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沖縄県 国税徴収額、3500億円超 内閣府沖縄予算上回る 納税額全国29位

2017-05-08 08:13:36 | ニュース

県内の2015年度国税徴収額(徴収決定済額)が3508億円と過去最高を記録し、初めて3500億円を突破した。

同年度の内閣府沖縄関係予算3392億円(補正後)を上回った。

他省庁分を除き、国から沖縄に入る予算よりも沖縄から国に納める税金が上回る「支払い超過」となった。

支払い超過は、1972年の復帰以降、9回目。また国税徴収額の最新値が公表されている15年度を含む過去10年度分の統計を見ると、うち6年度分で国税徴収額が沖縄関係予算を超えている。


 

沖縄関係予算を巡っては基地問題に絡めた「リンク論」もしばしば取り沙汰されるが、近年は沖縄から国に支払われた税額の方が大きくなる傾向が出ている。足腰の強い自立経済が出来上がってきたとも言えそうだ。

沖縄国税事務所の15年度国税徴収額は3508億1300万円で、前年度から10・6%(337億2300万円)の増加となった。

全国12都市に置かれた国税局(沖縄は国税事務所)が徴収する「局引き受け分」を除いた分で、15年度の都道府県別の国税徴収額を比較すると、沖縄は3455億2300万円で全国29位と、おおよそ中位にある。

15年度の国税徴収額が過去最高に達したことについて、沖縄国税事務所は「分析はしておらず確固たることは言えない」と前置きした上で、「長期的要因としては物価の変動が挙げられる。また短期的には県や沖縄総合事務局が分析しているように、観光や建設関連業種の売り上げが伸びていることも要因かと推察される」とした。

琉球新報のまとめによると、沖縄が日本に復帰した1972年度から2015年度までの間、県内の国税徴収額が内閣府沖縄関係予算を上回ったのは1990年度、91年度、2005年度、06年度、07年度、09年度、10年度、11年度、15年度。

16年度の国税徴収額は未公表。

県内国税額 最高 好調経済が押し上げ 支払い額、類似県上回る

2015年度の沖縄の国税徴収額が過去最高に達した。目標入域客数の上方修正が続く観光業などで経済情勢が好調に推移し、法人税や所得税額を押し上げていることが背景にある。16年度の有効求人倍率も復帰後初めて1を超えるなど企業活動は活発化しており、国税徴収額も当面増加が続くことが予想される。一方、沖縄からの国税徴収額が、国から投下される内閣府沖縄関係予算を上回る「支払い超過」の状況が定着しつつあることも浮き彫りになった。

沖縄は米軍基地の存在によって予算措置で「優遇されている」との認識が根強くあるが、実際はむしろ国税支払い額の方が多い。

政府は「骨太の方針」に沖縄を「日本のフロントランナーとして経済再生のけん引役となるよう国家戦略として沖縄振興策を推進する」と明記するが、既に沖縄は、復帰45年を経て自立型経済が構築されつつあることを示す。

産業構造の偏りや雇用環境の改善など課題はあるが、沖縄の実質経済成長率が全国トップクラスに位置する中、この状況をいかに維持・発展できるかが問われる。

こうした指標を踏まえ、基地と予算の「リンク論」に関する誤解をどう払拭(ふっしょく)するかが県にとってのもう一つの課題だとも言える。

15年度で見ると、沖縄の国税支払い額は全国47都道府県のうち29位とおよそ中位。併せて総務省の都道府県の分類で沖縄県は、財政指数が0・3未満の高知や島根など類似10県に含まれる。地方税や地方交付金、国庫支出金、地方債など歳入で沖縄の人口1人当たりの金額は、類似10県のうち2番目に少なく、全国では20位だ。つまり類似10県のうち沖縄よりも「もらっている県」は8県ある。一方で沖縄の国税支払い額はこれら類似県を大きく上回る。

沖縄は「国からもらいすぎ」でもなければ「国に払う税金が少なすぎる」わけでもない状況が、経済活動を背景に定着してきていると言えよう。

(島袋良太)

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