Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

THE ICE 大阪公演(7/28・昼の部)その2

2018-07-29 16:21:52 | バレエ・演劇


7/28に行われたTHE ICE大阪公演の感想の続きです。

第2部はスケーターの演技ではなく、観客である我々のダンスレッスンから始まりました。教えてくれるのはアリーナ・ザギトワ選手。オリンピックチャンピオンから指導を受けられるなんて光栄じゃありませんかぁ(棒)。ザギーが慣れない日本語で一生懸命教えてくれたダンス、「マサルダンス」は下半身の動きが結構難しかったので、とりあえず腕の動きだけ覚えました。というか、レッスン中は「前日にインスタでネイサンがアップしてたのはこれだったのね…」というので頭がいっぱいになり、そこから「だったらネイサンも横で一緒に踊ってやれや…」とか「それなら友野君のほうが」更には「昌磨も呼べや」「いっそボーヤンも」と次から次へといらんことを考えてしまいました。それにしても誰よこの企画立てたの。来年は誰がやるのよ。

ダンスレッスンの次はジャンプ選手権。金ぴかのジャケットを着て、ジャッジ役の織田君と未来ちゃんが登場しました。この日ジャンプで対決したのは我らがさっとんこと宮原知子選手と、ガビーことガブリエル・デールマン選手。どちらが勝つのか決めるのは観客と、ジャッジの織田君。さっとんとガビーがぶんぶん飛ぶのを見るのは面白かったですが、転んだりぶつかったりして怪我しないかとハラハラもしました。ちなみにこのコーナーで一番笑えたのは、模範演技をする前に織田君がジャケットを脱いだ場面でした。ジャケットを脱いで出てくるのは、鍛えられて引き締まった肉体なのに笑わせられるのは、さすが織田君だと思います。女子2人のジャンプ対決はガビーが勝利。この日の夜の部では無良君とボーヤンが対決したそうで、そちらも見たかったな。

楽しい企画の後、登場したのは三原舞依選手。鮮やかなマゼンタの衣装で、今季のショートを披露してくれました。若干ジャンプでもたついた場面があったものの、すぐに3連続ジャンプで挽回。病気のことで苦労されてることは有名ですが、彼女の演技にはそれに負けじと戦うガッツが感じられるのが好きです。親友でありライバルでもある坂本さんとのツーショットは、永遠に見ていられるほど尊いです(大丈夫か)。

お次はセリョージャことセルゲイ・ヴォロノフ選手。今季のショートを滑る現役選手が多い中、彼が滑ったのはフリーでした。このフリーは、デニス・テン選手が振り付けたものです。この日の演技のどこまでがテン君の振り付けなのか(あるいはすべてそうなのか)わかりませんが、ベテランならではの重厚な滑りの一つ一つに思いが込められているのが見ていて伝わってきました。この先、競技会で彼のフリー演技を見ると複雑な気持ちになりそうですが、この日この演技を私たちにいち早く見せてくれたことに感謝しています。

テン君を偲ぶ厳かな雰囲気になった後、登場したのは坂本花織選手。多少のミスはあったものの、彼女らしい豪快なスケーティングとパワフルなジャンプで、今季のショートを見せてくれました。いつもにこにこ、お日様のような笑顔。競技の世界では、彼女の天真爛漫さは、本人にとっては武器であり、他の選手にとっては癒しになってるんだろうなぁと思います。特に三原さんにとっては。だからネイサン、もう諦めよう。

坂本さんの次は、この前艦これのアイスショーで提督デビューを果たした無良崇人君です。"Love Never Dies"から始まる「オペラ座の怪人」を披露。無良君に限らずオペラ座の怪人ってフィギュアで人気ありますよね。プログラムを作りやすいのかな。無良君のオペラ座は怪人になり切って演技してくれるのでわかりやすくて好きです。鈴木明子さんのクリスティーヌも好きだったな。なのに思い出すのは鈴木さんじゃなくて織田君のモノマネのほう…。いつものことですが無良君のスケートは超かっこよかったです。私もサンクスツアー見に行きたいけど、チケットの確保と会場までのアクセスが難しそうで。DVD出ないかな?

次に登場したのは我らが全日本女王、宮原知子選手です。こちらも今季のショート。ラメの入ったブルーグレーの煌びやかかつシックな衣装で、10代の女子選手とは違った大人の雰囲気です。そして見せる演技も大人…というかまだ7月だというのに尋常ならぬ完成度の高さで、「えっどうすんの?ここから更にブラッシュアップするの?どうなっちゃうの?」とオロオロするほどの素晴らしい演技でした。終わった途端、この日最高のスタンディングオベーションが起きました。さすが女王です。下がどんどん成長して追いかけてきていても、女王です。ついさっきまで「今年の全日本の表彰台、真ん中に立つのは誰かわかんなくなってきたな~」なんて失礼なこと考えててすいませんでしたー!と平謝りです。願わくばあまり根を詰めすぎず、怪我に気をつけて、3月のワールドまで完走して欲しいです。頑張れ!さっとん!!というか全日本の表彰台は10位くらいまであってもよくね?

20歳のさっとんが大人の演技を見せた後、フランスのアイスダンス・カップル、ガブリエル・パパダキス&ギヨーム・シゼロンが登場。昨季のショートダンスに使われた"shape of you"で、セクシーな大人のダンスを見せてくれました。この曲を聞くと、スターズオンアイスのアメリカツアーでネイサンがアシュリーとぎくしゃくしながら踊ってた(最後の方はこなれてきたらしいけど)のをつい思い出してしまいますが、さすが世界チャンピオンは違います。2人の美しい滑りにうっとり…と見とれていたかったのですが、朝4時起きだったせいもあって、この頃になると私の中で疲労がピークに達してしまい、信号が黄色から赤にかわりそうになってかなりヤバい状態でした。だめだ、少なくともあと3人は残っているのに…しっかりせい、私…!

はい、次に登場したのがネイサンだったので、復活しました。ネイサンは今季のフリー"Land of all"を披露。ショートを滑る人が多いからネイサンもショートかなと思ってたら、フリーでした。夜公演ではショートだったそうですが。危惧していた通り、衣装はサンバレーのアイスショーで来ていたのと同じ、正直な気持ちでかっこいいとはいいづらい謎衣装でした。例えていうなら、スタートレックのMr.スポックが着ていたような感じの。いや、Mr.スポックを意識してそれなら別にいいけどさぁ。だったら指先はあの形にしなくちゃとかさあ、いろいろ思っちゃうわけよ…などという愚痴もいいたくなりましたが、目の前で4回転ジャンプを決めてくれたのでチャラにします。話題のかっこいいステップは私の席からあまり見えなかったのでよくわからなかったのですが、とにかく動きが細かい、早い、激しい、だったので、競技会で完成形を見たらあまりのかっこよさに気を失ってしまうかもしれません。ジャパンオープンでも滑ってくれるのかな?

フリーの曲"Land of all"移民をテーマにした映画の音楽で、ネイサン本人も移民問題について意識しているそうです。こういうところはしっかりしてるなぁと感心するのですが、まぁちょっとそれ以外のところで…ごにょごにょ。とりあえず、大学生活と競技生活の両立を頑張ってほしいですね。ごほん。

続いて登場したのはアリーナ・ザギトワ選手。今季のショートは「オペラ座の怪人」と聞いていましたが、ショートの短い時間の中にオペラ座の怪人の曲を3つも詰め込んだ謎編曲で、それだけでもう難しそうなプログラムでした。いや、面白いとは思うけどねー。そこまでやらんでもええんじゃないかと思ったりもして。気分を盛り上げようとリンクの端っこに仮面をつけた無良君がいないか探してしまいました。ジャンプでミスもありましたが、最後に目の前で両手タノジャンプを決めてくれたので、大丈夫そうです。

本編のトリは宇野昌磨選手。今季フリー「月光」を披露してくれました。多分まだプログラムは未完成なんだろうけど、相変わらず音の表現力は素晴らしくて、演技後半のスピンとステップは圧巻でした。音のメリハリのあるクラシックを滑らせたら、彼の右に出る人はいないんじゃないか、と思うほど。これからもっともっと良くなるプログラムだろうから、次に見るのが楽しみです。NHK杯、行きたいなぁ。でもチケット取れるかなぁ。

最後のコラボも、「グレイスト・ショーマン」でした。白いドレスを着たザギーと昌磨が滑るパートがあったのですが、その時昌磨が来ていた衣装が、テン君が2013年のワールドのフリー「アーティスト」で着ていた衣装に似ていて、ついうるっとなりました。よくあるタイプの衣装なので、単なる偶然かもしれませんが。

事前に聞いていた、昌磨とボーヤンとネイサンのコラボですが、始まる前、リンクにいる昌磨をぼーっと見ていたら後ろの席がざわざわしたので、なんだろうとふと斜め横を見たら、そこにまさかのネイサンが!ニコニコ笑って観客の方に手を振ってくれましたが、こちらは衝撃のあまり口から魂が飛び出て手を振り返すどころじゃありませんでした。その後のコラボは超かっこよくて、というか多分かっこよかったと思うのですが、その前に受けた衝撃が大きすぎてあんまりよく覚えていません。ひとつだけいえるのは、ネイサンがトリプルアクセルを決めていたな、ということくらいで。跳ぶ体制に入った時「え、アクセル跳ぶの?大丈夫?無理しなくてもいいんだよ」と余計なことを考えたのと、最後の決めポーズはこちらに背中を向けていてかつ遠くて見えなかったので、SNSに上がっていた写真で脳内補完しています。あー、私も一度でいいからジャッジ席に座りたい!

フィナーレは、会場で売っているTシャツをみんなが着ていたので、「早めに買っといてよかったな…」と自分の先見の明を誇らしく思ったのと同時に、そのTシャツの裾からちらりと覗くさっとんの腹筋が、舌平目のように引き締まっているのを見て、なんだかありがたいものを見たような気持ちになりました。あそこまでやるのは無理ですが、私ももうちょっと頑張らねばな…とりあえず、涼しくなったら…。

テン君の悲しい出来事があったばかりなので、アイスショーを見ても普段通りに楽しめるかどうか不安もあったのですが、彼を悼む気持ちと、ショーを楽しむ気持ちを両立することが出来る、いいアイスショーでした。悲しくてつらいことは、それに呑み込まれてしまってはいけないけれど、完全に忘れてしまわなくてもいいのだ、悲しむ時は悲しんで、笑う時は笑う、それでいいんだと気づかされました。

カザフスタンの人たちは、偉大な英雄を失って悲しみにくれているかもしれないけれど、彼らもまた笑顔になってほしい、テン君もきっとそれを願っているだろう、そう思います。

ところで、今回初めてアリーナ席に座った感想ですが、私はフィギュアスケートは好きだけどショーや競技会を生で見たことはあまりないため、もしかするとマナー違反をしていたかもしれません。バレエやお芝居を見る時みたいにすればいいと思っていたのですが、果たしてそれでよかったのか…。悩むところですが、アリーナ席で見るのはとても楽しかったので、機会があればまたチャレンジしたいです。そのために必要なのは…軍資金…。ゼニや!世の中ゼニなんや!(壊れた)


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