翠

らんまりのラクガキ。。。

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単心室症

手術歴・治療経過についての

詳しい内容は

コチラママンのラクガキ。。。

 

あの頃の記憶。

 

未来を描けなかったあの頃。

 

 

入院して二度目の夏。

外の世界はいつも通りの時が流れ

子どもたちは健やかに育ち

姿を変えてゆくのに

自分たちの時計だけ

壁にぶつかっているおもちゃの兵隊みたいに

進みたいのに進めない。

いつまでも大きくなれない

薬で眠らされている旺ちゃんを眺めていると

そんな気分だった。

 

 

2013年5月に急変。

 

花びらの散った桜木を見ながら

『旺ちゃんと桜を見ることは一生ないのかな』

なんて思った夏の日の記憶。

 

血管に流れ込むいくつもの薬液は

具現化された命の管のように見えていた。

 

いつもは葬ることができているのに

突然海に引きずり込まれるような恐怖に

たびたび襲われた。

 

喉を鳴らし

もしものときの延命治療はしない

と決めたあの頃。

 

道に記したように

『こんな状態無理がある。

昔ならない命。

こんな状態を

旺ちゃんは望んでいないんじゃないか。

親のエゴで無理矢理

繋ぎとめているんじゃないだろうか。』

という思いと

透けて今にもいなくなりそうな旺ちゃんを

『連れていかないで』

という相反する思いに

心はひきちぎられそうだった。

 

 

払いのけられる状況ではなく

“死”を感じずにはおれず

 “勝てぬ戦”

“教えて　正しいサヨナラの仕方を”

という歌詞なんて

まさにあの頃の心境そのままで。

 

特に

“揺れる若葉に手を伸ばし”なんて

元気な子どもが羨ましい気持ちと

旺ちゃんに側にいてほしい気持ちとが

混じったあの頃の私の心のようで。

 

旺ちゃんがいる未来もいない未来も

どっちも想像することが難しくて。

旺ちゃんのいない未来を

果たして私は生きていけるのか

そんなことを思った。

 

 

“自由になる　自由がある

立ち尽くす　見送りびとの影”

 

旺ちゃんのいない未来を

生きていかなければいけない。

こんな苦しいことはない。

だったらいっそのこと―

そうすれば自分は苦しみから逃れられる。

だけどそう決断すれば

残されたひとが今の私と重なる。

 

そんな風に解釈できた。

 

 

『親のエゴで

無理矢理繋ぎとめられているんだったら

もう頑張らなくていい…』

そうあきらめたのに私の脳みそは勝手に

旺ちゃんの笑顔や仕草、

温かさや匂いなんかを思い出しては

さらに心をひきちぎろうとする。

そんな繰り返しの日々だった。

 

『旺ちゃんなしで生きている自分って

どんなかな。

旺ちゃんに恥じない生き方をしないと…』

そんなことまでも考えたあの頃を

彷彿とさせる言葉にも心を射抜かれる。

 

人魚。や生きる道。に書いた感情だったりも

映し出されているように感じた。

 

“荒野の狼”

というタイトルをみて

もしやと思って調べてみたら

ヘッセのファンらしい。

 

2013年1月に初めて私のブログに記した

ヘルマン・ヘッセの言葉。

遠い夢にも再度記した

私の心が後ろを向くのを

くいとめてくれた言葉。

 

“君がどんなに遠い夢を見ても

君自身が可能性を信じるか限り

それは手の届くところにある”

 

同じ人物に

心が魅かれたことに感動！

もうここまできたら

ただのミーハー心理

 

 

これからどんな色に変化していくのかな。

どんな未来が待っているのかな。

 

負けないよ

旺ちゃんならきっと。

 

たくさんの色をみせてくれると

信じているよ。

 

 

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