田を開く

農作業には年間を通してそれぞれの季節にあった作業がある。
今は農閑期だけれど、春の畑や田んぼの準備をしなければいけない。
昨年1年間、徳島まで通って学んだ自然農、
今年は家の近くに田んぼを借りて自分の力でやってみることにした。

幸い、庭先ともいえるほどの距離に数年間放置された田んぼがあった。
自然農を始めるに当たっては願ってもない好条件。
何年も積み重なった枯れ草が黒い土の層を作っている。
こんな田んぼならおいしい自然農のお米が取れるのは間違いない！



2月は田んぼの準備の季節。
荒地を田んぼにするために、まず溝を掘っていく。
スコップでエンヤコラ。
16メートルほどの溝を4本と13メートルほどの溝を2本の予定。
今日やっと2本目を半分ほどほれた。
何とか2月中には終わらせたい。
もう一つの大切な作業、苗床作りも2月中に・・・！
時間が足りないなー・・・。

スコップで溝を掘っていると、必ずジョウビタキが飛んでくる。
ピィ！という鳴き声と黄色い体に羽の白い斑点。



掘り返した土をあさって子虫を捕らえているのに違いない。
つかず離れずで様子を見ては何かを探して土くれの中をウロウロしている。
必ずやって来るので愛着がわく。

ジョウビタキ以外にも水際の田んぼには来客が多い。
にぎやかに飛んでくるのはエナガの群れ。
小さい体に細くて長い尻尾がかわいらしい。
池の端っこの木を伝って水を飲みに来ている。
笹の土手の向こうに泳いでいるのはカイツブリ。
時には上空からミサゴが滑空し、魚を捕らえに来ることもある。

田を開いて苗を植え、秋の実りを収穫するまでにさらに多くの生き物達が集うだろうと考えるとワクワクする。
自然に囲まれて農作業している時が一番幸せかも！と思う今日この頃。
単純作業をしながら自然に耳を傾けたり、様々な考えをめぐらせたり、
時には瞑想をしているように感じることもある。
あーなんて幸せなんだろう。