超人予備校と舞道ダンスシアターのアメリカ公演って

　

先のブログでも書いたように、先週水曜から昨日までデラウェア州のルイスという田舎町に行ってきました。なんと！関西小劇場で活躍する魔人ハンターミツルギ君が主催する劇団・超人予備校（どんな名前や？）とブロードウェーベテランのマイケル・ステューバーさんが主催する舞道ダンスシアターの合同ミュージカル公演がかの地で開催されたからですー。

主催はデラウェアの公立高校のCape Henlopen High Schoo。今年から新校舎が完成し劇場も新しく建設されたそうで、この公演がまさに杮落とし公演。アメリカでは大学の劇場やアートＮＰＯが地方の劇場文化の中心になっていると前に書きましたが、ここではこのケープ・ヘンロペン高校がそういう役割を担っているようで、基本的に公演は地域に住む人たちのために開催されています。この高校では演劇・劇場学科があり、生徒のプロダクションも開催しつつ、今回のように学校外の公演も校内の劇場で主催上演しています。つまり主催公演を実施する普通の劇場として、まさに地方の劇場文化の一翼をになう存在でもあります。

舞道ダンスシアターのマイケルさんがこの劇場のディレクターを知っていたそうで、最初は演劇科もあることだし、マイケルさんの生徒を連れてなんらかの交流を行おうと企画したのが始まりだそうで、それがとんとん拍子に公演実施にまで至ったようです。劇場はキャパが800席もあるものの、やはり高校の施設ということと、これが完成後はじめての事業だったこともあって、使い勝手としてはあまり良くありませんでしたが、飛び切りバトンの綱元も完備されていて、それなりに本格的な施設でした。

魔人ハンター君とは、かつて僕が関西に居たころに知り合い、僕の渡米とともに付き合いもなくなっていたのですが、先般、僕が日本に帰国した際に観劇に行ったクロムモリブデンでこれまた15年ぶりぐらいに舞台監督の塚本さんに遭遇。「今なにやってるの？」といった会話から魔人君のアメリカ公演を知り、「じゃあ、なにかあればお手伝いするから」と連絡先を委ねていたところ、公演1週間前に連絡があって、お手伝いしに行くことになりました。特に予算の都合から照明と舞台監督を同行できず、ＮＹで誰かいないか、ということだったので、うちの劇場で照明デザイナーをしてもらっている大野女史と二人でお手伝いに行きました。

メンバーは日本を出る直前に台風に襲われ、予定の伊丹ー成田便が欠航！30名もいるメンバーがそれぞれにメールで連絡を受け、「アメリカに行きたいなら今日中に東京に各自自力で来い」という、なにやら「アメリカ横断ウルトラクイズ」みたいなノリで急遽東京に。さらに当日の成田行き電車も不通との情報が。ここから制作スタッフが胆力を発揮しジャンボタクシーを人数分確保。超ドタバタの末に奇跡的に米国に到着したそうな。さらになんと現地で重要な2役をアメリカ人キャストで配役しているとのこと。そして現地の子供たちを使ったシーンもあるとのことで、少ない時間の中から彼らとの絡みを中心にリハーサルを重ね、どうにか公演を無事終了させることができました。下写真は出演の高校生2人とめっちゃ可愛い子供たち。

　

この高校生二人組みが劇団の誰よりも演技が上手かったのには笑えましたが、とにかく公演は大受けで最後にはスタンディング・オベーションまで頂く始末。うーん、なにがそんなに面白かったのか？と正直思ったのですが、もしかしたら、観客は彼らを日本から来た高校生と間違えて「あーはるばる日本から高校生が公演に来てくれたんだ。それは嬉しいなあ。」的な誤解でもしてるのかな？などといぶかったのですが、真相は分からず、まあなんにせよ、皆さん、ハッピーな様子だったのでとにかく良かったです。少し話した観客の方からも「面白かった」「良くできていた」とお褒めの言葉も頂いたし。下写真はリハーサル中のキッズたちと、照明席の大野女史。蛇足ですが、アメリカでは消費税は州税と市税の合わさったもので、州ごとに％が違います。デラウェア州ではなんと、消費税は０％。つまり消費税はありません。これってやっぱり嬉しいですね！！



　


舞道ダンスシアター：http://www.budodance.com/
超人予備校：http://page.freett.com/chojin/
クリアステージプロダクション：http://www.clearspaceproductions.com/index.html