功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

ザンビア時間の9月5日火曜日の夜明け前(2023/09/05)

2023-09-05 21:50:00 | On the Road
 写真は、同行してくださった在ザンビア日本大使館の冷静で静かに明るい小沢さんと、修道女ふたりです。
 ぼくは中高がカトリックのミッション・スクールでした。淳心学院です。母と姉がプロテスタント、父が曹洞宗、ぼくが世界の神々がみな好きな子供、それでカトリックの学校に通うという変な具合でしたが、カトリックの世界はだから、それなりに理解しています。良きところも、受け容れられない悪しきところも、知っているという意味です。

 修道女と話していると、おふたりの、この世に恵まれずに生まれた子供たちへの、海より深い献身がありありと伝わってきました。
 形のない魂が、まるでリアルな手触りのように、伝わってきます。
 澄み切っていながら少しも冷たくはなく、温かい人肌のような感覚のままこちらに届くのです。

 おふたりは日本への感謝を何度も何度も語られました。
 ここは、日本だけではなくインドも援助して、建設されています。
 ザンビアでは、日本のODAで造られた施設、置かれた設備にすべて、日本の人々から援助された、という意味の英文プレートが付けられています。
 日本から、ではなく、日本の人々からと明記されているのです。
 日本はかつて中国にも大規模なODAを贈りました。ぼくの知る限り、こんなプレートは、見たことがありません。わずかに目にしたのは、誰にも分からないような場所の、ちいさな日の丸でした。汚れたままで、中国の善意ある庶民にも分からないままになっています。
 ここザンビアでは、たとえば病院の高い給水塔の最上部に、ザンビア国旗と並んで日章旗が大きく描かれています。病院の若手幹部がわたしに、「あれでザンビア人がみんな、日本を覚えるのですよ」と語りかけてきました。


 修道女おふたりは、2年に一度だけ、母国インドに帰るそうです。
 おふたりに「ヒンズーの国インドで、よく家族がここへ送り出してくれましたね」と尋ねると、若いひとりが「両親がカトリックなので、私もキリスト教に馴染んで育ったんです。両親も、ここで献身することに賛成してくれました」と澄んだまなざしで、ぼくの目を覗き込むように、答えてくれました。


【推敲しました】  聖女のおふたりが捧げられた日本国民への感謝に、思いがけないほど胸を打たれました  みなさんにもこの震えるような気持ちが伝わりますように

【推敲しました】  聖女のおふたりが捧げられた日本国民への感謝に、思いがけないほど胸を打たれました  みなさんにもこの震えるような気持ちが伝わりますように

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road


▼もうひとりの議員は、先輩の参議院議員で今回の団長である、舞立昇治さんです。
 実はこの「参議院のODA特別委員会からサブサハラに派遣されてODAの実情と課題を調査する」という出張は、サブサハラの厳しさを敬遠されてか、行く議員がぼくひとりしか居らず、ひとりでは挙行できないので、複数の班がある今年度のODA調査派遣のうちアフリカだけが皆無になる情勢だったのです。

 そこへ舞立さんが別の委員会から手を挙げてくださって、ぎりぎり成立しました。
 派遣成立の恩人です。
 総務省出身の舞立議員は、国内課題に徹する行政官の生活を送ってきたそうです。そこへいきなりこの厳しい海外というのは、大変だと思いますが、穏やかに、しかし毅然と、団長の責務を果たされています。
 当選回数がぼくより上ですから、慣例の通りに、団長でいらっしゃいます。たったふたりの派遣団、参議院の事務当局のおふたりを入れても、4人の派遣団なのですが、団長のさりげない威厳はたいせつです。



▼もう朝の5時半を過ぎました。
 あとわずかな時間で、ザンビアの閣僚との会談に出発せねばなりません。
 そのあと次の訪問地へ向かいますから、荷物のパッキングも大急ぎで必要です。

 大学や医療施設で交わした議論は、いずれあきらかにする機会があるでしょう。
 みなさん、日本の国民による貢献は、こうやってアフリカの茶色い大地で、聖女のおふたりに人知れず、深い感謝と愛を捧げられているのです。

▼出発前に無理を押して収録した「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」がどんどんアップされています。
 この動画は、ぼくからみなさんへの感謝と祖国愛です。視聴が2億数千万回になっていてもスポンサー料は1円も受け取っていません。
 最新分は2本です。
 まず、プーチン大統領に失脚の危機だけではなく暗殺危機が迫ることを解析しています。これです。



 そして拉致事件をめぐって個人攻撃ではなく、そして憤怒を抑えに抑えつつ、当局者が無意識に浮かべてしまう「薄ら笑い」を告発しています。これです。



 若い日本男子、日本女子の学生インターンが連携してくれて収録しているショート動画は、ここに最新分からずらり並べています。視聴には、20秒から30秒ほどしか掛かりません。





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オニヤンマの精緻な模型(2023/09/04)

2023-09-05 07:22:00 | On the Road
▼日本から最初の目的地に到達するまでの時間としては、これだけ世界を回ってきて、おそらくは最長だと思います。
 飛行機の出発遅れなどもありました。
 たぶんほんとうは、24時間を超えているでしょう。ちょっと控えめにカウントしました。

▼正直、ある野党がこの参議院による「サブサハラ調査派遣」を辞退したのも分かりますね。
 長い道中は、アフリカと日本のODA ( 政府開発援助 ) をめぐる英文の資料を丁寧に読み込むのと、「ぼくらの哲学」を新書化するにあたり、いつものように大幅に加筆する原稿の執筆で、あっという間と言えばあっという間に過ぎました。

 中東ドバイで乗り継ぐための、これも長い長い時間は、同行なさる参議院の当局者おふたり、もうひとりの議員である自由民主党の行政官出身の先輩議員と歓談にも努めました。
 おそらく烈しい疲労にも襲われるような厳しい出張では、人間関係がとても大切です。

 特に、ドバイを発ち、ザンビアの首都ルサカに向かうまでの7時間ほどの狭い機中は、ちょっと苦しかったけど原稿に集中しました。
 おかげで、新書のための最初の加筆原稿である1本がおおむね終わりました。

23時間以上かけて最初の訪問地、ザンビアに入っています  いま現地時間午前2時18分です

23時間以上かけて最初の訪問地、ザンビアに入っています  いま現地時間午前2時18分です

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road


 到着した初日はもう夕刻からすぐ夜になりました。
 穏やかな竹内駐ザンビア特命大使らから、現地のブリーフィングを受け、ホテルに戻ると無意識にバタリ。
 しかし1時間半ほどでむっくり起きて、上記の原稿を仕上げ、東京へメールで送りました。
 編集者・兼・出版社の社長さんからはすぐ、「素晴らしい原稿でした。読み終わって正直、背中にゾクッと来ました」とショートメッセージが届きました。
 変なお世辞は言わないお人柄なので、ちょっとホッとしました。

 それにしても枚数で言えば、400字詰め原稿用紙で26枚半の原稿なのです。
 大した分量ではありません。
 これに苦しみ抜きました。原稿執筆の調子は、あまり良くないのでしょう。まったく関係ないけど、大谷さん、頑張れ。
 しかし書くという作業は、おのれ自身の魂の奥を、はっきりさせてくれます。


▼写真は、ひとつ前のエントリーのちいさなクイズ、「荷物に入れたちょっと変わったモノ」の答えです。
 虫の世界で食物連鎖の頂点に立つオニヤンマの精緻な模型なんです。
 虫が寄ってこなくなる効果があると言われています。
 使うのは初めてなので、効果がほんとうにあるかはまだ分かりません。わはは。
 しかしパッケージから出して、いちばん虫の襲撃が心配なベッドサイドに置くとき、ちょっと気持ちが悪いくらい本物そっくりでした。
 子供の頃は、とんぼも追っかけましたから、久しぶりの再会、ひょっとしたら守護神になってくれる再会ですね。

 あと6時間もしないうちに、ODA調査の公式日程が始まります。
 英文資料をもっともっと読み込まねばなりません。

 神々と人類の大地、アフリカ。
 現地のひとびとの誇りある笑顔、日本の同胞の祈りと願い、それらに少しでも応えるために、懸命に、努力します。

▼今回の出張では偶然、小説「夜想交叉路」に登場する、ある場所へも調査に入ります。
 まったくの偶然です。まるで天からの贈り物です。
 この「夜想交叉路」 ( たとえばここ ) を子供たちのために書き換えるという、新しいわくわくする仕事を考え中なので、この贈り物にびっくりもしています。




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