「障害」
なんて哀しい響きだろう。
身体障害、知的障害、精神障害…
乗り越えなきゃいけない壁が大きすぎる。
同じ発声で「傷害」
人に痛みを与える。できればかかわりたくない。
体の傷、心の傷は簡単には消えない。
競馬の「障害」
お昼前の第5レースあたりに組み込まれる。
1日に2レース組まれることはなく、障害ジョッキーは1日1回のみの騎乗も珍しくはない。ゆえに常に真剣勝負。
もしそのレースで落馬負傷でもしたら目も当てられない。
幾つもの障害を強い気持ちを持って飛び越えていく。
「障害」は「生涯」終わることのない難敵難題だ。
障害レースがメインレースに組まれることはない。
本日行われる中山大障害(G1)もG1なのにメインではない。
平地G1の20に対して障害G1は2つだけ。
障害ジョッキーのこのレースにかける思いはディープより深い。
馬も騎手も高く険しい壁を苦しみながら戸惑いながら越えていく。
ちゃんと離陸できるかな。
ちゃんと着陸できるかな。
墜ちることを怖がっていたら前へは進めない。
夢中で飛んで、夢中でゴールを目指して、
その先に何があるのかわからない。
それでも前だけを、未来だけを見据えながら。