ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。
あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。
以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
「021:うたた寝」から
★うたた寝の夢に見たるは亡き君とハワイへ向かふ飛行機の中 (春日山)
ほ:「うたた寝」で見た夢の歌が多く見られた中、
この歌の「夢」は具体的で、切なかったです。
そういう夢を見てしまった後の寂しさが、
読んでいるこちらにも伝わるように感じられました。
シンプルで、飾らない表現で、とても好きな歌です。
★うたた寝を突き破る声「き、き、君は冗談抜きの昼行灯か」 (参田三太)
( http://www.geocities.jp/santasanda2000/ )
ほ:笑ってしまいます。
セリフを言っているのは上司でしょうか。
その人の怒った顔が目に浮かぶようで、面白いと思いました。
「き、き、君は」の使い方が上手いな~と思いました。
★ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにもうたた寝覚めのさびしかりける (さゆら)
ほ:忘れようとした夢。忘れかけた夢。
うたた寝に見た夢のかけらをひろい集めて、
もう一度物語にしたいのに、まとまらない…。
そんなふうな、寝覚めの物寂しさを感じました。
「ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにも」という上の句。
字余りで、リズムはあまりよくありませんが、
そのもどかしい感じが、歌の内容と合っていると思います。
また「ひろふごとく」という言い方が、巧いな~と思いました。
★『歌のありか』を「歌のあかり」と呼ぶならいうたた寝に聞くあかりを呼ぶ声
*『歌のありか』菱川善夫著 (鈴木英子)
ほ:作者の在籍した短歌研究会では、菱川善夫の『歌のありか』を
「歌のあかり」と呼ぶ習いがあったのですね。
うたた寝をしている時でも、ふと聞こえる「あかり」という声に、
敏感に反応してしまう作者。
それほどに、「歌」に傾ける思いの深さ、
ある意味、当時は『歌のありか』の呪縛もあったのでしょうか。
そんな思いが伝わって来ます。
★うたた寝の父がときどきつぶやいた ぼくの知らない兄のなまえを (鈴木貴彰)
( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )
ほ:意味はよくわかりませんが、心に引っかかる歌です。
(惹かれるに近い意味で、気に掛かるということ)
生まれなかった兄弟がいたのか、早くに亡くなったのか。
どこかへ養子に出したのか。母親以外の人に生ませた子なのか。
作者の人生に踏み込むことはできませんが、
何か特別なことなのだと感じさせられます。
また、この歌からだけでも、父との確執のようなものが
感じ取れるように思うのは、私の考えすぎでしょうか。
★いつからか歌を忘れてうたた寝をしているふりのカナリアだった (みうらしんじ)
( http://www.mnet.ne.jp/~miusin/ )
ほ:作者は、「歌」から離れていた時期があったのでしょうか。
忘れていたわけではない、ふりをしていただけ。
けっこう真剣な心の葛藤が描かれているようなのに、
「カナリアだった」という表現によって、軽みが出て、
とても良い感じの歌になっていると思いました。
「歌を忘れたカナリア」とはよく言いますが、
「ふり」をしていたというのが、この歌のポイントですよね。
★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。
私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。
しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。
もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。
他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。
私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの歌?俳句?川柳~?」からご覧下さい。
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。
あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。
以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
「021:うたた寝」から
★うたた寝の夢に見たるは亡き君とハワイへ向かふ飛行機の中 (春日山)
ほ:「うたた寝」で見た夢の歌が多く見られた中、
この歌の「夢」は具体的で、切なかったです。
そういう夢を見てしまった後の寂しさが、
読んでいるこちらにも伝わるように感じられました。
シンプルで、飾らない表現で、とても好きな歌です。
★うたた寝を突き破る声「き、き、君は冗談抜きの昼行灯か」 (参田三太)
( http://www.geocities.jp/santasanda2000/ )
ほ:笑ってしまいます。
セリフを言っているのは上司でしょうか。
その人の怒った顔が目に浮かぶようで、面白いと思いました。
「き、き、君は」の使い方が上手いな~と思いました。
★ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにもうたた寝覚めのさびしかりける (さゆら)
ほ:忘れようとした夢。忘れかけた夢。
うたた寝に見た夢のかけらをひろい集めて、
もう一度物語にしたいのに、まとまらない…。
そんなふうな、寝覚めの物寂しさを感じました。
「ひとたびは棄てし夢ひろふごとくにも」という上の句。
字余りで、リズムはあまりよくありませんが、
そのもどかしい感じが、歌の内容と合っていると思います。
また「ひろふごとく」という言い方が、巧いな~と思いました。
★『歌のありか』を「歌のあかり」と呼ぶならいうたた寝に聞くあかりを呼ぶ声
*『歌のありか』菱川善夫著 (鈴木英子)
ほ:作者の在籍した短歌研究会では、菱川善夫の『歌のありか』を
「歌のあかり」と呼ぶ習いがあったのですね。
うたた寝をしている時でも、ふと聞こえる「あかり」という声に、
敏感に反応してしまう作者。
それほどに、「歌」に傾ける思いの深さ、
ある意味、当時は『歌のありか』の呪縛もあったのでしょうか。
そんな思いが伝わって来ます。
★うたた寝の父がときどきつぶやいた ぼくの知らない兄のなまえを (鈴木貴彰)
( http://blog.goo.ne.jp/monjiros/ )
ほ:意味はよくわかりませんが、心に引っかかる歌です。
(惹かれるに近い意味で、気に掛かるということ)
生まれなかった兄弟がいたのか、早くに亡くなったのか。
どこかへ養子に出したのか。母親以外の人に生ませた子なのか。
作者の人生に踏み込むことはできませんが、
何か特別なことなのだと感じさせられます。
また、この歌からだけでも、父との確執のようなものが
感じ取れるように思うのは、私の考えすぎでしょうか。
★いつからか歌を忘れてうたた寝をしているふりのカナリアだった (みうらしんじ)
( http://www.mnet.ne.jp/~miusin/ )
ほ:作者は、「歌」から離れていた時期があったのでしょうか。
忘れていたわけではない、ふりをしていただけ。
けっこう真剣な心の葛藤が描かれているようなのに、
「カナリアだった」という表現によって、軽みが出て、
とても良い感じの歌になっていると思いました。
「歌を忘れたカナリア」とはよく言いますが、
「ふり」をしていたというのが、この歌のポイントですよね。
★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。
こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。
私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。
しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。
もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。
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カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。
私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
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