ギャンジャン

人は独りでは生きてゆけないのに人は独りで死んでゆく。刹那い一瞬に人は何を求める?

阪神も雨、私の心も涙雨

2005-12-05 07:02:28 | 競馬ジャングル

久しぶりに東京にいる友人Nから電話がかかってきた。
しばらくの間仲間の近況報告のあと、彼は競馬のことを切り出してきた。

   友人N「阪神すげぇ雨じゃん」
   ok-era「何で知ってんの?」
   友人N「TV見てるよ。こんなときはでっかい馬が来るんだよな。お前やんの?」
   ok-era「やんないよ。当たる気しねぇもん」

彼は予想はするけど、馬券はあまり買わない。グリーンチャンネルも電話投票もあると言うのにだ。抑えの利かない私からしてみれば彼はとても偉大に見える。

   ok-era「いいこと言うなあ。そんなのありそうだよ。でかい馬から買っちゃえよ。
        じゃあ切るよ」

電話を切った時刻が3時27分。まだ10分ちょっとある。
友人Mが言っていた「でかい馬が来る」は私の中からデビルを呼び出していた。このレースまで土日の収支はプラスである。安全策でこのG1は無料観戦をしようと決めていた。なのに意志の弱い私。豆腐のように。
でも友人Nの「でかい馬が来る」はすごく的を得ているように思えた。雨の日には力強く掻き込むワイルド走法でなければならない。それができるのは大きい馬だ。馬体重の小さい馬は非力で地面を掻き込めない。
そこで馬体重の大きい馬を調べてみる。

◇第1位 アサヒライジング   514Kg
◇第2位 フサイチパンドラ   486Kg 
◇第3位 シークレットコード  480Kg
◇第4位 テイエムプリキュラ  478Kg
◇第5位 クリノスペシャル   470Kg

馬単のボックスで行ってみよう。いや意外とイケるかもしれない。
パソコンのスイッチを入れる。画面が開かないアクシデント。再起動してみる。やはり開かない。どうやらその前のPATをログアウトしないで閉じたのが原因だったらしい。それに気がついて画面が開いたのは3時37分。もう間に合わない。
まあ、どうせいいや。神様がやめなさいと言っているのだろう。
そのときまではただそう思っていた。
だが大悲劇が起こるまでにはそう時間はかからなかった。

結果は
■1着 テイエムプリキュラ  478Kg(馬体重ランキング第4位)
■2着 シークレットコード  480Kg(馬体重ランキング第3位)
■3着 フサイチパンドラ   486Kg (馬体重ランキング第2位)

意気消沈しているときに追い討ちの電話が鳴る。

   友人N「とったか?」
   ok-era「とんないよ」
   友人N「うそだろ。俺とったよ」
   ok-era「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そのあとの彼の言葉はヒーローインタビューさながら。何を言っていたのかあまり記憶にない。

   友人N「よかったよ。お前に電話して」

感謝されても全然うれしくない。それよりつらい。悲しい。空しい。切ない。
あとから言ってもだめだよ。知っている。
こんなこと言っても何の得にも何の慰めにもならないことを。
ただ私の HEART’S CRY を少しだけでもわかってもらいたくて。(泣)
私の心は泣いている。
私の心は破れている。
私の心は痛んでいる。
私の心は壊れている。
私の心は叫んでいる。
また少しだけ競馬を嫌いになりたい。
開かないパソコンを嫌いになりたい。
今は涙の海に沈みたい。
そして明日からはいつもの自分に戻りたい。