛立ちや軽蔑にも似た思いは、
     他のものごとに対しても発せられているように見えました。



★帰ろかな お焦げの飯に醤油かけ祖母の火加減変わらぬうちに (香乃)

   ほ:「祖母の火加減変わらぬうちに」という表現がポイントです。

     「お焦げの飯に醤油かけ」ちゃった後に「火加減」というのは、
     時間軸がずれている気もしますが、喩えの表現として考えると、
     まあ良いのかな?ということで選びました。

     「帰ろかな」から、昔の童謡のようなリズム感が生まれ、
     ちょっと切なく、ちょっと不気味で、面白いと思います。



★焦げた月 助けあうのがあたりまえ 殺しあうのとおなじくらいに (土岐友浩)

   ほ:「助けあうのとおなじくらい、あたりまえのように殺しあう」と、
     「殺し合う」ことについての問題意識を歌っているのかと思ったら、
      逆に「助けあうのがあたりまえ」だと歌っています。

     土岐さんは、「色」の歌でも、このように歌っています。

   ☆地球儀の平野に塗りわけられているオリーヴ色は祈りのかたち (土岐友浩 作)

     土岐さんの心の中には、平和への強い願いがあるのでしょう。
     本当は「殺しあうのとおなじくらい」で良いと思っているはずがありません。
     その気持ちが「焦げた月」という表現からも感じられます。



★焦がれては反古にせし恋そのままのおぼろさに咲く桜 さくらは (丹羽まゆみ)
 ( http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3 )


   ほ:どうして桜ってやつは、昔の恋を思い出させるのでしょうね。

     反古にしたもの、されたもの。
     誰の上にも平等に、おぼろ桜は咲くのでしょう。
     だから、人は桜を見ると、狂乱の宴に酔いたくなるのかもしれません。

     「そのままのおぼろさに」という部分をひらがなにしたことと、
     「桜 さくらは」というように、漢字とひらがなで表記したことが
     とても巧いと思いました。



★「温度差」の焦燥感に胸痛む あたしの「好き」と彼女の「好き」は (桶田 沙美)
 ( http://blogs.dion.ne.jp/oketa_sami/ )


   ほ:最初、途中まで読んだとき、「あたし」の好きと「貴方」の好きを
     比べるのだと思いました。
     すると、「彼女」が出てきて、肩すかしをくらいました。

     「彼」と「あたし」と「彼女」の三角なのでしょうか。
     「あたし」と「彼女」の友情天秤なのでしょうか。

     「温度差」はすんなりわかるにしても、「焦燥感」はどうかな?
     とは思いましたが、ちょっと面白かったです。



★公園のベンチに座りたましひを焦がす言葉を捜してたんだ (中澤あけみ)
 ( http://www.geocities.jp/ake_ake3/ )


   ほ:「たましひを焦がす言葉を捜してたんだ」がポイントです。

     そこに、「たましひを焦がす言葉」は、溢れてはいない。
     さがさなくては見つからないのですね。
     しかも、「探す」ではなく、「捜す」という漢字を使っています。
     疑いに近い気持ちが芽生えているのでしょうか。

     読んで、さびしい気持ちになりましたが、
     嫌みな感じにならずに、こういう気持ちを詠むのが巧いと思いました。
     


★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 012:「メガホン」

2005年04月11日 15時24分34秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「012:メガホン」から



★朝顔のちいさきメガホン今朝いくつ「おはよう」「おはよう」「暑くなるよ」 (参田三太)
 ( http://www.geocities.jp/santasanda2000/ )


   ほ:朝顔の花の形をメガホンに例え、とてもかわいらしい歌です。
     毎朝、アサガオの開くのを楽しみにし、
     花と会話しているのでしょうか。 優しさが伝わります。



★大切な何かを失くした君の背に呼びかけている見えないメガホン (林本ひろみ)
 ( http://2.csx.jp/~h_h/ )


   ほ:「見えないメガホン」で「君の背に呼びかけている」というのが
      良いな~と思いました。
      私個人としては、「何かを」の「何」かが知りたいような…。



★不等号記号のようなメガホンでたまには叫ぶ「愛してますかっ!?」 (中村悦子)


   ほ:「愛してますかっ!?」という、少し怒ったような聞き方が
      とても面白いと思いました。
     「不等号記号」という言葉からも、私が愛しているのと同じほどに、
      あなたは私を愛しているのか?という気持ちが感じられます。



★叩くこと拡声することに意義ありてメガホンとはメディアにも似たり (おさと)


   ほ:「メガホンとは」という部分が字足らずのため、少しリズムが悪く、
      文章のような感じがするのは残念ですが、着眼点がとても好きです。
      誰かを「叩くこと」、やたらと「拡声すること」ばかりの
      今のメディアは、本当の意義を見失っている気がしますね。



★図書館のささやきだって逃さない君の声だけメガホンで聞く (秋中弥典)
 ( http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm )


   ほ:この気持ち、よ~くわかります。
     好きな人の声は、どんなに小さくても聞き分けられるのですね。
     その声だけを聞きたい。その声だけが特別な響き。
     いいですね~。



★気の利いた警句を探して叫ぶより社会学者をメガホンで擲(う)て (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:なんだか胸のつかえがとれたように、す~っとします。
     もう、バシバシ擲っちゃいましょうよ。



★メガホンはもう使わない 大切なことならきっと聞こえるはずだ (あみー)
 ( http://blog.livedoor.jp/ammy/ )


   ほ:そうだそうだ!「大切なこと」なら「聞こえるはずだ」
     当たり前と言えば当たり前のことなのに、それに気づかずに、
     私たち人間は、どれほど無駄な労力を費やしてきたのでしょうか。



★教科書をメガホンにして遊ぶ子がとある呪いをわれに囁く (野口あや子)


   ほ:気になります。どんな呪いを??



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 011:「都」

2005年04月08日 16時31分56秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「011:」から



★息づかいだけが聞こえた 都会からきた少年のうすいくちびる (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:「息づかい」は、転校してきたという緊張感だけでないでしょう。
     「うすいくちびる」から、転校生の少年は、病弱なのだろうかという
      イメージがふくらんでゆきます。

      喘息?心臓疾患?病気療養を目的とした転校か?
      作者は、少年を観察する。息づかいに耳を欹てています。

     「都会からきた少年」を、「気取っている」「スマート」
      などと捉えると、「うすいくちびる」という言葉のイメージは、
      そのまま予定調和のものと見ることもできるかもしれません。
     しかし、「息づかい」によって、少年は特別な存在となります。

     ふたりの少年達の運命的な出会いの瞬間のように見えました。      



★太陽のこどものようなり伊予柑の生り熟れたる地は我が都 (渡部律)

   ほ:伊予柑は美味しいです。
     私はふつうの蜜柑も好きですが、伊予柑を初めて食べた時の印象は
     忘れられません。

     まさに「太陽のこどものような」というにふさわしい味でした。
     甘くて、瑞々しくて、光をいっぱい浴びて育ったのだと思いました。

     伊予柑は、最初は山口県で発見されたものが、愛媛県に伝わり、
     愛媛の気候・風土に適合したために栽培が拡がったのだそうですね。
     この方の「我が都」は、「熟れたる地」と呼ぶにふさわしいのでしょう。

     そんな「我が都」を誇らしく思う気持ちがあふれていて、
     素敵な歌だと思いました。



★天使らの上るヤコブの梯子にも似るか月下にそびえる都庁 (おやなぎ しま)
 ( http://snaky.fc2web.com/ )


   ほ:ヤコブの梯子というのが、どんな形か私は知りませんが、
     都庁の形を、天に通ずる梯子と見ているのが面白いと思います。

     夜の都庁界隈の、異様な景色。
     それを天から見ているかのような月。
     艶めかしく、怪しい夜の東京の夜景が目に浮かびます。

     ところで、素朴な疑問です。梯子を上ったのは天使なのですか?



★ギロチンを落としたような都庁舎を中学生らが口開けて見ゆ (のぶれば)


   ほ:やはり「都」と言えば都庁舎が思い浮かびますね。
     こちらの歌も、都庁舎の形の面白さに着目しています。
     ギロチンとは、また随分と物騒ですが、たしかにそうも見えます。

     いったい、誰が、何が断罪されているのでしょうか。

     修学旅行の中学生たちが、口を開けて見上げているのでしょうか。
     初めてあの形を見たときの驚きの気持ちが伝わるようですね。
     


★体温の不意に高まる朝ありて西域都護府にさくら目醒めむ (梶原さい子)


   ほ:ご懐妊の喜びを歌われたのですね。
     護符から察するに、なかなか子宝に恵まれず、苦しんだ後に、
     やっと訪れた幸せの瞬間なのではないかと思います。
     ほんとうに良かったですね。おめでとうございます。

     体温の「高まる」というか、「下がらない」というか、
     そのへんのリアルな感じが好きです。
     下の句は少し冷静な感じに見えます。
     


「都」のお題の歌は、似たようなパターンの歌が多かったです。
特に、都会を目指す歌。 都会を離れ故郷へ帰る歌。
東京と京都の歌。 都忘れの歌は、特に多かったですね。

今回わたしは、そのパターン以外の、意外性のあるものから
ピックアップしてみました。


★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 010:「線路」

2005年04月04日 15時46分50秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「010:線路」から



★線路のない廃線の駅ひたひたと昭和という名の亡霊が来る (武田ますみ)
 ( http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508 )


   ほ:情景が目に浮かぶようです。
     廃線になったのに、駅だけ残っている所、たま~にありますよね。
     線路だった名残がある場所とか。
     どうしてこんなに切なくなるんだろうって思うくらい、切ない場所。
     「昭和という名の亡霊が来る」という下の句が好きです。



★思いきり反抗しても線路からはじき出された小石に過ぎず (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:いろんなご苦労があるのだろうと感じてしまいます。
     がんばってください。
     状況に溺れず、「はじき出された小石」に例えて、
     客観的に状況をみている感じが好きです。



★目障りなことに線路が二本とも捨てたつもりの国につながる (阿部定一郎)


   ほ:「目障りなことに」という表現が好きです。
     目障りだけど、「つながる」のですね。
     心の葛藤が伝わります。



★うららかな線路の土手に築かれしたんぽぽぽぽぽ黄色帝国 (丹羽まゆみ)
 ( http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3 )


   ほ:「たんぽぽぽぽぽ」が素敵ですね。
     どこまでもどこまでもタンポポが続いているように見えます。
     線路で蒲公英の歌は、他にもとても多かったのですが、
     この歌はとても印象に残りました。
     音の面白さと、平仮名表記の視覚的面白さだけでなく、
     「黄色帝国」という言葉から、タンポポの意志が感じられる
     ところが良かったと思います。



★どこまでも平行だとは思へない線路であれば乗らずに歩く (佐藤理江)
 ( http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/ )


   ほ:逆転の発想ですね。
     線路=平行 というとらえ方をしている歌が多い中、
     「平行だとは思へない線路であれば」と考えるとは!
     とても面白い歌だと思いました。

 

★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 009:「眠」

2005年03月31日 18時36分30秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「009:」から



★眠れずに台所に立ち海老をむく悲鳴のように遠い波音 (林本ひろみ)
 ( http://2.csx.jp/~h_h/ )


   ほ:眠れない夜中に、台所に立って海老をむくのはしんどいでしょうね。
     私は料理が嫌いなので、そういう時に海老の殻はむきませんが、
     イライラすると無性に掃除をしたくなります。

     自分の気持ちの切り替えとして、何かをするのが大事なのでしょう。

     「悲鳴のように遠い波音」という部分、少し付け足しのような感じも
     しますが、この部分によって悲しさが強調されているのかもしれませんね。



★魔トリックス 眠りつづける国民を餌に国家はまるまる肥る (田貫 砧)


   ほ:こういう歌を読むと、気分がすっきりします。
     もっと言ってやって!と思います。

     「まるまる肥る」国家も悪いけど、「眠りつづける国民」も
     悪いんですよね。

     「魔トリックス」が笑えます。



★眠れない夜がないので見てみたい番組をまた見のがしている (穴井苑子)
 ( http://brown.ap.teacup.com/agarix/ )


   ほ:題詠マラソンの出詠歌を読んでいると、「眠れない」人が多い中、
     「眠れない夜がない」という穴井さんの歌に心を惹かれました。

     よほどお疲れなのでしょうか。
     いえいえ、決してそういうマイナスなイメージではなく、
     早寝早起きの健全な生活が想像されました。

     「見てみたい番組」とは、どんな番組なのだろうと興味がわきます。



★長方形に子らの睡眠 かあさんは正方形三つくらいを眠る (鈴木英子)


   ほ:わかります、わかります。
     子供はしっかりとお布団を占領しているくせに、
     さらにこちらの布団にまで侵食してきますよね。

     母親は「仕方ないな~」と笑いながら、あっちの隙間に移動したり、
     こっちの隙間に移動したりして、小さく丸まって寝るしかないことも。

     そういう感じを、「長方形」「正方形」と表現されているところが
     とても面白いと思いました。



★右足で終われなかったかなしさを囓って眠る月のないよる (秋)
 ( http://vienca14.exblog.jp/ )


   ほ:「右足で終われなかった」という意味はわかりません。
        (ごめんなさい)
     何かジンクスとか、願掛けなどの理由があって、
     最後の1歩を「右足で終わ」りたかったのか、
     病気の転移や怪我などが、右足だけでは終わらなかったのか。

     そのへんの本当の意味はわからないですが、それでも妙に
     心を惹かれる歌でした。



★こだはりのなさそうな雪しんしんとしんしんと泣く君を眠らす (斉藤そよ)
 ( http://www003.upp.so-net.ne.jp/capverses/ )


   ほ:「こだはりのなさそうな雪」という表現が素敵だと思います。

     これによって、雪の質感が、けっして「重たくしめった雪」ではなく、
     「軽くサラサラした雪」なのだろうとイメージさせられました。

     泣きながら眠った「君」も、明日は少しすっきりしているのでしょう。



★眠る人眠れぬ人もおしなべて夜の音叉のもとに漂う (みやちせつこ)


   ほ:「夜の音叉」という表現が好きです。

     子供の頃、静かな田舎だったのですが、夜中に布団に入って耳をすますと、
     何とも言えない不思議な「音」が聞こえることがありました。
     ちょうど、調律用の音叉を鳴らしたような音でした。

     「眠る人」も「眠れぬ人」も、そんな「音叉」の音に包まれているように、
     何かに共鳴しあっているのでしょうか。

     ちなみに、今では眠っている子供達の鼻息がうるさくて、
     「音叉」の音をしばらく聞いていませんです。とほほ



★眠れない夜はきまって翌朝のえものが蚊帳を揺らしていたね (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:眠れなかったのは、早く虫を捕まえに行きたくて興奮していたから?
     結局は眠れないまま、とうとう夜中のうちに布団を抜け出して、
     朝に捕るはずだった「えもの」をゲットし、
     蚊帳の中に放し、すっかり満足して眠ったのでしょうね。

     昔、夜中に蛍をつかまえて、蚊帳の中に放して、蛍の光を見ながら
     眠ったことがありました。
     それはそれは静かな光で、幻想的で、素敵でした。
     でも、翌朝になると、光が頼りないものだから、どこにいるのか
     わからなくなってしまいました。
     逃げたのか、死んだのか、親が夜中に逃がしたのかも不明です。

     貴彰さんの歌の「えもの」は「カブトムシ」とか「クワガタ」の
     イメージですよね。蚊帳を揺らす元気があるほどですから、
     夜中もさぞかし騒がしかったことでしょうね(笑)。
     あ、それでますます眠れなかったとか?



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 008:「鞄」

2005年03月28日 13時09分11秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「008:」から



★くたびれた往診鞄はグランパのようなやさしさ満タンにして… (吉野楓子)
 ( http://b1.jaxy.net/d/index.php/b42166dc4bf98b )


   ほ:むか~しは、小児科のお医者さんって往診をしてくれましたよね。
     往診鞄って、ほんとうに、はち切れそうにふくらんでいましたね。
     先生は、自分のおじいちゃんのような存在でした。
     病気になった時しか会えないけど、会えば必ず
     「○○ちゃん、大きくなったね~」って声をかけてくれましたっけ。

     今では、子供がどんなに高い熱を出してヘロヘロになっていても、
     そのヘロヘロ状態の子供を連れて、病院まで行かなくてはいけません。
     そんな時は、私もおじいちゃんみたいだった先生を思い出します。



★週明けの通学鞄の重さほど手ごたえのある言葉がほしい (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:週明けの通学鞄、重たかったですよね。懐かしいです。
     その「重み」を「手ごたえのある言葉」の重みに例えるとは、さすがです。

     しかも、その言葉を「もらってから」例えているのではなく、
     「ほしい」ものとして例えているから、よけいに共感を持てるのだと思います。
     大人になってしまうと、もう手にすることのない「通学鞄の重み」ですから。



★鞄には母が勝手に押し込んだ餅や林檎や千円札や (ハナ)
 ( http://www14.plala.or.jp/nemu31/ )


   ほ:泣かせますね~。
     母の愛は、どうしてこうも泣かせるのでしょう。

     餅も林檎も重たくて、鞄に入れるにはかなり重たくて、少し迷惑。
     だけど、どちらも栄養があって、腹持ちの良いもの。
     しかも、あまりお金のないときには、自分では買えないもの。
     母親の愛は、少し重たくて、少し迷惑で、でもありがたいものですね。

     押し込まれたお金が万札ではなく、千円札というところが、また泣かせます。
     たとえ少しでも、子供のためにという親心が、ここに集約されています。

     ハナさんのお母様への思いが伝わる一首だと思いました。



★ポケットのたくさん付いた鞄なら小さな秘密も隠せそうだし (内田かおり)


   ほ:どんな秘密を隠すのでしょうね。
     ポケットがたくさん付いていたら、その中の一つくらいは、
     「小さな秘密」を隠しておいても見つからずにすみそうですものね。
     とても面白い発想だと思いました。

     結句の「隠せそうだし」の「だし」という止め方も、
     ちゃめっけがあって、その先への広がりも感じさせます。
     とても良いと思った部分です。

     「秘密も隠せそうだし」、他には何ができそうなんでしょう。
     わくわくします。



★本だけを詰めた鞄を武器として世界に抗うことは可能か? (阿部定一郎)


   ほ:「本だけを詰めた鞄」では、武器として弱そうですよね。
     知識だけでなく、経験とか心とか、他にも必要な武器がありそうです。

     阿部さんは、いわゆる「武器」を使わずに、何とかして世界の問題を
     解決できないかと考えていらっしゃるのでしょう。



★湯に漬けた鞄は薄く縮まりてコンサイスごろッ 居場所がないよ (村本希理子)
 ( http://muramoto@ob.aitai.ne.jp )


   ほ:やりましたね~。鞄をお湯に漬けて、ぺっちゃんこに。
     ノート1冊くらいしか入らないじゃない!っていう薄さの人もいましたよね。

     私も、別に不良じゃなかったですけど、辞書と教科書全部入りますみたいな
     分厚い鞄はさすがに恥ずかしくて、少々薄目にしてました。
     薄くした鞄には、コンサイスなんか入りませんよね~。

     それにしても、「コンサイスごろッ」というのが面白い表現です。



★さかさまに鞄をふればしろがねのゼムクリップ出づ泣けとばかりに (伊波虎英)
 ( http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/ )


   ほ:何が出てきて欲しかったのでしょうか。
     どうして「ゼムクリップ」が出てきたのでしょうか。
     そのクリップには、何がとめられていたのでしょうか。

     ゼムクリップに留められていたのは、自分が力を入れた仕事の書類?
     誰かに裏切られ、手柄を横取りされて、自分の手元には何も残らない。
     勝手な想像をしてしまいます。

     そんな具体的な背景は私には見えないけれど、
     この「喪失感」のようなものは、しっかりと伝わります。
     そして、なぜか共感してしまいます。



★足元に置かれた鞄が自己主張する「俺にも一滴飲ませてくれや」(やまもとまき)
 ( http://www7.plala.or.jp/laurie/ )


   ほ:いつも鞄を持ち歩くお仕事の方にとっては、鞄も戦友なのですね。
     仕事の後、疲れを癒やしに、ちょっと1杯。

     「鞄よ、お前だけは俺の苦労を見てるよな。
      お前にも、1杯飲ませてやりたいよ」

     そんな声が聞こえてきそうです。

     それとも、反論ひとつしなかった「部下」のような鞄が、
     突然自己主張して、「俺にも一滴飲ませてくれや」って?
     あら、たいへん。頑張ってくださいね。



★変電所鉄柵わきのランドセルあるじを待ちて口引き結ぶ (鈴木貴彰)
 ( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )


   ほ:この1首だけを見ると、ランドセルのあるじが「無事」かどうかが
     とても心配になります。

     子供はランドセルをほったらかして遊びます。
     時として、ランドセルのことなどすっかり忘れて、家に帰って来たりもします。
     近くで楽しく遊んでいるのなら良いのですが。

     なぜ変電所? あるじは鉄柵を越えたのか? 自分の意志で?
     それとも、誰かによって越えさせられたのか?

     とても陰惨な事件で、子供が被害者になる事件が増えています。
     何か、そういった不気味さと警告も感じさせる1首です。

3/29追記:すみません。
     「鞄」で検索した中に、この歌があったのでピックアップしましたが、
     この歌のお題は「変」の方でした。
     でも、せっかくなので、このままここに残しますね。
     以後気をつけます。



★革で包むだから鞄と言いし君どの空の下誰を包める (五十嵐正人)
 ( http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/ )


   ほ:最初にこの歌を読んだとき、私はこのような意味だと解釈しました。

     「革で包む だから鞄」という発想は、少し狭い考え方であり、
     「狭い考え方」ばかりしていては、誰も包めないよ。
     もっと広い心で、物事を見つめ、人の考えも受け止めながら関わって行こうよ。
     人の批判ばかりしていたら、つまらないよ。

     というメッセージだと思いました。

     しかし、ご本人よりコメントを頂き、ほんわりと優しい恋の歌だったようです。

     「革で包むだから鞄 革が化けるだから靴」と仰った人となりますと、
     「狭い考え」の人という話ではなくなり、
      物事の始めを考えようとする素直な人、ことば遊びの好きな人 ですよね。

     大きな勘違いをしてしまいまして、ほんとうに申し訳ありません。
     お詫びして訂正させて頂きます。



★ゆうがたにむかうにつれてふくらんでくる鞄もうすこしでもどる (本田瑞穂)
 ( http://singasong.sunnyday.jp/ )


   ほ:1日を過ごすうちに、身体にも心にも疲労やストレスがたまり、
     あふれだしそうにふくらんでくる。
     でも、もう少しで終わる。終わればもどる。だからがんばろう。
     そんなふうに、自分に言い聞かせながら、頑張っている気持ちが伝わります。

     「もうすこしでもどる」という定型からはずした表現の、
     すっきりしていない感じが、(ごめんなさい。でも、悪口じゃないです。)
     心の中の割り切れなさもうまく表しているように見えました。

 

★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。

いいわ~。この歌♪ 007:「発見」

2005年03月24日 20時57分20秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「007:発見」から


★火の華を何発見れどたよりなく貴方がいない寂しさを知る (青葉瑠璃)


   ほ:去年は一緒に見た花火、今日は隣に貴方がいない。
     寂しいです。
     「たよりなく」という表現が惹きつけるのだと思います。



★我が娘 毎日全てが 新発見 油断は禁物 何しでかすかな… (クロネコ)
 ( http://kuro.boo.jp/ )


   ほ:そうそう!
     こういう時期の子供は、ほんとに目が離せませんよね。
     でも、何をしでかしてくれるのかが、楽しみだったりもします。
     そんな親の心理がよく表されていると思います。



★わたくしを勝手に発見したあとは変な名前をつけるのですか (穴井苑子)
 ( http://brown.ap.teacup.com/agarix/ )


   ほ:発見者が個性的な名前をつけようとして、「変な名前」に。
     つけられた方はたまったもんじゃありませんよね。
     発見された側の気持ちを詠まれるとは!



★発見の前からそれは在ったのに在り続けるというだらしなさ (足立尚彦)


   ほ:「在り続ける」のもけっこうたいへんなことのような…。
      でも、「だらしなさ」としてるところが面白いですね。
     「在り続け」たものを今まで発見できなかった「だらしなさ」。
      悪いことを発見した場合は、特に。
      ふと原発事故などのイメージが頭に浮かびました。



★神さまに目隠しされて人間が発見できないいくつかのこと (五十嵐きよみ)
 ( http://yaplog.jp/noma-iga/ )


   ほ:見えない方が良いこともあるのでしょうね。
     自分自身のことさえも、見えないことがありますよね。
     もっと先のお楽しみってこともありますね。
     深い歌だと思いました。



★古いカギ発見したのはミスだった だけど今さら捨てられないし (もりたともこ)


   ほ:捨てるに捨てられないものを発見してしまったら、
     いったい、どこに隠せば良いのでしょうね。
     「ミスだった」「捨てられないし」という砕けた表現が、
     ふと心に浮かぶ「本音」に近づけるのに適しているように思えます。
    


★金色の嘘発見機につながれて全てをくすくす笑いで答えよ (植松大雄/SERENO)
 ( http://www.mag2.com/m/0000121502.htm )


   ほ:うわ~。未だかつてない拷問かも。
     絶対に嘘を吐き通せそうにありません。
     よくこんな発想をされましたね。
     で、どうして「金色」なんですか?



★発見が 遅れていたら 死んだかも 恋の始めの 心臓発作 (那賀神 哲)


   ほ:死ななくて良かったですね。
     で、誰が発見したんでしょう?
     あれれれ、よくよく考えると、ちょっと不思議な歌ですね。
     でも、あんまり辻褄が合ってしまうのもつまらないですもんね。



★昨夜から行方不明の地図帳がおもちゃ箱にて発見される (睡蓮。)
 ( http://www.geocities.jp/suiren_58/ )


   ほ:あるある!ありますよね。
     どうしてこんなものが玩具箱に???ってこと。
     ゴミ箱じゃなくて良かったです。
     うちの子供は、一時期なんでもゴミ箱に入れてました。
     毎回ゴミを捨てるたびに、全部ひとつずつチェックしましたよ。
     ただ、「地図帳」ってところが素敵。
     将来が楽しみなお子さんです。



★春鳥のさまよふわれを発見せよハロー、CQ、こちら日本(ジュリエット) (高澤志帆)
 ( http://www15.plala.or.jp/kasane/ )


   ほ:今、無線で呼びかけたら、返事する人はどれだけいるんでしょうか…。
     私は大人になってから無線の免許をとりました。
     その後、ほどなくして携帯が普及しました。 ぐすん。
     そんな感じを「さまよふわれ」でうまく表現されていますね。



★半世紀連れ添ってみてあなたとは合わないことを発見しました (やまもとまき)
 ( http://www7.plala.or.jp/laurie/ )


   ほ:とほほ…。そういうこともあるかも。
     いや~、そのまんま「セリフ」になるんですけど、
     ぴったり31文字におさまってますね。
     あ!プラス1字、字余りでした。
     でも、違和感はありません。



★もうずっと泣かされてきて、あなたとは、もうこれ以上、あシュークリーム発見 (新田瑛)
 ( http://geocities.yahoo.co.jp/gl/juic7892000 )


   ほ:あらら…。
     こちらの「あなた」はシュークリームに負けてますね。
     文句言うのも、もうどうでもイイっていうところまできてしまった感が
     すごくよく伝わります。
     前半とのギャップがすごくて、
     鼻から「ふんっ!」って笑いが飛び出しましたです。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
 「その感想は大きな間違いだ!」というご意見などは、ご遠慮なくコメント欄へどうぞ。



このところ体調を崩しておりまして、更新が遅くなりました。
他の方の歌を読ませて頂いて、ピックアップしたり、感想を書かせて頂いたりするのは、
私なりに真剣な作業なので、体力が必要なようです。
少しゆっくりペースになるかもしれませんが、これからもよろしくお願いいたします。


他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」から、ご覧になれます。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。