Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

THE ICE2019 大阪公演

2019-07-31 16:25:13 | バレエ・演劇

今年も大阪までTHE ICEを見に行きました。
今年も去年と同様、直前に台風が迫ってきたので行けるかどうか焦りましたが、台風の進路が大阪からずれてくれたおかげで、無事に行くことが出来ました。ふうやれやれ。でもそのかわり、私が見に行った日(7/28)はものすごく日差しが強くて暑くて、会場に着く前に体が蒸発してしまうんじゃないかと思いました。日本の猛暑に慣れてない海外のスケーターは大変でしょうねぇ。



会場入り口。電車が混雑するのを避けて早めに着いたので、まだ人はいません。炎天下の中で開場を待たなくても、横にあるスペースで日差しをよけつつ待てるのが救いでした。

11時になり、開場。物販に行く前に大きい荷物を置いていこうと座席を捜したのですが、今年も勇気を出してチケット代を奮発したおかげで、前の方の席をGETできてました。しかもジャッジ側。ショートサイドよりのロングサイド(ややこしい)ではありましたが、人生初のジャッジ側だったので、この時点で心はもう天に召されそうなくらいに舞い上がりました。何か徳を積んだ覚えはないけれど、生きてるといいことってあるんですねぇ。

で、始まる前にプログラムとTシャツを買っておこうと物販に行ったのですが、これがトイレの列とまごうほどの長蛇の列で、なかなか買えませんでした。しかも前日の公演レポにあった、石川テレビの石川さんグッズは完売していて手に入らず。。。せっかくだから買おうと思ってたのに。悔しい。

まあそんなこんなで開演前から気持ちのアップダウンはあったのですが、ショーは素晴らしかったです。出演スケーターの顔ぶれを見ると、プロスケーターがいなかったり日本の男子選手が宇野昌磨だけだったり、海外の女子シングル選手がザギトワだけだったり、出演予定だった人が直前に怪我や病気で出られなくなったりとまあなんかそううまくことは進まないんだなという気もしましたが。競技会にしろショーにしろ、無理をおして出演しても後々大変だというのは重々承知しているので、致し方ありません。

さて、各出演スケーターの演技についての感想ですが、去年の感想を読んだらやたら長くて、書いた本人も読み返すのがつらかったので、今回はざっくり行きます。

オープニングナンバーはクイーンの"Don't stop me now"でした。映画がヒットしたからクイーン使うだろうなとは思ってましたが、この曲を聞くと町田君を思い出しますね。しかしエアギターやってる人は見かけませんでした。衣装が謎の80年代風だったのは、曲がヒットした時代に合わせたのかしら。

オープニングナンバーの次は、本田姉妹の末っ子の紗来ちゃん。まだ12歳なのに、おそろしいほどスケーティングが上手で、目の前を滑っていくのを見て思わず「…速い!」と唸ってしまいました。隣の席の人、すいません。これから背が伸びたりして体型の変化に悩むことになるでしょうが、頑張ってほしいです。

お次はジュニアの世界チャンピオン、樋渡知樹くん。衣装を見て「あ、これはルパンをやるな」と思ったらやっぱりルパンでした。これは競技プロじゃなくてEXプロだそうですが、NHK杯のEXでもこれが見られるかなと思うと楽しみです。彼の十八番のバレエジャンプを、正面じゃないけど近い距離で見られたのもすごく嬉しかったです。今季からシニア。頑張って!

次は本田姉妹から望結ちゃん。望結ちゃんは当初の予定では出ないはずだったので、諸事情により急遽の出演だったんでしょうね。競技プロじゃなくてEXプロでした。スケートよりもダンスのパートが多かったので、ちょっと物足りない気もしましたが、至近距離で見た望結ちゃんは超絶かわいかったのでこれでイーブンです(スケートファンにあるまじき発言)。

望結ちゃんの次はアイスダンス日本代表、小松原美里&ティム・コレト。映画「君の名は」の曲を使ったEXナンバーでした。この日は美里さんのお誕生日だったので、演技後にティムさんから花束贈呈&客席からハッピーバースデーを合唱でお祝いをしました。

ネイサンのチームメイト、マライア・ベルは今季のショートを初披露。昨季のショートに比べるとインパクトが弱いかなという気もしましたが、もしかするとそれは衣装がモノトーンで体にフィットしたデザインだったからかもしれない…お願い、マライアちゃんまでネイサンみたいな衣装を着ないでー!誰かアダム(・リッポン)を呼んでー!

マライアちゃんの次は、これまたネイサンのチームメイトでマライアちゃんの彼氏、フランス代表ポンさんことロマン・ポンサール。今季のショートのフラメンコを、渋く、かっこよく、かっこよく、も一度念押しでかっこよく披露してくれました。でも衣装はスケスケ。スケスケ衣装はフランス男子の伝統なんでしょうか。ポンさんの衣装がこれ以上ジュベール化しないことを祈ります。

マライアちゃん、ポンさんと来て、お次はチームラファから本田真凜ちゃんが、今季の新フリーのララランドを滑りました。私は真凜ちゃんのモンペなので、演技が始まってすぐからもう「頑張って!」とテレパシーを送っていたのですが、それが強すぎたためか最初のジャンプは転倒…思わず「あぁっ」と声を出してしまいました。隣の席の人、すいません(二度目)。でもその後は、難しい入り方のジャンプを成功(私の目の前で)させたり、終盤のステップで客席に手を振るサービスをしてくれたり、しっかり魅了してくれました。日本女子は層が厚くて大変だろうけど、北京五輪目指して頑張って欲しいです。

真凜ちゃんの次はボーヤン。私の隣に座っていたカップルはボーヤンのファンらしく、「天天」と書いたA3サイズの紙を用意していました。うん、A3サイズくらいならいいよね…去年は隣の人がどでかい国旗&バナーを掲げるたびに視界を遮られまくったよ…。ボーヤンの新しいショートは、彼のしなやかさを活かした素敵なプログラムでした。目の前で跳んでくれた四回転のすごかったこと!金色のブレードが輝きながら回転する様が、目に焼きつきました。

ボーヤンが終わると、第1部も終わりが近づいてきました。第1部の最後は、ネイサン&マライアちゃん&ポンさんの3人で、ネイサン振付によるグループナンバーでした。曲はクイーンの"Killer Queen"と"Another One Bites the Dust(地獄へ道連れ)"でした。クイーンを知らなくてもこの曲は知ってる、みたいな曲じゃなくて、ダンサブルな曲を選ぶのがネイサンらしいというか。個人的には"Show Must Go On"で滑るネイサンを見たかったのですが、ちょっと重すぎますね。だいぶ前から、ネイサンがグループナンバーを振り付けるという情報は流れていたのですが、てっきり昌磨やボーヤンとすべるナンバーだと思っていたので、チームラファの3人で滑ると聞いて最初はちょっとがっかりしました。でもまあ3人がノリノリで滑ってるのは楽しめました。

第1部の最後はフィナーレに踊るダンスレッスンのコーナー。今年の振り付けは昌磨でした。ゲームをしたりクリムキンイーグルをしたり、昌磨が彼の日常&スケートでよく見せるしぐさを集めたダンスで、会場中にどっと笑いが起きました。去年はマサルダンス、今年は昌磨の謎ダンス。来年はどうなるの?

第1部が終わって第2部が始まる前に、お手洗いに行ったら案の定長蛇の列で、第2部の開演時間になっても列はなくならず、予定より始まるのが少し遅くなりました。観劇あるあるですねぇ。アイスショーは会場が冷えててトイレが近くなりやすいので、行かずに我慢するのも危険ですし。

第2部はダンスバトルから始まりました。去年はジャンプバトルでしたが、今年はダンスバトル。勝敗の基準は観客からの拍手ですが、最終的には審判長の昌磨の判断で決まる…と聞いただけで大丈夫か?と誰でも不安になるところですが、さて。この日の対戦はアイスダンスのガブリエラ・パパダキス嬢と、ヴィンスことヴィンセント・ジョウ。タイガーマスク姿のパパダキス嬢VSスパイダーマンマスクとセーラー服姿のヴィンス(しかもスカートの下はピンクのラメラメパンツとヒョウ柄スパッツ)のバトルは、おそらくフィギュアスケートの歴史に残る対決でした…ある意味。バトルの後、勝者がどちらなのかを決めるのは昌磨の役目…なのですが、予想通り本人の判断では決めかねて、副審の真凜ちゃんに助けを求めて、司会のDJからダメ出しを食らってました。さすが昌磨。最終的に勝利はヴィンスの手に渡りましたが、次のバトルでヴィンスがどんな仮装をするのか今から心配です。頑張るのよ、ヴィンス!あなたがどんな仮装をしても私たちファンはついていくわ!!

ダンスバトルが激しすぎて、ショーの方向性が見えなくなってしまったところで、ミハイル・コリャダくん登場。昨季のショートの衣装を着ていましたが、滑ったのは今季のフリープロでした。昨季のコリャダくんはジャンプが安定しなくて成績が伸びなかったのですが、それ以外はどれをとっても完璧に美しいので、大好きです。この日披露してくれた新プロでも、力強いスケーティングと、見ていると胸がしめつけられるような美しいスピンにうっとり…しているときの私の顔はおそらく超気持ち悪かったと思うので、誰も見てなかったことを祈ります、はい。ジャンプが決まれば、世界王者になる可能性は十二分にあると思うので、頑張って欲しいです。あと結婚おめでとう!

気持ち悪い顔でうっとりしたところで、次は全日本女王、坂本花織の登場です。演じるのは今季のフリー、曲は映画「マトリックス」から。マトリックスといえばジュベールの謎衣装ですが、坂本さんの衣装は体にフィットした真っ黒な衣装で、スケスケではありませんでした。ああよかった。豪快なジャンプ、力強いスケーティングに終盤のコレオは超かっこよくて、昨季の「ピアノレッスン」とは違う顔を見せてくれました。これは今年も楽しみです。

坂本さんの次はヴィンス。さっきまでセーラー服着て、スカートの裾をめくってパンツを見せてた人とは思えない、しっとりしてかっこいい演技を披露してくれました。いや、競技プロがダンスバトルと同じノリだったら困るけど。演技の後、DJが「ホントはこんな人なんです」と言って会場の笑いを誘ってましたが、彼はこれから高槻でスケートの技術を磨くうちに、ダンスバトルで見せた才能も磨くのかもしれません。なんせ関大スケート部の監督は織田君なのだから…ふふふ。

ヴィンスの次は紀平梨花さん。今季のフリーを滑ってくれました。ジャンプが注目されがちな彼女ですが、つなぎやステップの動きが音楽に合っていて美しいと思いました。紀平さんの演技は数回見たことがあったのですが、この日の演技が今までで一番良かったです。席が良かったせいもあるのかな?今季は試合で四回転も飛ぶそうなので、完成したらどんな得点をはじき出すのやら。楽しみなような、恐ろしいような。

お次は、パパシゼことガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンがEXプロを披露。アイスダンスの世界チャンピオンです。さっきダンスバトルでタイガーマスクかぶってましたけど、世界チャンピオンです。テレビで見たことあるプロだったので、新鮮味はありませんでしたが、「うわ、これ〇〇で見たことあるやつだ!」という進研ゼミ的な楽しみ方ができました。至近距離であのカーブリフトを見られたことは、私の今年の出来事のハイライトに入ると思います。アイスダンスは世界選手権でも地上波で放送されないから、あまり見る機会がないんですよね。最近はネット配信を駆使して見ることが出来ますが。

パパシゼが終わったら、いよいよネイサン・チェンの登場です。前日の公演を見に行った人からの情報で、今季のショートはシャンソン「ラ・ボエーム」だと聞いてはいましたが、一体どんなプロなのか予想がつかず、始まるまでドキドキしていました。が、始まると思ったより私の席からは細かい動きがよく見えなくて、さらにスピンとかはまだちょっと既視感がある感じだったので、これは多分まだ完成してないプロなんだろうなー、と思いました。まあ、世界初披露で既に完成してたら、逆にシーズンの最後までもたないだろうしね。演技冒頭の、曲の抑揚をつかんだ動きはとても良かったので、グランプリシリーズでさらに進化したプロを見るのが楽しみではあります。ちなみに衣装は白シャツに黒ベスト黒ズボン、ベストの胸ポケットに赤いチーフが入ってました。白黒の衣装に赤の差し色が入ったことが一番の進化かも…いや、油断はならない。

世界王者ネイサンの次は世界女王のアリーナ・ザギトワ。ネイサンのことだから、リンクからはけるときに入れ替わりでINするザギちゃんとハイタッチしたんだろうなーくそーなどと邪なことを考えてしまいましたが、それはともかく。ザギちゃんの新しいショートは、長く一緒にいた恋人との別れを表現してるとかなんとか。まだ17歳なのに大人びたテーマだなと思いましたが、ロシアは下がつっかえてるので、年齢らしい若さを生かしたプロというのは難しいのかもしれません。個人的には、そんなに背伸びしなくてもいいのになーと思うのですが。ザギちゃんの新プロは、ショーなのに難しいコンビネーションジャンプを決めてきたりと気合十分な内容でしたが、音楽がいつもの謎編曲だったのと、途中でいつもの謎振り付けがあったのとで、先行きの不安が少々残りました。いや、得点は出ると思うんだけどね。あえてツッコミどころを残した親切設計なのかもしれません。

ネイサン、ザギちゃんとしっとり系の大人っぽいプロが続いた後、トリで昌磨が登場。みんな大好きEXナンバー「グレート・スピリット」で会場の空気を変えました。目の前で跳んだトリプルアクセルの高さと幅に、思わず口があんぐり。ダンスバトルの審判でのグダグダっぷりとは大違いです。コーチ不在で迎えた今シーズン、どうなることかと心配ではありますが、マイペースな彼のことだから、きっとどんな試練も乗り越えるんだろうなと期待しています。世界選手権で表彰台を逃した代わりに、今季のグランプリシリーズはネイサンと同じフランス大会に出られるんだしね!(そのために表彰台を逃したわけではない)

第2部の最後はグループナンバー。女子シングル選手はかわいく、アイスダンス組は大人の魅力で、男子シングル選手はかっこよく決めてました。特に男子5人(昌磨、ネイサン、ボーヤン、ヴィンス、コリャダくん)のグループナンバーは会場中からキャーキャーと黄色い歓声が上がりっぱなし。私も、目の前でネイサンが540を決めた時に頭のてっぺんから変な声を出してました。スケーターの演技とお客さんの反応と、両方を見て、川原泉の「銀のロマンティック…わはは」のクライマックスの「氷の世界は眩しいね」を思い出しました。若い人にはわからないかもしれませんけど。若い人云々といえば、男子のグループナンバーのボンジョビとか、フィギュアスケートにはその曲で滑る選手が生まれる前にヒットした曲がよく使われますが、そういうのって選手当人はどう思ってるんでしょうかね。リアルタイムでそれを聞いてた世代とは、曲との距離が違うんじゃないかと思うのですが。クラシック音楽と同じ捉え方なのかしら??それはさておき、昌磨やネイサンが演技の途中で上着を脱ぎ捨ててるのを見て、「これが進化したらパトリックやスコットみたいに、Tシャツをビリビリ引き裂くようになるのかしら…」という不安が頭をよぎりました。いや、きっと大丈夫、ここは日本だから!いくら出演スケーターに北米男子が多いからって、あそこまでにはならないはずだから!多分!!

フィナーレは、スケーターと会場のお客さんで一緒に昌磨のダンス。去年のマサルダンスもシュールだったけど、今年も相当でした。まあかわいいからいいけどね。それにしても、ホントに来年どうなるんだろ?ネイサンが振り付けするの?スマホをいじる仕草とか?想像できないわ~。

ショーが終わるのが予想より遅かったので、終演後は駅までダッシュして、なんとか帰りのバスに間に合いました。ぜいぜいはあはあ。来年は、もう少し余裕をもって移動できるよう調整しよう…。

NHK杯とか全日本とか、競技会に行くのは諦めてる(チケットが取れないから)ので、今年の遠征は多分これでおしまい。これからはお茶の間観戦です。去年はライストを駆使してグランプリシリーズを見たけど、今年はできるかな…翌日なんも予定がなければできるんだけどな…。


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