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意見募集企画「コレじゃ困るよパートナー制度」集まった意見をご紹介します!

2021年03月12日 | パートナー証明
意見募集企画「コレじゃ困るよパートナー制度」にて集まった意見をご紹介します!
5名の方から35件のご意見をいただきました。
パートナー制度に賛成の方も、反対の方も、なんだかよく分からないって方も、あらためていろいろ考えるきっかけにしていただければ幸いです。

なお、いただいたご意見は、仙台市男女共同参画課にもお送りしています。

♀×♀お茶っこ飲み会・仙台では、今後も家族制度・婚姻制度・パートナー制度について考える企画をいろいろやっちゃいたいと思っています!ご意見ご感想ツッコミ批判常時大歓迎です!


【意見募集企画「コレじゃ困るよパートナー制度」に寄せられた意見(順不同)】

・結婚や恋愛をもてはやし単身者を蔑視するような制度はダメ絶対。


・法律婚できない代わりに養子縁組してるカップルやポリアモリーを「公序良俗に反する」とか言って蔑視し切り捨てるのダメ絶対。


・制度制定過程がブラックボックス化して、よく分からない金や情報の流れができちゃってたりするの、ダメ絶対。


・都合の悪いことを隠すために目くらまし的にパートナー制度がハデハデしく宣伝されるの、ダメ絶対。


・「法的効力がなく、自分にとってメリットがなく、アウティングのデメリットがある」

から申請しなかった場合。

「制度を使ってないから、あなたたちの関係は本物ではない。真剣ではない」
と見なされるかもしれない点。

例えば「市営住宅への入居可」という「特典」などは、市営住宅に入りたくない人にとってはメリットでも何でもない。

デメリットのアウティングとは。
申請すれば、担当課の人にばれます。利用者名簿が保存されるはずなので、異動の度毎にバレる人が増える。
利用者が公務員なら、同じ職場の人です。

職場で、ゲイを笑うような会話がなされてるような自治体でも(最近は「あ、LGBT差別ダメだった、ハハハ」と最後に付く)

そんな制度を使ってないからといって、

「制度があるのに使わないことを選択している。だからあなたたちは真剣ではないのだ」

などと見なされるなら、制度がないほうがましだといえます。


・たとえ意味の無いパートナーシップ制度でも、使いたくない当事者は使わなければいいだけ、と言われるかもしれないが。

それでは済まない面もある。

意味の無い施策が、現代的レイシズムにも繋がるひとつの原因になる、という点です。

つまりは、マジョリティから見れば、
パートナーシップ含む様々な施策はLGBTの人に有用なのだろう、と見える。
それなのに、当事者は、せっかく作ってあげたその制度を使いもしなければ、文句ばかり言っている。
こんなに税金を使って多くの施策をしてるのに、LGBTはわがままで自分勝手だ、と見える。

実際には、
法的効果がないパートナーシップ制度、
根拠の無い知識を正しいとする啓発、
有害でしかないレインボートイレ、

どれも当事者には何の役にもたっていないのに。

得するのは、良いことしてますアピールできる自治体と、委託された団体や業者。

そして被害を受けるのは当事者。


・異性婚者から一言
当時大使館がなく配偶者ビザを取るため双方の国で婚姻届が必要で、渡航費翻訳費諸々で100万はかかった。現在帰化申請中で、まだ家内は戸籍に入っていない。

異性婚は紙っぺら一枚でタダ。はウソ。
社会的信用が欲しいなら責任がついて回るのです。


・例えば、パートナー制度絡みでよく「パートナー証明ないと病院で家族扱いしてもらえなくて云々」みたいな話出てきますが、そんなことないですからね。
例えば仙台市立病院。「市立病院におきましては、同性パートナーとの関係を確認し、妥当と判断した場合に診療情報の提供を行うこととしております。」って、仙台市議会平成29年第4回定例会で明言されてます。証明書なんかなくたってこういう取り組みちゃんと進んでるんです。
差別的な対応する施設も、もちろん皆無ではないだろうけど、でもそれはパートナー証明の有無とは無関係に改善されるべきもの。パートナー証明の有無で利用できるサービスに差がつけられてしまうことは、あってはならないことだと思います。
パートナー制度ができたとしても、いろんな事情で制度を使えないカップルだっている。そんな状況で「同性カップル?じゃあパートナー証明持ってきてください!え?ない?じゃあ認められません!」なんて話になって、これまで利用できてたサービスから門前払いされるようになったりしたら、本末転倒なわけです。
パートナー証明もらうことで、「説明がラクになる」というメリットはあるだろうし、全く無意味だとは言いません。でも、パートナー制度推進運動の中で、パートナー証明なくたってすでに可能になってることがあたかもパートナー証明がないと不可能であるかのように宣伝されちゃってる例が見受けられるのは、非常にマズいと思っています。
制度推進するならなおさら、「アレもコレもパートナー証明なくたって利用OKです!いろいろ事情あってパートナー証明もらえない人たちもだから安心してください!」ってしっかりアナウンスする必要あると思います。

【参考】仙台市議会会議録 仙台市議会平成29年第4回定例会(第4日目)発言21-29
https://www.city.sendai.miyagi.dbsr.jp/index.php/1694504?Template=view&VoiceType=all&DocumentID=2844


・婚姻相当などと言いながら現代日本の婚姻制度のキモである「貞操義務」「セックスに応じる義務」には触れずスルーするパートナー制度など欺瞞である。


・よく同性婚やパートナー制度絡みで「愛し合う2人を認めて!」みたいな言説見かけますが、そもそも現代日本の婚姻システムに愛って関係ないですよね。「愛を公的に認めてもらう手段=婚姻orパートナー制度」というのは筋違いなのでは。
そもそも「愛=素晴らしいもの、だから承認されて当然」みたいな恋愛至上主義的思想は人権や平等を謳うスタンスとは相容れないというか。単身者や非モテの蔑視に繋がるし。
「愛=素晴らしい」と無批判に持て囃す姿勢は愛の名のもとに振るわれる暴力の誘発・肯定に繋がりかねない。DVとか虐待とか性暴力とか、愛の名のもとに行われているケースのなんと多いことか。
人権や平等のためにパートナー制度というなら、そういった面にも徹底した配慮が必要ではないでしょうか。


・一部の同性婚法制化推進派が「愛し合ってるんだから良いじゃないか!」などと言っていたりするが冗談じゃない。「愛」を言い訳に自説を正当化する行為は「愛」の名のもとに振るわれる暴力まで正当化しかねない。

愛してるから殴っていい。

愛してるから犯していい。

愛してるから、

冗談じゃない。


・結局、「結婚=愛の承認」みたいな誤解が生まれがちなのって、日本人のほとんどが婚姻制度家族制度についてちゃんと教わっていない、学んでいないからではないでしょうか。子供はもちろん、大人だってろくに知らない。知らないまま結婚して、後でトラブルになったりしている。同性婚だパートナー制度だ云々言う前にまずは「現代日本における婚姻とは何か」しっかり知る必要があると思います。


・パートナー制度導入初日に自治体お膳立てでメディア入れまくって証明書交付式やっておめでとうございまーす!なんて華々しく報道させたりするのも定番ですが、人権や平等のための制度というならやっぱりそういうのにも違和感があります。第1号だからって特別なわけじゃないし、そもそもパートナーいるからって特別扱いされて当然、単身者より偉い、というわけでもないでしょう。証明書交付イベントがLGBTビジネス起業家の売名に使われたと言われても仕方ないようなケースもありましたし。
もちろん、私的にお祝いすること自体は全く否定しませんが、公的機関がやるのには違和感があります。もっとフラットにやっていただきたいものです。実際、横須賀市ではあえて証明書交付式はやらなかったとか。他自治体もぜひ参考にしていただきたいものです。

ていうかコレ、男女の法律婚に関しても言えることですけどね。いま生涯未婚率急上昇してるから、あちこちの自治体で婚姻届出した人に窓口で特別祝福サービスしちゃうような流行りがあって、まあ過疎化の現実とか考えると全面否定し難いところもあるのですが…個人的には正直「うわあ…」ってかんじです…

【参考】横須賀市議会議員藤野英明氏(@ycc_hf)のツイート(2019年4月1日)
https://twitter.com/ycc_hf/status/1112409625809182720?s=20


・パートナー制度といえば、最近では兵庫県明石市等が導入している子供を巻き込んだいわゆる「ファミリーシップ制度」が話題ですが、明石市の要綱とか見て気になるのが「子供に拒否権がない」こと。

養子縁組だって子供が15才以上なら子供の合意が必要なのに、明石市の要綱だと、15才未満はもちろん15~19才も含め子供の拒否権ないっぽい。少なくとも要綱にもマニュアルにも明示されてない。

一応、証明書もらいに市役所来る時は子供連れてこいって運用になってるみたいだけど、子供が窓口で「ヤダヤダこの人とファミリーシップなんてヤダヤダヤダ!」って泣き叫んだらどうするの?子供が何も言わなかったとしても、見るからに虐待されてるっぽい雰囲気醸し出してたりしたらどうするの?市役所の人たち、子供最優先でしっかり対応してくれるの?

子供のためと言いながら、正直子供が蔑ろにされてる風に感じてしまいます。日常生活でパートナーの子供との関係性を具体的に示したいってことなら、子供の親と2者間でのパートナー証明だけでも対応可能なのでは?拒否権奪ってまで子供をムリヤリ巻き込まなきゃならないんでしょうか?子供巻き込むならもっと丁寧にやっていただきたいと思います。

【参考】明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度(明石市公式ホームページ)
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/sdgs/partnershipfamilyship.html


・ていうか明石市、名称違う様式6種類用意して「効果に違いはありません」とか言ってるけど…「結婚」とそれ以外の「家族」は明らかに違うでしょ…貞操義務とかどう考えてるんですかね?ココで「結婚」選んだか否かが貞操義務に関する訴訟で意味持ってくる可能性もあるんじゃないですかね?どうなんですかね?

【参考】明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度(明石市公式ホームページ)
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/sdgs/partnershipfamilyship.html


・もう6年も前の話なので、10代20代の若い人や最近興味持った人は知らないかもしれませんが、例えばパートナー制度第1号自治体のひとつである渋谷区では制度導入過程の問題点がいろいろ指摘されてました。「良いことやってるんだから大目に見てあげようよ!」で済む話ではありません。人権のため、平等のため、差別解消のためと言うならばこそ、なおさらきちんとやらないといけない。
ブーム化したパートナー制度に関しては全国各地でヒトモノカネがいろいろ動くようになってます。ブラックボックスの中でよく分からないまま制度がつくられるようなことはあってはならないと思います。制度制定過程や運用過程で不正があってはかえって差別偏見が助長されてしまいます。徹底した情報公開としっかりした議論が必要だと思います。

【参考】
映像作家島田暁氏(@Akira_Shimada)のツイート(2015年3月26日)
https://twitter.com/Akira_Shimada/status/580986867715178497

※ツイート中で言及されている渋谷区平成27年3月総務区民委員会03月26日-11号議事録(渋谷区議会ホームページ)
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/shibuya/SpMinuteView.html?power_user=false&tenant_id=394&council_id=1142&schedule_id=8&view_years=2015

※ツイート中で言及されているホームレス排除問題に関する報道例
【渋谷区長選】ホームレス排除について考える(認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長大西連氏)
https://news.yahoo.co.jp/byline/ohnishiren/20150420-00044963/
渋谷区がLGBTに優しくホームレスに厳しいのはなぜ? マツコも憤るLGBTの商売利用(LITERA)
https://lite-ra.com/2015/05/post-1103.html
性的少数者「歓迎」の渋谷区長、ホームレス強制退去問題については「譲歩しない」(弁護士ドットコムニュース)
https://www.bengo4.com/c_18/n_2853/

※渋谷区グッドデザイン賞騒動関連
渋谷区条例のグッドデザイン賞受賞に関する経緯について(特定非営利活動法人グッド・エイジング・エールズ)
http://goodagingyells.net/blog/%E3%80%8A%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E6%9D%A1%E4%BE%8B%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E7%B5%8C/
渋谷区 平成27年11月定例会(第4回) 11月27日-15号(渋谷区議会ホームページ)
(十一番笹本由紀子議員一般質問)
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/shibuya/SpMinuteView.html?power_user=false&tenant_id=394&council_id=1129&schedule_id=3&view_years=2015


・東日本大震災関連では被災者支援NPO法人の公金横領事件があって警察沙汰にまでなっていたりする。「自分達は正しい」「自分達のやっていることは良いことだ」「目的のためなら手段は正当化される」なんて思い込んでやって良いことと悪いことの区別がつかなくなってはマズい。


・LGBTが女性の人権をむしり取るような風潮、公的機関までがそれを助長するような風潮が昨今感じられなくもないのも非常に気になっているところです。
女性の人権、男女平等蔑ろにしてLGBTだけ生きやすくなるとかあり得ない。男女差別や男女格差にもしっかりと目を向けること。目を背けないこと。絶対に外してはならない視点です。


・他の方も指摘してらっしゃるけど、うちんとこは導入したはいいものの、はっきりと「二人のうちどちらかがセクマイであること」が条件なんですよね。別姓希望や友人同士には開かれていないのはどうなんだろうと思います


・パートナー制度、法律婚できない代わりに養子縁組したカップルについては、すでに制度利用を明確に認めている自治体が複数あるので(横須賀市、福岡市、明石市等)、これからはコレが主流になっていくのかなあと思っています。

「公序良俗に反する」なんて強い言葉で排除してる自治体もありますけどね。でも、制度導入第1号自治体のひとつである世田谷区なんかも最初そうでしたけど、今では制度改正して養子縁組カップルにも門戸を開いてますし、そういう流れなんだろうなあと。

制度導入第1号のひとつ渋谷区でも、この件相当揉めたみたいですけどね。結局「離縁すれば可」にして、現在まで変わってない状態ですね。

社会承認的な意味で自治体パートナー証明もらいつつ養子縁組も併用して法律的な保障も得る、というのが現状一番お金も手間暇もかからず同性パートナーとの関係を安定させる方法ではないでしょうか。「公序良俗に反する」等の蔑視的な言葉を使わないのは当然として、さらに踏み込んでパートナー制度の枠組みの中で養子縁組の活用法なんかも積極的にアピールしてもらうのもアリなんじゃないかなあ。

【参考】
同性パートナーシップ宣誓について(世田谷区公式ホームページ)
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/002/002/003/002/d00165231.html
パートナーシップ宣誓制度の改正について(平成31年2月4日付生活文化部人権・男女共同参画担当課)(世田谷区公式ホームページ)
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/002/d00164330_d/fil/15.pdf
渋谷区パートナーシップ証明書(渋谷区ホームページ)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/shisaku/lgbt/partnership.html


・あわせて「直系姻族間の婚姻禁止規定」についてももっと議論して欲しいなと。「舅姑と嫁婿は一生結婚できない」なんておかしくない?
要するに「配偶者の親は実の親と一緒」って価値観なんだろうけどイマドキそれってどうよ。それでいて相続権はないし。
こういう「現行家族制度婚姻制度のおかしさ」を揺さぶる議論、パートナー制度をきっかけにガンガンやったら良いと思います。LGBTセクマイだけじゃない、すべての人が当事者。


・そういえば明石市、パートナー制度のパブコメでポリアモリー等3人以上でも使えるようにして欲しいっていう意見が何件かあったみたいなんですが、それに対する市の回答がなかなか目を引きます。
「他にパートナーや配偶者がいる人を制度の対象とし、本市が公に関係性を証明することについては、現時点では議論が十分でないため、まずは他にパートナーや配偶者がいない二者における関係を対象としています」と言いつつ「ただ本市では、『誰一人取り残さない』をスローガンに掲げ、SOGIEに関わらずすべての市民が自分らしく生き、互いを認め合える『ありのままがあたりまえのまち』の実現を目指しておりますので、制度実施後も特定の規範のみをよりどころとすることなく、制度のあり方についても継続して議論してまいります」ですって!ポリアモリー等3人以上の関係でも使えるようにする制度改正に含みを持たせた回答!
やっぱりパブコメとかで自分なりに意見伝えるのって大事ですね。難しい文章書く必要なんかない。最低限の丁寧さと礼儀さえあればOK!ひとりだって、数を頼みにできなくたって、こうやって公的機関に意見伝える方法はいろいろ用意されてます。どんどん活用しちゃいましょう!

【参考】【意見募集結果】「(仮称)明石市パートナーシップ制度」(素案)について(明石市公式ホームページ)
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/sdgs/partnershippckekka.html


・あらためて振り返ってみると、2015年に第1号の渋谷&世田谷でパートナー制度導入されてからこの6年近くで、制度のあり方ずいぶん変わってきたんですね。
やっぱり大きいのが「利用者の性別組み合わせ」。当初はあくまで「同性限定」「セクマイ限定」だったけど、2019年に千葉市が「性別不問」「ノンケ異性カップルOK」を打ち出した。これはパートナー制度のあり方を大きく変えた画期的な出来事だったと思います。
もともと渋谷とかでも「せっかくだからノンケ異性カップルにも使えるようにしたら?」みたいな声はあったんですけどね。それが実際に形になるまで4年近くかかったんですね。
養子縁組カップルも当初は蔑視排除されまくりだったのが、だんだん養子縁組してても利用可能な自治体が出てきた。
ポリアモリーなど3人以上での制度利用についても、2020年に明石市がパブコメで含みを持たせた回答をしている。
「養子縁組したままパートナー証明もらうなんてダメですから!」とか「あくまで同性カップル限定のセクマイのための制度ですから!」なんて扱いされちゃってたのがこの数年でここまで変化してきたことを考えると、ポリアモリーのパートナー制度利用、決して夢物語じゃないと思う。

【参考】
パートナー証明交付 事実婚、LGBT6組に 千葉市(2019年1月30日千葉日報)
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/566657


・しかしなんだかんだ言って“第1号”っていうのはやっぱり大変ですよね。前例も何もない中で1から築き上げなきゃならない。第1号の渋谷や世田谷は、それは問題もすごく大きかったし、制度も穴だらけだったけど、でもやっぱり、すごかったんだなあと思います。
そういう意味では、後続組はラクができる。でも、だからこそ、先達の良いところも悪いところもしっかり学んで、より良い制度にしていかなきゃいけない。それは後続組の責任でしょう。自分のところの自治体でも!と言うなら、自治体の担当者の方には、既存の要綱とか条例とかあるだけ全部チェックして、入念に分析していただきたいです。単なるコピペのまねっこじゃしょうがない。


・パートナー制度、同性カップルだけでなく男女の事実婚カップルも使えるようにしている自治体が複数出てきているので、今後はコレが主流になっていくのかなと思っています。
(でもまだまだ「異性カップルOKのパートナー制度が増えてる」って、認知度低いですよね…誤解を招くような報道も目立つし…)

大半のLGBTは「LGBTのための特別な制度」を求めているわけじゃないと思うんですよね。平等言うなら、異性カップルも同性カップルもまったく同じように使える制度の方が良くないですか?

もちろん「そもそも本丸の法律婚が同性カップルを排除してるじゃないか!」というのはその通りです。でも、だからって、それの向こうを張ってパートナー制度を「同性カップル限定」にする必要はないんじゃないか。

法律婚に関しては、今話題の嫡出推定に関する規定など、同性カップルと異性カップルを同等に扱うのには無理があると思われるテーマもあります。でも自治体パートナー制度レベルだったら、そういうのも特にないような気がするし。

「LGBTの方々のために特別な制度をつくってさしあげました!」って特別枠でレインボーな証明書もらうより、カップル友達の異性カップルと同性カップルが一緒に同じ証明書もらって、おたがいお祝いする、とかの方が楽しくないですか?


・パートナー要綱お茶っこ試案は「友達同士OK」になっています。これは利用者の幅を広げるためももちろんありますが、「同性カップルがカミングアウトせずに制度利用できるようになる」ことも大きなポイントです。「カップル限定」にしてしまうと「制度利用=同性愛カミングアウト」になってしまう。「友達同士OK」だったらそれが回避できます。


・パートナー制度導入するなら徹底していただきたいのが「個人情報保護」。パートナー制度利用者の個人情報がダダ漏れなんてことになったら困ります。守るべき情報はキッチリ守っていただかないといけません。

そんなの当たり前じゃないかと言われそうですが、悲しいことにそうでもない。

例えば三重県男女共同参画センターフレンテみえでは、セクマイ関連の調査の過程で「特別支援学校のセクマイ生徒に関する情報をミスで漏洩させた上、それに気づいた後も何ら拡散防止策を講じることもなく放置」「守秘義務も課さず民間事業者にセクマイ関係の非公開データを見せ、挙句トラブルになっても手を打たない」なんて事態を引き起こしています。

そんな三重県では今パートナー制度導入がほぼ決定項となり、議論が進んでいるところ。しかし当の県がよりによってセクマイ関係の機密情報をダダ洩れさせて放置なんて体たらくでは、クローゼットセクマイは怖くてとてもパートナー制度利用なんてできません。情報管理は徹底していただきたいです。

一方でやはりガッチリやってただきたいのが「徹底した情報公開」。これは「徹底した個人情報保護」とセットで取り組まなければならないものです。
個人情報その他、守るべき機密情報は公的機関としてガッチリ守らなければならない。しかし一方で、それ以外の情報は公的機関として積極的に公開することが重要です。セクマイ関係に限らない話ではありますが、税金使って行っている事業なわけですから、透明性確保は必須です。

まず大前提として、何をするにもしっかり記録を残し、そしてそれをしっかり公開する。特にパートナー制度は世間の関心の高いテーマですから、公文書開示請求など待つまでもなく、公式サイト等で積極的に情報公開すべきでしょう。その方が問い合わせ対応のコストも削減され、税金の節約にも繋がります。他自治体や国の施策の参考にもなり非常に有用です。

例えばフレンテみえのセクマイ関連調査に関しては「LGBT研修ビジネスを行っている法人を調査に関与させ、ギャラまで支払っていたにも関わらず、その事実をウソをついてまで隠蔽」といった信じ難い不正が起きています。
LGBT/セクマイ当事者に必要なのは「権利」であって「利権」ではありません。公的機関がセクマイの人権擁護に目を向け取り組んでくださるのは本当にありがたいです。でも、だからこそ、真っ当にやっていただきたい。個人情報保護は必須ですが、開示すべき情報はキッチリ開示して、公的機関としてしっかり透明性を確保していただきたい。「良いことやってるんだからこのくらい」なんて言い訳でルーズにならず、襟を正していただきたい。人権だ平等だ言いながら不正にヒトモノカネが動くようなありさまでは、かえって差別偏見が強まるばかりです。

【参考】フレンテみえ「多様な性と生活についてのアンケート調査」について考える有志の会 公式ブログ
https://ameblo.jp/rainbowombuds/


・パートナー制度に限らずですが、セクマイ系施策に取り組もうとしている公的機関の方々にお願いしたいのが、「当事者からこういう意見があったから」というフレーズで責任逃れをしないでいただきたい、ということです。
セクマイ当事者も多様で、ひとりひとりさまざまな意見があります。当事者の意見にしっかりと耳を傾けることはもちろん重要なことですが、自分にとって都合の良い一部の意見だけを取り上げ「だって当事者がこう言ってるから!」などと言い張って施策を正当化するのは、公的機関の責任逃れ、当事者への責任の押しつけです。

典型的なのがいわゆるLGBTトイレ問題でしょう。LGBT当事者の要望で盛んに設置され、そして、LGBT当事者の要望により撤去されました。設置を求めたのも撤去を求めたのも当事者。そんなふうに当事者の意見も分かれているなかで、じゃあ公的機関としてどうするのか。それは様々な要素を踏まえた上で公的機関として責任を持って判断すべきことでしょう。

パートナー制度についても、セクマイ当事者の間でも意見は分かれています。当事者の意見を聞くことはもちろん重要なことで、そこは丁寧にやっていただきたい。多様な当事者の意見に耳を傾けていただきたい。そしてその上で、てんでバラバラな多様な意見を踏まえて、当事者の意見以外の様々な要素も踏まえて、公的機関として、より良いと思われる施策を責任をもって実施していただきたい。そう願います。

セクマイ当事者に多数決取れば良いってものでもないですからね。そもそもクローゼットの多いセクマイ業界で多数決取るなんてのがほぼ不可能だし、それ以前にマイノリティの問題なのに多数決でなんとかしようっていうのが矛盾なわけで。

【参考】
LGBT配慮のレインボーマーク 当事者指摘で掲示中止に 大阪市の多目的トイレ(2018年4月20日産経ニュース)
https://www.sankei.com/west/news/180420/wst1804200081-n1.html
平成30年4月12日 大阪市長会見全文(大阪市ホームページ)※多目的トイレのレインボーマークとりやめについて言及あり
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000431714.html


・私は党派を問わずに同性婚の法整備を求める意見書の採択を求めて陳情を繰り返していますが

そのときに「パートナー制度があるので同性婚は必要ない」という回答を党派を問わずに投げられています

バラ色のように導入される今のパートナー制度は同性婚の法整備の大切さを間違いなく毀損しています


・自治体として“婚姻相当”の同性カップルがしっかり公的・法的保障得られるようにしてあげよう!というなら、実効性のほぼないパートナー証明出すだけでお茶を濁すより、例えば「公正証書作成支援」、渋谷区等が始めたような、公正証書作成費用助成や、無料法律相談などに取り組んだ方が理に適っているのでは。
【参考】渋谷区パートナーシップ制度5周年を迎えて(渋谷区ホームページ)
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/partnership.html


・実効性のほぼないパートナー証明だけで“婚姻相当”と主張するのはいろいろと無理があるわけで。その程度の手続きで示せるのはせいぜいが“緊急連絡先”レベルといったところではないでしょうか。

もちろん、“緊急連絡先”だってすごく大事です。でも、“婚姻相当”とは違うよね、と。

ていうか“緊急連絡先”だったら別に「1対1限定」「恋愛関係・性愛関係限定」にする必要なんかない。友達同士だって良い。複数人を“緊急連絡先”にしたって良い。性別だって関係ない。

単身者激増の現代日本社会、“ガチの家族”でも“赤の他人”でもない、そのあいだのゆるい人間関係というものが非常に重要になってきていると思います。そういうゆるい人間関係をゆるく証明してあげる、そんな路線のパートナー制度もアリではないでしょうか。意外と現実的だと思います。


・ていうか、実効性のほぼないパートナー制度について「実効性はないが啓発効果がある!」っていう主張、よく聞きますが、啓発のために実際上は役に立たない制度をつくる、っていうのには正直違和感があります。そういうのっていろいろと誤解招くし、制度化するならするでちゃんと実効性のある、役に立つ制度つくった方が良いのではないでしょうか。啓発は啓発で別に取り組んだ方が良いのではないでしょうか。


・恋愛してるからって偉いわけじゃない。セックスしてるからって偉いわけじゃない。恋愛関係や性愛関係を特別視してもてはやすのはやめてほしい。そういう価値観にパートナー制度が加担するのはとても困ります。人権だ平等だ言うなら本当に気をつけて欲しいです。

恋愛しない・したくない・できない人もいる。セックスしない・したくない・できない人もいる。優劣をつけるような話じゃない。


・同性パートナー制度に関連して「職場で同性カップルにも結婚祝い金支給!」なんてのもありますが、そもそもなんで職場で婚姻カップルに祝い金出さないといけないのか?なんでそんな風に婚姻カップルを優遇しなければならないのか?平等と言うならそういった根本からしっかり考え直して公平な視点で見直して欲しいものです。

職場の結婚祝い金っていろんなパターンありますが多くの場合、結婚しない人・できない人から取り立てた金を結婚した人・できた人に流しているわけでしょう。それが本当に人権や平等に配慮したとりくみなんですかね?平等と言うなら性別問わず“婚姻特権”の徹底排除が筋ではないでしょうか。

「同性婚カップルにも結婚祝い金支給させることで同性婚カップルが可視化され社会の理解がすすむので戦略として有効!」みたいな価値観もあるようだけど、その戦略の下で踏みにじられている存在のことは忘れないでいただきたいなあと思います。


・同性婚&パートナー制度といえば、仙台弁護士会が2021/2/27付で「すべての人にとって平等な婚姻制度の実現とパートナーシップ認証制度の創設を求める決議」なるものを出していますが、重婚に関する記載がなんと、ポリアモリーやノンモノガミーの当事者等から批判のあった日本弁護士連合会「同性の当事者による婚姻に関する意見書」の記述のほぼコピペ。「重婚の禁止の趣旨は、婚姻が人と人の結合、つまり一対一の結合をその本質とすることにあり、それ自体、個人の尊厳と両者の本質的平等に立脚した婚姻制度による当然の帰結と言える」「それゆえ、重婚は、自己決定権や平等原則の観点から許されると解することができない」だそうです。これが最新の仙台弁護士会の公式見解ということですね。

東北・仙台にもポリアモリーやノンモノガミーの当事者がいるということ、日弁連意見書に傷ついた当事者がいるということ、考慮の対象にはならなかったのでしょうか。地元の弁護士会にこんな公式見解出されたら、当事者は怖くて法律相談もろくろくできなくなるんじゃないかとか、そんなこと考えもしなかったのでしょうか。

そしてこの決議のタイトル、「すべての人にとって平等な婚姻制度の実現とパートナーシップ認証制度の創設を求める決議」。「すべての人」の中にポリアモリーやノンモノガミーは入ってないってことなんですかね。これが排除でなくて何なんですかね。辛いです。悲しいです。

「婚姻が人と人の結合、つまり一対一の結合をその本質とする」「重婚は、自己決定権や平等原則の観点から許されると解することができない」同性婚推すためにわざわざこんなこと言う必要ありますか。こうやって他のマイノリティを貶めないと実現できないようなシロモノなんですか同性婚って。

こんな排除に加担するパートナー制度なら要りません。

公的機関や弁護士会でセクマイ支援に目を向けてくださるのは本当にありがたいです。でも、正義のつもりの安易な物言いがかえってセクマイを苦しめることもある。慎重に丁寧に考えていただきたいです。

【参考】
すべての人にとって平等な婚姻制度の実現とパートナーシップ認証制度の創設を求める決議(仙台弁護士会)
https://senben.org/archives/9032
同性の当事者による婚姻に関する意見書(日本弁護士連合会)
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2019/190718_2.html
トークイベント「同性婚応援してる弁護士さん、複数婚も応援してくれますか?~ポリアモリーと法律について考える~」(♀×♀お茶っこ飲み会・仙台)
https://blog.goo.ne.jp/ochakkonomi/c/e8ed33d68e80b46deac9484eaf30f4d4


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