Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

THE ICE 大阪公演(7/28・昼の部)その1

2018-07-29 14:32:04 | バレエ・演劇


7月28日、大阪へTHE ICEを見に行ってきました。台風12号がじわじわと日本に迫ってくる中だったので、大阪へ行けるのか、行ったら行ったで帰ってこれるのか、直前で公演中止になったらどうしよう、とハラハラドキドキしましたが、どうにかこうにか無事に大阪に着き、公演を見て、その日のうちに島に帰ってくることができました。ふぅ。万が一を考えて、予定より早めのバスで帰ろうとして、帰り道がものすごく慌ただしくなってしまいましたが。今日(7/29)は台風が瀬戸内海の真上に来て、フェリーは朝から全便欠航、新聞も来ておらず、本当に昨日にしといてよかったなーと思います。チケットを取ってすぐの頃は、初日より2日目の方がこなれてて良かったかも?なんて思ってたのに。

THE ICEは去年まで浅田真央さんが座長として、ジェフリー・バトルと一緒に続けてきたショーですが、今年から若手の現役スケーターたちを中心にしたショーに、新たに生まれ変わったそうです。こうなると、真央さんが座長だった頃、見に行こうかどうか迷っては、「また次の機会でいいや」と保留にしていたのが悔やまれます。まあ、完全に取り返しのつかないことではないのですが。真央さんは今も元気で、自身のショーに出演されているのだから。

それでは、ショーの感想です。奮発してアリーナ席のチケットを取ったものの、さてどんな席かと思って会場に入ったら、予想以上にリンクが近くて、嬉しいを通り越して「私なぞがこんな良い席に座っていいのかしら」と、腰が引けてしまいました。ま、結局は座るんですけど。

しかし席が近すぎたせいで、始まる前は緊張してしまい、昼食として買って来たサンドイッチを食べるのにひと苦労でした。食べる場所を探すのにもひと苦労。オリジナルグッズのTシャツとプログラムを買うのにもひと苦労。そしてトイレの行列に並ぶのにもひと苦労。。。

そして開演。

ショーは「グレイテスト・ショーマン」のオープニングナンバーで幕を開けました。赤いジャケット、シルクハットを目深にかぶった無良君を中心に、出演スケーターが続々登場。きゃー無良君かっこいい!こっち向いてー!…なんて思っていたのもつかの間、目の前で韃靼人の衣装を着たネイサンが踊るのを見た瞬間、私の目は私の体から離れ、この不思議な時間に…ってネタが古すぎるわ!ウルトラQなんてアンダー40には絶対わからんわ!などという冗談はさておき、至近距離で踊るネイサンの衝撃が強すぎて、せっかくのオープニングナンバーは記憶があやふやです。三原舞依さんと坂本花織さんの衣装がかわいかったのと、ドミトリー・アリエフ君が私の大好きな仮面舞踏会の衣装を着てるのが嬉しかったのを覚えているくらいです。しかし本当にネイサンはダンスが上手い。フィギュアスケートはダンスが上手ければ勝てる競技ではないけど、彼のダンススキルはもっと評価されてほしいなーといつも思います。

「グレイテスト・ショーマン」はプリンス・アイス・ワールドとか他のアイスショーでもよく使われる人気のナンバーですが、今見るとどうしてもつい最近カザフスタンで行われたデニス・テン君のショーを思い出してしまいます。あの時、シルクハットに赤いジャケットで中心にいたのはテン君でした。人気のナンバーなので、THE ICEは追悼の意味を込めてこの曲にしたわけではないのでしょうが、重なるものがあって切なく感じました。

オープニングナンバーの次は、かわいらしい小学生スケーター、佐藤光選手が登場。長光歌子コーチに指導を受けているそうです。てことは田中刑事選手や高橋大輔選手と一緒に練習することもあるのかな?彼らのような表現力豊かなスケーターに成長して欲しいですね。(←優等生的な平凡な感想だと自分でも思う…)

お次はマライア・ベル。生で見るのは初めてでしたが、同門で恋人のロマン・ポンサール選手のインスタでよく見かけるので、なんとなく馴染みがあります。テレビや写真で見てもかわいかったけど、生で見るとかわいい+美しい+かっこいい、でした。星条旗をイメージした衣装で、今季のショートを披露してくれましたが、まだこなれてないせいかおっとっとな場面も多少あり。でも目の前で豪快なジャンプを跳んでくれたのは、さすがレイクウッドだなという感じです。彼女だけでなく、現役選手はみんな今季のショートやフリーを見せてくれましたが、まだ調整中なのかリンクの状態が悪いのか、一部の選手を除いて結構ミスがありました。まあ、本番で結果出してくれればいいんだしね。つかシーズン終盤まで試行錯誤して、大舞台でやっと完成させる人もいるし。3月の世界選手権で優勝した男子シングルの人みたいにね。

マライアの次は…なんとボーヤン・ジン選手!え、もう出ちゃうの!?と驚きましたが、ソロだけじゃなくコラボとかいろいろ出番があるから、ペース配分を考えたら早めの出番になったんでしょうかね。ボーヤンも今季のショートを披露。曲は"While My Guitar Gentily Weeps"です。オリジナルはジョージ・ハリスン作曲のビートルズの曲ですが、カバーバージョンでした。なのでイントロを聞いてすぐはこの曲だとわからなかった…ビートルズファンとしてはオリジナルを使ってほしかったけど、オリジナルだと太陽にほえろ!のテーマと勘違いする人が出そうだから仕方ないのかな(んなわけない)。ボーヤンの今季ショートは、シンプルだけどかっこいい衣装で、ジャンプは本番仕様じゃないだろうから置いとくとして、スピンもステップも何から何までかっこよくて、普段はかわいい孫を愛でる気分で見ている私でも「やだ、ボーヤン、かっこいい…!!」と赤面するようなプログラムでした。特に、シンプルなのにかっこいい衣装…!シンプルなのにかっこいい衣装…!油断するとマンションの1階のコンビニに行く時みたいな衣装でしれっと滑る(しかもその格好で優勝する)某チャンピオンには是非見習ってほしいです。

ボーヤンは手足が長い分ひょろっとして線が細いイメージでしたが、間近で見るとさすがアスリート、がっちりした骨格をしてました。今季はクリケットに移籍すると言われてましたがそうはならなかったみたいで、いろいろ振り回されて気の毒な気もしますが、頑張ってほしいです。

ボーヤンの次は本田真凜選手。関大FSCからネイサンやマライアのいるレイクウッドに移籍して、兄の太一選手とともにラファエル・アルトゥニアンコーチの指導を受けています。芸能事務所のオスカーからIMGに移籍したそうで、まさに心機一転。昨季はメディアの露出が多い割には結果が出なくて(シニア一年目にはよくあることなのに)、ヤフコメやSNSで異常に叩かれていたのはかわいそうでした。トリノの時とかソルトレークの時とか、いやそれよりももっと前からの日本女子フィギュア界あるあるといえば簡単ですが、こういうのそろそろ終わりにしてもらえないですかねぇ。真凜選手が滑ったのは今季のショート。シェイ=リーン・ボーンの振り付けです。余談ですが、ヘレナ・ボナム=カーター同様、どこに「・」を入れてどこに「=」を入れればいいのか毎回迷います。余談終了。ジャンプのミスがありましたが、終盤のステップがシェイらしい激しい振付だったので、見ているこちらも体力を消耗しました。嘘です。今はまだ粗削りでも、面白いプログラムになることは間違いないし、これから完成度を高めていくだろうから、期待しています。この日、私の周りの席には彼女の演技に冷ややかな反応の人がいましたが、私は彼女の演技が好きなので、環境が変わって大変だと思うけど、頑張ってほしいです。

続いてはラーメン大好き友野一希選手。映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の曲にのせて、今季のショートを滑ってくれました。振り付けはミーシャ・ジーだそうで、繊細で美しい動きにうっとり。こりゃ年末の全日本では表彰台に乗るかもしれないな…と思いつつスタンディングオベーションしてたら、斜め前方の人が、ラーメンのイラストがプリントされたバナーを振ってました。どうやって作ったんだろう、あれ…。他にも手描きじゃなくて文字やイラストがプリントされたバナーを持ってる人が結構いましたけど、あれってどうやって作るんでしょうかね?業者に頼んだら作ってもらえるのかな?

友野君の次はフランスのペア、ヴァネッサ・ジェイムズ&モルガン・シプレ。私の家はBSやCSを入れてなくて、テレビでペアやアイスダンスの演技を見る機会がとても少ないので、アイスショーで見るのをとても楽しみにしています。この日も、豪快でアクロバティックな演技を見せてくれて、会場からは何度も「おぉーっ」という歓声があがりました。それにしてもマイケル・ジャクソンの"Black&White"は彼らのためにあるような曲ですね。ヴァネッサの彫刻のように美しい、鍛え上げられた肉体を見てため息がもれました。私ももう少し頑張らねば…とりあえず今は暑すぎるから秋になったら…。

はい、続いて登場したのはジーマことドミトリー・アリエフ選手です。インスタではネイサンとはしゃくお茶目な顔を見せてくれてますが、氷上ではとてもノーブルでエレガントで、あとそれからミステリアスとかうーん(ボキャ貧なので思いつかない)…とにかくドキドキするような素敵な演技を見せてくれる選手です。今回もドキドキしました。一番ドキドキしたのは冒頭、スポットライトが当たって見えた背中がえんじ色だったので、もしや昨季ショートの仮面舞踏会を滑るの!?と思った時でした。えんじ色好きなのかな、ジーマ。髪の色ともあってるけどね。昨季はシニア一年目だったせいかムラもあったけど、今季はジャンプをきっちり揃えてショートで100点超えをしてほしいです。

若手のジーマからベテランの長洲未来選手へ。それまで滑ってたシングル選手と違い、見せるために完成された演技を披露してくれました。お得意のスパイラルとか、演技の大半が私の席からは遠くて見えにくかったのが残念でしたが、近くで跳んでくれた力強いジャンプを見たら、また競技会に出てほしいな、と思いました。

ベテランの未来ちゃんから更にベテラン(のはず)の織田信成君へバトンタッチ。80年代ディスコナンバーでぶいぶい言わせた後、西城秀樹「ヤングマン」の原曲「YMCA」で会場を更に盛り上げます。盛り上げますが、ジェネレーションギャップのせいか、YMCAの振り付けをしてくれる人はあまりいませんでした…両隣の人に迷惑かと思ってやらなかったけど、私もやればよかったかな。ハードスケジュールのせいか、織田君、演技後半はバテてました。監督、頑張ってー!!

織田君の次はカナダのガブリエル・デールマン選手。クリケットからの出演は彼女だけ、ってことになるのかな。今季のショートで、曲はセリーヌ・ディオンの"To Love You More"です。ドラマチックな曲調が彼女にぴったりでした。ケイトリン・オズモンド選手もそうですが、カナダ女子のジャンプは幅も高さもすごくて、見ていて気持ちいです。この日はリンクのせいかちょっと不調でしたが、競技会で完成形を見るのが楽しみです。

第1部も終わりに差し掛かり、2度目のグループナンバーに。ネイサンは黒のかっこいい衣装で登場です。思わず「久しぶりに衣装らしい衣装着てるのを見た…」とつぶやいてしまいました(韃靼人は昨々季の衣装なのでカウントしない)。私は遠くて見えなかったのですが、ネイサンは三原さんとペアを組んでの演技だったので、すごくニヤニヤしながら滑っていたそうです。おい…。最後の決めポーズも、遠目で見ても見事なまでに距離感ナシ男になってセクハラかましていたので、「こりゃ放課後に体育館裏に呼び出してカレン番長に〆てもらわなあかんな…」と真っ黒な気分になりました。つかネイサン、お前は結局どっちなんだ!?三原さんなのか?ザギーなのか?それとも昌磨なのか???三原さんも遠慮せずに奴の鳩尾をえぐりこむように打つべし打つべしとか裏拳かましてやるとか、坂本さんに間に飛び込んでもらうとかすればいいのにね。罰としてマサルの世話を一週間させるとか(罰になってない)。

物議をかもすセクハラ疑惑の後ですが、デニス・テン選手を追悼するグループ・ナンバーで第1部は終わりました。ゆかりのスケーターたちが、テン選手の昨季のショート"Tu Sei"を滑ります。会場のスクリーンには、テン君がTHE ICEに出演した時の映像が流れました。亡くなったテン君を偲ぶ彼らの演技に、スケーター同士のつながりの深さを感じました。

ここで第1部は終了。客電がついた途端に観客の多くはトイレに殺到、現実に戻りました。

長くなったのでここで一旦切ります。待て!次号!!



会場で買ったプログラムとTシャツ。黒いバッグはプログラムが入れてあったものです。Tシャツの背中には出演スケーターの名前が入ってます。



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