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excelの3-D円グラフを説得力のあるグラフにする2つのコツ

2021-04-30 15:37:26 | excel

excelの3-D円グラフを説得力のあるグラフにする2つのコツ

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印象に残る円グラフを作成したい!

 会議やプレゼンなどのために資料を準備する際、より伝わりやすくするためにグラフを作成することはよくありますよね。数字が羅列した資料を配付するよりも、グラフを使って視覚に訴えたほうが説得力がありそうですよね。

 そこで今回は、excel円グラフ(具体的には3-D円グラフ)を取り上げて、ワンランク上の仕上がりにするためのワザを2つ解説します。円グラフは、それぞれの項目が全体のどのくらいの割合を占めるのかを表したい時に便利なグラフです。ちょっとした工夫で、格段に伝わりやすいグラフに仕上げることができますよ!

準備:まずは3-D円グラフを作ってみよう

 今回、2つのワザを紹介する前に、まずは、3-D円グラフを作ってみましょう。次の「製品Aにおける市場シェア」のデータを使って作成していきます。円グラフにしたいデータ範囲(セル範囲A3:B8)(①)を選択して、[挿入](②)→[円またはドーナツグラフの挿入](③)→[3-D円](④)をクリックします。

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 すると、シート上に3-D円グラフが表示されます(⑤)。

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 これで、ひとまずグラフは作成できたように見えますが、作りっぱなしの状態だと、元の表のどの項目がグラフ上のどのデータを指しているのかわかりづらいですよね。そこで、3-D円グラフの扇形の上にデータの内容を表示してみましょう。


 excel作成したグラフのグラフエリアを選択した状態で、[グラフのデザイン]タブ(⑥)→[グラフ要素を追加](⑦)→[データラベル](⑧)→[その他のデータラベルオプション](⑨)をクリックします。

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 すると、画面の右側に[データラベルの書式設定]作業ウィンドウが表示され、[ラベルオプション]欄(⑩)で3-D円グラフの扇形に表示する内容を設定できます。この[データラベルの書式設定]作業ウィンドウが表示されると、自動的に[値]のチェックマークがONになり(⑪)、3-D円グラフの扇形には元の表の[売上高]欄のデータが表示されます。ここでは、「値」ではなく「パーセンテージ」が表示されるようにしてみましょう。というのも、円グラフはそれぞれの項目が全体の中でどのくらいの割合を占めるかを表すためのものなので、値そのものではなく、パーセントで表示するのが理にかなっているからです。

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 [値]のチェックマークをOFF(⑫)にして、[パーセンテージ]のチェックマークをON(⑬)にします。さらに、その上にある[分類名]のチェックマークもON(⑭)にします。すると、円グラフの扇形には、会社名とそれぞれの売上高の構成比が表示されます。

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 ここまでできたら、グラフタイトルを変更します(⑮)。また、円グラフの下に表示されている凡例は、不要になったので削除します。グラフ上の凡例のあたりでクリック(⑯)すると選択できるので、[Delete]キーを押して削除します。

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 これが基本的な円グラフの作成方法です。以降では、作成した3-D円グラフを見やすくするためのワザを学んでいきましょう。

❶注目させたいデータだけ色を変える

 前項で作成した3-D円グラフは、カラフルな配色になっているため、すべてのデータが同じ印象になってしまっていますね。ここでは、「当社」のデータだけを目立たせたいとして、「当社」の扇形を目立つ色に変更してみましょう。まず、グラフ全体の色合いを統一感のある落ち着いたものに変更したあと、当社のデータだけ目立つ色を設定します。

 excelグラフエリアを選択した状態で、[グラフのデザイン]タブ(①)→[色の変更](②)→[モノクロパレット5](③)を選択します。

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 3-D円グラフがブルー系のモノトーンの配色に変わりました(④)。

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 次に、「当社」の色を変更するために、「当社」の扇形だけを選択します。「当社」の扇形を2回ゆっくりクリック(⑤)すると、当社の扇形だけを選択できます。この時、ダブルクリックではなく2回ゆっくりクリックすることがポイントです。また、円全体ではなく、「当社」の扇形の周りにだけハンドル(白い〇印)が付いていることを確認してください。

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 「当社」の扇形だけを選択できたら、[書式]タブ(⑥)→[図形の塗りつぶし](⑦)をクリックし、設定したい色(⑧)を選択します。

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 「当社」の扇形にだけ目立つ色を設定できましたね(⑨)。


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 これだけでも、注目してほしいデータが目立つようになりましたが、次の項では「当社」のデータが手前に表示されるように設定してみましょう。


❷注目させたいデータを手前に表示する

 先ほど黄色に塗りつぶした「当社」の扇形が、手前に表示されるようにしてみます。3-D円グラフの円の真ん中あたりをクリックして、円全体を選択(①)します。今度は、円全体の周辺にハンドル(白い〇印)が付いていることを確認してください。[書式]タブ(②)→[選択対象の書式設定](③)をクリックします。

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 すると、[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[系列のオプション]欄に[グラフの基線位置](④)という項目がありますね。この値を調整すると、扇形を手前に移動できます。

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 [グラフの基線位置]の入力エリアの右側にある[▲](⑤)をクリックし続けると、中心を基点にして円グラフが回転します。「当社」の扇形が手前に来る(⑥)まで、矢印ボタンをクリックし続けます。

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 これで、「当社」のデータがずいぶん目立つようになりましたね。

3-D円グラフで目立たせたいデータを強調しよう

 今回は、3-D円グラフを取り上げて、ワンランク上の仕上がりにするためのワザを2つ解説しました。ちょっとした工夫をするだけで、注目してほしいデータを目立たせることができましたね。せっかくグラフを作成しても、伝わらなければ意味がありません。ぜひ、このテクニックを覚えておいて、使ってみてくださいね!


excelの業務を効率化させる裏ワザ

2021-04-30 15:37:26 | excel

excelの業務を効率化させる裏ワザ

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意外と知られていない「オートSUM」の便利ワザを紹介!

 皆さんが普段使っているExcelには、数々の便利な機能がありますよね。その中の1つに、excel「オートSUM」があります。オートSUMは、ただ連続したセル範囲を合計するだけでなく、さまざまな便利な使い方ができます。今回は、これらの機能について解説します。意外と知られていないものもありますので、ぜひ覚えて活用してみてくださいね。


❶列と行にある合計欄を一気に集計

 次の「〇〇コンビニエンスストア 売上記録(個数)」のように、右端の列と最下行に合計を求めるような売上表(①)ってありますよね。このような表で合計を算出する場合、[オートSUM]ボタンをワンクリックするだけで、すべての合計を求められます。

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 まず、セル範囲B3:F11をドラッグして選択(②)します。集計対象のセルと合計欄のセルをまとめて選択するのがポイントです。

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 セル範囲を選択できたら、[ホーム]タブ(③)→[オートSUM](合計)(④)をクリックします。

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 すると、右端の列(F列)と最下行(11行目)の両方で、一気に合計が表示されます(⑤)。

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❷小計と合計を一発で集計する

 売上表などを作成する際、月ごとや支店ごとに小計を求めたい場合がありますよね。このような時、SUBTOTAL関数を使えば、小計と合計を求めることができます。でも実は、オートSUMでサクっとできてしまうことを知っていますか。

 次のexcel「顧客別売上表(5月)」の例で、やってみましょう。関東エリアの売上高の小計をセルC8(①)に、関西エリアの売上高の小計をセルC14(②)に、これらの合計をセルC15(③)に求めてみましょう。

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 ではまず、これら集計対象のセルを選択していきましょう。離れたセルを選択するには、[Ctrl]キーを押しながらクリックすると選択できます。セルC8(④)を選択し、[Ctrl]キーを押しながらセルC14をクリックします(⑤)。

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 これで、セルC8とセルC14が選択できました(⑥)。続けて、[Ctrl]キーを押しながらセルC15をクリックします(⑦)。

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 excel集計対象のセル(セルC8、セルC14、セルC15)をすべて選択できたので、[ホーム]タブ(⑧)→[オートSUM](合計)(⑨)をクリックします。

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 すると、セルC8に関東エリアの売上高の小計、セルC14に関西エリアの売上高の小計、セルC15にこれらの合計が表示されます(⑩)。

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❸離れたセルを合計する

 オートSUM機能を使うと、離れたセルの合計を求めることもできます。次の「売上報告書」の例で、F列の合計欄(①)に4月と5月の売上実績(セルC列とセルE列)(②)の合計を求めてみましょう。

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 まず、セルF4を選択した状態(③)で、[ホーム]タブ(④)→[オートSUM](⑤)をクリックします。

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 SUM関数の引数として、セル範囲B4:E4が自動的に選択されますが(⑥)、ここではセルC4の値とセルE4の値を合計したいので、セル範囲を指定し直します。

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 セルC4とセルE4を選択していきましょう。離れたセルを選択するには、[Ctrl]キーを押しながら選択すればよいので、まず、セルC4をクリックして選択(⑦)したあとで、[Ctrl]キーを押しながらセルE4をクリックします(⑧)。

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 [Enter]キーを押して数式を確定すると、セルF4には、セルC4とセルE4の値を足し合わせた値が表示されます(⑨)。

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もっと「オートSUM」を使ってみよう

 今回は、オートSUMの意外だけどちょっと便利な使い方を3つ紹介しました。オートSUMは、誰もが知っている初心者向けの機能ですが、今回解説したような使い方は、意外と知らなかったという人も多いのではないでしょうか。ぜひ一度、やってみてくださいね!


wordスタイルを利用した「改ページ」の自動挿入

2021-04-29 16:10:42 | word

wordスタイルを利用した「改ページ」の自動挿入

今回は、スタイルを使って「改ページ」を自動挿入する方法を紹介してみよう。また、似ているようで微妙に異なる「ページ区切り」と「改ページ」の違いについても触れておく。特に「見出し番号」を自動入力している場合は、両者の違いをよく把握しておく必要がある。

改行を連打した改ページの問題点

「見出し」をページの先頭に配置するときに、「改行」を連打してレイアウトを調整している方もいるだろう。特にWordの初心者は、このような方法でレイアウトを整えているケースが多く見受けられる。

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改行の連打による見た目上の改ページ

2~3ページ程度の短い文書であれば、このような直感的な操作で改ページを行っても構わない。しかし、10ページ以上にも及ぶ長い文書を作成するときは、「改行」の連打は避けるのが基本である。

というのも、後から文書を編集したときに本文の行数が変化してしまうと、そのつど「改行」の数を調整しなければならないからだ。たとえば、先ほどの文書の冒頭に本文を3行追加すると、以下の図のような結果になる。

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編集作業により行数が変化した場合

本文を3行追加したことにより3個の「改行」が次ページに送られてしまい、レイアウトが乱れてしまう。これを直すには手作業で「改行」を削除しなければならない。

こういった無駄な作業をなくすためには、「改ページ」を挿入する方法を覚えておかなければならない。なお、「改ページ」の編集記号を画面上で確認するには、「編集記号の表示/非表示」をクリックしてONにしておく必要がある。

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編集記号の表示/非表示

「ページ区切り」と「改ページ」の違い

「改ページ」の挿入は特に難しい操作ではないため、すでに操作手順を知っている方も多いだろう。ただし、Wordには2種類の「改ページ」が用意されていることに注意しなければならない。

1つ目の「改ページ」は「挿入」タブに用意されている「ページ区切り」だ。次ページに送りたい文字の先頭にカーソルを移動し、このコマンドをクリックすると、そこに「改ページが挿入され、以降の文字を次のページに配置することができる。

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「挿入」タブにある「ページ区切り」

今回の例では、word「新しいアウトラインの定義」を使って「見出し番号」を自動入力しているため、カーソルを移動する位置は上図のようになる。

※「見出し番号」の自動入力については、第28回の連載を参照してください。

「改ページ」を挿入すると、文書のレイアウトは以下の図のようになる。これで、「改ページ」より前の部分で本文の行数を変化させても、「第2章の見出し」は常にページの先頭に配置されるようになる。

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挿入された「改ページ」

続いては、もう一つの「改ページ」について解説していこう。こちらは「レイアウト」タブの「区切り」の中に用意されている。使い方は「ページ区切り」と同じで、次ページに送りたい文字の先頭にカーソルを移動し、「区切り」→「改ページ」を選択すればよい。

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「レイアウト」タブにある「改ページ」

すると、以下の図のような結果になる。「改ページ」が挿入され、以降の文字が次ページに送られることに変わりはないが、「改ページ」の編集記号が表示される位置が少し異なる閣下となる。さらに、次ページに送られた「第2章の見出し番号」が、勝手に「第3章」に変更されてしまうのが大きな問題といえる。

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挿入された「改ページ」

このような結果になってしまうのは、word「レイアウト」タブの「改ページ」が書式を引き継ぐ仕様になっていることが原因だ。つまり、「第2章の見出し」に適用していたスタイルが「改ページ」の部分にも引き継がれていることになる。その結果、「改ページ」の編集記号は「中央揃え」で配置されることになる。

さらに、どちらの段落にも「見出し」のスタイルが適用されており、それぞれが別の段落になるため、「見出し番号」の自動入力により、「改ページ」の段落が第2章、その次にある「今後のスケジュール」の段落は第3章になってしまう。これが、勝手に「見出し番号」が変更されてしまう原因となる。

このような問題を解消するには、「改ページ」の段落に「標準」のスタイルを適用して、本文と同じスタイルにしなければならない。これで「見出し番号」が変更されてしまう不具合を解消できる。

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「標準」スタイルの適用

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「標準」スタイルが適用された「改ページ」

このように、word「ページ区切り」と「改ページ」は、似ているようで少し異なるコマンドとなる。どちらも「以降の文字を次ページに送ってくれる機能」であることに変わりはないが、書式(スタイル)の引き継ぎが異なる点に気を付けなければならない。特に「見出し番号」を自動付加している場合は注意が必要だ。

見出しの前に「改ページ」を自動挿入

スタイルを使って「見出し」の書式を管理している場合は、「改ページ」を手作業で挿入するのではなく、「見出し」のスタイルに「改ページ」を含めてしまうのが効果的だ。こうすることで、先ほど示したような問題も自然と解消されるようになる。

※スタイルの使い方は、本連載の第19回を参照してください。

今回の例では、ページの先頭に配置する「見出し」を「01-大見出し」という名前で作成している。よって、このスタイルの書式を変更する。「01-大見出し」のスタイルを右クリックし、「変更」を選択する。

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「見出し」のスタイルの変更

「スタイルの変更」が表示されるので、「書式」ボタンから「段落」を選択し、「段落」ダイアログを呼び出す。

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「段落」ダイアログの呼び出し

「段落」ダイアログが表示されたら、「改ページと改行」タブを選択し、「段落前で改ページする」のチェックボックスをONにする。

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「段落前で改ページする」の指定

あとは「OK」ボタンをクリックしてダイアログを閉じていくだけだ。これで「01-大見出し」のスタイルに「改ページ」を含めることが可能となる。つまり、自分で「改ページ」を挿入しなくても、「見出し」が自動的にページの先頭に配置されるようになる。

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自動的に改ページされた見出し

この場合、画面に「改ページ」の編集記号は表示されない。よって、この機能を知らない人が文書を編集しようとすると、「どうやって改ページしているのだろう?」という疑問を抱くことになる。


「段落」ダイアログでも改ページできることを知らなければ、「どうやっても削除できない改ページが存在する・・・」という状態に陥ってしまう。1つの文書を共同編集するときは、こういった点にも留意しておく必要があるだろう。


今回の連載では、「見出し」のスタイルに「改ページ」を含める方法を紹介したが、ほかにも追加しておくと便利な書式がいくつかある。そこで次回は、「見出し」の配置を自動調整してくれる書式について紹介していこう。


word見出しの配置を自動調整するテクニック

2021-04-29 15:05:48 | word

word見出しの配置を自動調整するテクニック

スタイルを使って文書を管理している場合は、フォントや文字サイズなどの書式だけでなく、今回の連載で紹介する書式もスタイルに登録しておくと、文書を編集する際に無駄な作業を行わなくて済むようになる。些細な話ではあるが、意外と作業効率に関わる問題なので、この機会に覚えておくとよいだろう。

word改行による間隔調整の問題点

「見出し」の前に適当な間隔を設けるために、「改行」を挿入してレイアウトを調整している方もいるだろう。たとえば、以下に示した文書では、「改行」を2つ挿入することで「中見出し」の前の間隔を調整している。

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word改行による間隔の調整

このような調整方法は、ときに小さな問題を引き起こす可能性がある。それは、直前の本文がちょうどページの末尾で終わった場合に、余計な改行が挿入されてしまうことだ。たとえば、以下の図のような配置になった場合、「2.4節の見出し」の前に余計な空白(2つの改行)が挿入されてしまうことになる。

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改行の挿入により生じる問題点

このような問題が編集中のページ内で発生したのであれば、すぐに気付いて「改行」を削除することも可能であろう。しかし、この問題は必ずしも編集中のページ内で発生するとは限らない。

いちど文書を作成した後で、前のページに戻って本文を追加したり、削除したりする場合もあるだろう。このとき、行数が増減したことにより、後のページで問題が発生する可能性もある。これを解消するには、以降のページで「余計な改行が挿入されていないか?」をいちいちチェックしていかなければならない。

さらには、「余計な改行」を削除した後に本文を再び修正すると、今度は「削除した改行」を復活させる必要がある・・・、という事態に陥ってしまう可能性もある。このような作業はムダ以外の何物でもない。そこで「段落前」の書式を使って間隔を自動調整する方法を覚えておくとよい。

見出しの前の間隔を自動調整

ここでは、「中見出し」の前に2行分の間隔を確保する場合を例に、具体的な操作手順を紹介していこう。今回の例では「02-中見出し」という名前でスタイルを作成しているので、このスタイルを右クリックして「変更」を選択する。

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「word見出し」のスタイルの変更

「スタイルの変更」が表示されるので、「書式」ボタンから「段落」を選択し、「段落」ダイアログを呼び出す。続いて、「インデントと行間隔」タブにある「段落前」の項目を2行に変更する。これで「見出し」の前に2行分の間隔を自動的に確保することが可能となる。

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「段落前」の指定

「OK」ボタンをクリックしてダイアログを閉じていくと、設定変更が完了する。この時点で、間隔調整用に挿入していた「改行」は削除しておくとよい。「改行」を挿入しなくても、「中見出し」の前に2行分の間隔を確保できることを確認できるはずだ。

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自動調整された「段落前」の間隔

「段落前」の書式の便利なところは、ページの先頭に配置されたときだけ「段落前の間隔」がゼロになることである。このため、本文の修正により「見出し」の位置が変化しても、常に最適なレイアウトを保つことが可能となる。

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「見出し」がページの先頭にきた場合

「改行」の挿入により間隔を確保していたときのように、無駄な調整作業が発生することはない。そのぶん、文章の作成に集中できるようになる、といえるだろう。

「見出し」がページの末尾に配置されるのを防ぐ

何ページにも及ぶ長い文書では、「見出しの前の間隔」のほかにも、さまざまな問題が発生する。その一例が「見出し」だけが前ページに取り残されてしまう、印刷用語で「首吊り」と呼ばれる状態だ。

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「見出し」と「本文」が別ページに配置された例

こちらも文書の作成時であれば、すぐに気付く問題といえる。しかし、本文の修正により行数が変化した結果、運の悪いことに何ページも後で上図のような配置になってしまうケースもある。この場合、問題の発生に気付かずに見逃してしまう恐れもある。

このようなミスを防ぐには、「次の段落と分離しない」の書式を指定しておくのが効果的だ。こちらも「見出し」のスタイルに登録しておくとよいだろう。「見出し」のスタイルを右クリックして「変更」を選択する。

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「見出し」のスタイルの変更


「スタイルの変更」が表示されたら「書式」ボタンから「段落」を選択し、「段落」ダイアログを呼び出す。続いて、「改ページと改行」タブにある「次の段落と分離しない」のチェックボックスをONにする。

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「次の段落と分離しない」の指定

これで「見出し」だけが前ページに取り残される状態を回避できるようになる。もしも「見出し」がページの末尾に配置されるレイアウトになったときは、その「見出し」ごと次ページに送る処理が自動的に行われる。

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自動的に次ページへ送られた「見出し」

よって、先ほど示したような問題は発生しなくなる。こちらも便利に活用できる機能なので、その仕組みをよく理解しておくとよいだろう。

「1行残し」は格好悪い!?

最後に、もうひとつ「見出し」の配置に関連する問題を紹介しておこう。それは、ページの末尾に1行だけ本文が配置されてしまう状態だ。

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「1行残し」の配置

このような状態は、決して格好のよいレイアウトとはいえない。絶対にダメという訳ではなく、趣味の問題になるが、改善するための対策法を紹介しておこう。

この対策には、「改ページ時1行残して段落を区切らない」という書式が活用できる。ただし、この書式は「見出し」ではなく、「本文」の段落に指定しなければならない。よって、「標準」のスタイルを右クリックし、「変更」を選択する。

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「標準」のスタイルの変更

「スタイルの変更」が表示されたら「書式」ボタンから「段落」を選択し、「段落」ダイアログを呼び出す。続いて、「改ページと改行」タブにある「改ページ時1行残して段落を区切らない」のチェックボックスをONにする。

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「改ページ時1行残して段落を区切らない」の指定

これで、ページの末尾に本文が1行だけ配置される状態を回避できるようになる。もしも、そのようなレイアウトになったときは、段落全体を自動的に次ページに送る仕組みになっている。すると、「見出し」だけが前ページに取り残されることになるので、結果的には「見出し」ごと次ページに送られることになる。

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自動調整されたレイアウト

今回の連載で紹介した書式のように、「段落」ダイアログには「あまり知られていないが、使い方を覚えておくと便利」という書式がいくつかある。些細な問題かもしれないが、作業効率に影響を与えるものなので、この機会に活用方法を学んでおくとよいだろう。


wordPDFの作成とオプション設定

2021-04-28 17:18:32 | wordPDF

wordPDFの作成とオプション設定

これまで、本連載ではWordの知識について色々と紹介してきたが、最後に、Word文書をPDFに変換する方法について詳しく解説しておこう。多くの方にとって、PDFの作成は「必須の機能」といえるので、よく使い方を覚えておく必要がある。

PDFの作成手順

Wordはビジネスに必須のアプリケーションとなっているため、「Word文書を閲覧できるのは当たり前」といっても過言ではないかもしれない。しかし、状況によっては「Word形式の文書では困る・・・」という場合もある。

たとえば、スマートフォンやタブレットでWord文書を閲覧するには、「Office Mobile」や閲覧用のアプリなどが必要になる。Webで文書を配布するときも、Word形式がベストな選択になるとは限らない。このような場合に備えて、Word文書をPDFに変換する方法を覚えておくとよい。

まずは、「Word文書」を「PDF」に変換するときの操作手順から解説していこう。といっても、この操作は特に難しいものではない。以下の手順で操作を進めていくだけで、誰でも簡単にPDFを作成することが可能だ。

(1)PDF化するWord文書を開き、word「ファイル」タブを選択する。

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「ファイル」タブの選択

(2)「名前を付けて保存」を選択し、保存先を指定する。

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名前と付けて保存

(3)文書をファイルに保存するためのダイアログが表示されるので、「ファイルの種類」を「PDF」に変更する。

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ファイルの種類の指定

(4)「PDF」を選択すると、word「最適化」という設定項目が表示される。ここでは、以下に示した基準で「標準」または「最小サイズ」を選択すればよい。

  標準・・・・・・文書内に配置した「画像の品質」を優先したい場合

  最小サイズ・・・PDFの「ファイル容量」をなるべく小さくしたい場合

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最適化の指定

(5)保存先フォルダーとファイル名を確認し、word「保存」ボタンをクリックする。

(6)Adobe Acrobat Readerなどのアプリ(PDFビューワー)が起動し、PDF化された文書が表示される。文書の内容をひととおり確認できたら、このアプリを終了する。

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PDFに変換された文書

(7)保存先に指定したフォルダーを開くと、PDFファイルが作成されているのを確認できる。

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PDFファイルの確認

以上が、「Word文書」を「PDF」に変換するときの基本的な操作手順となる。なお、ここでは「PDFに変換」と表現しているが、この作業により元のWord文書が削除される訳ではない。厳密には、「Word文書」をもとに「新しいPDF」を作成する、という作業になる。初心者の方は勘違いしないように注意していただきたい。

PDF作成時のオプション設定

このように、PDFの作成そのものは簡単な操作で実現できる。すでに利用した経験がある方も沢山いるだろう。

ただし、「カスタマイズした形でPDFを作成したい」となると、PDFのオプションに関する知識が求められる。まずは、オプション画面を開く方法から紹介していこう。PDFとして保存する際に「オプション」ボタンをクリックすると、以下のようなオプション画面が表示される。

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オプション設定画面の呼び出し


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PDFのオプション設定

ここで各種設定を変更してからPDFを作成することも可能だ。それぞれの設定項目について詳しく解説していこう。

 

文書全体ではなく、一部のページだけをPDF化したい場合は、あらかじめ「ページ範囲」のオプションを指定しておく必要がある。たとえば、文書の3~8ページ目だけを抜き出してPDF化するときは、以下の図のように設定を変更してからPDFの保存を実行する。

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ページ範囲の指定

何ページに及ぶ長い文書では、「しおり」を付加しておくのも効果的だ。この場合は、「次を使用してブックマークを作成」をONにし、「見出し」を選択する。すると、使い勝手のよいPDFを作成できる。

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ブックマーク(しおり)の作成

PDFの「しおり」機能は、PDFを閲覧するときに目次代わりに活用できるものだ。Adobe Acrobat ReaderでPDFを閲覧する場合、以下の図に示したアイコンをクリックすると「しおり」が一覧表示され、目的のページへ即座に移動できるようになる。

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「しおり」を使ったページ移動

ただし、この機能を利用するには、見出しの段落に「アウトライン レベル」を指定しておく必要がある。アウトライン レベルについては、本連載の第25回で詳しく解説しているので、よくわからない方はあわせて参照しておくとよいだろう。

PDFを作成するときは、一緒に保存される情報にも注意しなければならない。通常の方法でWord文書からPDFを作成すると、作成者などの情報も記録されてしまう。これらの情報は、Adobe Acrobat Readerで「ファイル」-「プロパティ」を選択すると確認できる。

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PDFのプロパティ

会社の文書としてWebに公開する場合など、こういった個人名の情報が残っていると困る場合もあるだろう。このような場合は「ドキュメントのプロパティ」をOFFにしてからPDFを作成すると、関連情報を削除したPDFを作成できる。

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情報を残さない場合の設定

そのほか、PDFのオプションには、以下のような設定項目も用意されている。これらは必要に応じてチェックのON/OFFを切り替えるとよい。

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PDFのオプション

PDF/A準拠

この項目をONにすると、文書の長期保存を目的としたPDF(PDF/Aに準拠したPDF)が作成される。すべてのフォントを埋め込む形でPDFを作成したいときも、この項目をONにするとよい。ただし、「透明処理を施した画像が正しく表示されない」などの不具合が生じる可能性があることに注意しなければならい。


PDFに埋め込まれているフォントは、Adobe Acrobat Readerで「ファイル」-「プロパティ」を選択し、「フォント」タブを選択すると確認できる。「埋め込みサブセット」と表示されているフォントは、PDFに埋め込まれているフォントとなるため、フォントの有無にかかわらず正しい字体が再現される。一方、「埋め込みサブセット」と表示されていないフォントは、他のフォントに置き換えられて表示される恐れがある。

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埋め込まれているフォントの確認

画質に対応した最適化

この項目をONにすると、「標準」よりもさらに高い画質で画像を保存することが可能となる。そのぶん、PDFのファイル容量も大きくなる。印刷所にデータを渡して印刷する場合など、「ファイル容量」よりも「画質」を重視する場合にチェックするとよい。

フォントの埋め込みが不可能な場合はテキストをビットマップに変換する

PDFにフォントを埋め込めない場合の代替処置として、文字の字形をビットマップに変換して記録する。なお、「PDF/A準拠」をONにすると、この設定項目は選択不可になる。

ドキュメントをパスワードで暗号化する

パスワードを知っている人だけがPDFを閲覧できるようにするオプション設定。この項目をONにしてから「保存」ボタンをクリックすると、パスワードを指定する画面が表示される。

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パスワードの指定画面


この画面に入力した文字列が、PDFの閲覧に必要なパスワードとなる。6~32文字の範囲内で好きな文字列をパスワードとして指定すればよい。ただし、ここで指定したパスワードを忘れてしまうとPDFを開けなくなることに注意すること。


このようにWordには、PDF作成に関するいくつかのオプションも用意されている。PDFを積極的に活用していきたい方は、これらのオプション内容についても、いちど確認しておく必要があるだろう。