ギャンジャン

人は独りでは生きてゆけないのに人は独りで死んでゆく。刹那い一瞬に人は何を求める?

そんなのありぃ~?最終回コバマサ劇場

2005-10-16 07:46:23 | プロ野球ジャングル
ドラマは最終回を迎えていた。
最終回の主役のコバマサが画面の中央に向かってゆく。
ぼくはこわいほど落ち着いていた。
もう泣いても笑ってもこのドラマは終わるのだ。
もちろん泣きもしないし、笑いもしない。
これから起こりうるすべてのことを受け入れようと心に決めていた。

主役のコバマサは落ち目とはいえ、「守護神」と言われている男である。
シーズン中に見せる時折不安定な投球は鳴りを潜め、このところは連続無失点セーブで非常に安定していた。
しかも4点もホークスはプレゼントしているのである。
もう次の新番組「タイガーandマリーン」も決まっていた。
完封リレーというステージを誰もが信じて疑わなかった。

最終回ノーアウト……先頭バッターが出た
そんなことではぼくのハートはときめかない。

最終回1アウト1塁2塁……代打大道ラッキーヒット
それがどうしたの。

最終回1アウト満塁……代打荒金
もしかして最後のバッターになるかも。
しかし、野球ツウしか知らないこの男(失礼)がまぐれタイムリーを打つ。

最終回2アウト2塁3塁……バッター松中
とそのときボビー’sミラクルが……
11打席ノーヒットの松中を敬遠するのである。
それ自体は責められる行為ではないのかもしれない。
だって腐っても松中である。
腐っても三冠王である。
腐ってもスティールインラブ(?)である。
でもぼくはチャンスだと思った。
松中を最後のバッターにするチャンスをみすみす放棄したのである。
まず打たないだろう松中は、ゲームセットの瞬間間違いなく泣く。
そしてその場にうずくまって動けない。
そんな痛々しいシーンを演出家(誰なの?)は用意していたはずである。

最終回2アウト満塁……バッターズレータ
このまま幕が降りたとしてもぼくは驚かない。
もうとっくに心は決めてある。
ちょっとだけ期待はしてみるけど、裏切られても許せる。
三振でも、フライでも、ゴロでも、「よくあることさ」と静かに笑おう。
すると信じられない出来事が……

「そんなのありぃかよぉ~」
主役のはずのコバマサはハッピーエンドを決め込むはずが、昼メロばりにドロドロの激流に飲まれてゆく。
もう結末は誰にも読めない。

延長10回
このまま引き分けたらどうなるの?
そんなことを考える余裕があるのも、今のぼくは冷静だからこそ。

延長10回1アウト1塁3塁……バッター川崎
今日のこのドラマは終わりそうな予感がした。
カワムネってやるときゃやるし……
予想通りのガッツポーズ。
今日のドラマの主役は結局カワムネだったのか。

1つ勝ったくらいで流れが変わるとはいえない。
数字の上ではホークスは圧倒的に不利なのである。
ただこのドラマには続編があるらしい。
あと1回あるのか、2回あるのか。
ただ確実にわかっていることは、ほんとのほんとの最終回では、主役のコバマサ、松中のどちらか(or両方?)の涙なみだのシーンでドラマが完結することである。
BGMはTomorrow never knows.