すっかり油断していた。暑い三連休を乗り切ったミナミヌマエビたちを私は過信していた。前日にも増して暑い一日だったたけに、今日帰っておそるおそる睡蓮鉢を覗いてみると、いつもツマツマ前足を動かしながら餌をむさぼるエビたちの姿が一匹も見えない。もしかしたら葉っぱの裏で隠れて見えないだけかもしれないと、あらぬ期待をよせながら、一枚一枚睡蓮の葉をめくってみるが、やはり彼らの姿が見えない。悪い予感が的中したようだ。最悪の事態を覚悟し、底に敷いている赤玉土の部分を懐中電灯で照らしてみたところ、旅順の戦いの後を思わせるような見るも無残な姿で大きいものから小さいものまで、茹で上がった真っ赤な状態で横たわっている。水温30℃が限界という情報は頭にあっただけに、睡蓮の開花を優先させた結果ということもあり、くいが残る。めだかもろくに育てられないいとうせいこうを少し馬鹿にしていた自分だけに、情けない、言葉がない。昨年も6月末に一度この睡蓮鉢の生物を全滅させてしまった苦い経験があるだけに、めだかだけは生き残ってくれたことがせめてものすくいか。幸いなのは、一部の子供を別の容器にたまたま隔離していたものがわずかながら生き残ったことだが、彼らは生き証人として大切に扱いたい。今日という日を決して忘れまい。でも、人は、時がたてば忘れる生き物である。
蕾の成長が加速化した。この写真は実は昨日咲いたはずの二日目のつぼみ。温帯スイレンは、一度咲いても夜に蕾に戻り、翌日も咲いてくれるらしい。何日繰り返してくれるのかは不明だが。
こんな感じ。紅一点とでも言えばよかろうか。しかし、昨日咲いたはずの二日目なので、今日も割いてくれるかはいまのところ謎。
もう少しで咲きそう。昨日開花を見逃しただけに、なんとか初めて開花した蕾の晴れ姿を見届けたい。
やっと咲いた。マンカラウボンというタイかどっかで品種改良された品種。ひいき目でみると、なかなかきれいに咲いてくれた方だと思う。オレンジの花をイメージしていたが、実際はピンクから黄色のグラデーション。混ぜれば確かにオレンジになりそう。
いい感じ。一厘の大輪で一気にベランダが華やいだ。二年越しのプロジェクトだっただけに、感無量だ。今日はつぼみから開花までずっと朝からビールを飲みながら見守っていた。これで、だいたいやりたいことは終わってしまった。昨年より始めて、メダカは昨年早々に2代目に世代交代が完了。今年は順調に3代目が育っている。ミナミヌマエビはなかなか環境に対応してくれず、何度か購入したが、昨年の秋に来たやつらが無事冬を越し、今となっては、2代目も大量に生まれ、かなり増殖している。まるで、何年も前からずっと居座っているような錯覚さえしてしまう。しかし、水温や水質の微妙な変化で一日にして全滅することもあるとのことなので、これからも予断は許されない。開発よりも継続的に安定して運用することが難しいことは既知の事実である。こいつらみんな順調に成長すればどんどん増殖を繰り返すため、これからはどこかで歯止めをかけていかなければいけない。犬の去勢をする飼い主の気持ちはこんなところか。
二年越しでとうとうマンカラウボンの蕾が。
あと、どれくらいで開花するかは謎。水曜日に追肥を実施。
よこから
あまり変化がみられない。
ヒメダカが一匹雨の中ベランダに横たわっているのを発見した。どうやら死のダイブを強行したらしい。なくなったメダカは死の鉢に埋葬する。睡蓮鉢には、代わり別の容器のコメダカを投入。世代交代はこのようにして行われる。
上から見たところ。
小エビとヒメタニシ
写真では少し大きく見えるが、たぶんまだ5,6mmしか全長はないと思われる。30℃を超える日もあったが、なんとか順調に成長しているようだ。これまで、投入のとたんばたばた死んでいくようなことを繰り返していただけに、なにが要因だか皆目検討がつかない。なにはともあれ、これで小エビが成長し、マンカラウボンが開花すれば、一通り完成したことになる。後はいかに維持していくかだが、それはそれで悩ましい。家の食物連鎖のピラミッドの頂点は、メダカとミナミヌマエビ。なんとも貧弱な生態系だ。