超高層ビルの間に立つ冬場の陽の光が届かない谷間では昼間でも暗く寒いずっと上を見ているとまるで都会の井戸の底に落ちたカエルのようでこの這い上がれない感覚は めまいにも似てちょっと面白い身の程を知っているからこそ空っぽの井戸の上から見下ろす気持ちが知りたくなるのだ今更人間がどこから来たかなんて興味もない 今は ただこの眩暈に身を任せていよう