国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

海外ツアーでは劇場のサイズがまちまちになるって

2010年05月06日 | 海外公演
以前、大蔵流狂言・山本家の北米ツアーについて書きましたが、
掲載した都市以外にもツアーしていて、実質14日間で6都市・8公演行いました。
NYを除く都市では1公演か、せいぜい1公演+1ワークショップだったので、
日程ほどには強行スケジュールにはならなかったのですが、まあ、ツアーは色々大変です。
狂言の場合、舞台装置も照明も簡潔だし、基本的に音響装置は使用しないので、
通常、アメリカでのツアーでも当日仕込・当日本番が通常です。
1日目に移動して劇場下見、2日目に仕込と公演、3日目に移動というのが典型的なスケジュールです。
ワークショップが入る場合は2日目の午前か午後の早いうちとなります。

狂言や能の場合、現場でリハーサルは通常しません。
装束付けにだいたい1時間ですから、通常、開場の1時間半ぐらい前に演者は小屋入りします。
ただ、ツアーの1箇所目だけ、字幕合わせのためにリハーサルをお願いしています。
なので1箇所目は仕込もまだ手馴れてないなかで、リハもあるので、それなりに忙しくなります。
リハ後に字幕の修正やタイミングの調整のための時間も必要ですし・・・。

それとツアーで困るのは劇場のサイズがまちまちになることです。
狂言や能の場合は仕込がシンプルなので対応もし易そうですが、
その分、主催者側が準備する会場もちゃんとした劇場から、大きめの教室のようなスペースまで
かなりまちまちになることが多いです。
ただそこであまり贅沢を言っていると、ツアーを組むのが難しくなるので、
演者の方たちの理解と協力を得ながら、上演に向けて舞台設営に工夫することになります。




トロントではすでに自前の能舞台が設営されていましたので、
字幕用のプラズマの設営と、楽屋周りの準備だけで済みました。
トロントへは飛行機での移動だったので、これは助かりました。
またツアー最終地でもあったので、演者の負担も少なくて好評でした。




一方、フィラデルフィアのペンシルバニア大学の会場はガランとしたホール・スペースでした。
バック幕を吊る場所もないので、淡路人形浄瑠璃ツアーでも活躍した仮設ポールセットを持参しました。
で、仕込んだ状態がこちら。

 

 

もうちょっとパイプセットと袖幕を持参しておけば良かったなとも思ったのですが・・・。
まあ、しかし、主催者の方は非常に喜んでくれましたし、
観客も少しですが能舞台の雰囲気を味ってもらえたかなと思える舞台になりました。

ツアーは時間と予算の制限も大きくて大変ですが、工夫して作った舞台を喜んでもらえると嬉しいですし、
地方ごとの人やスタッフたちと交流できるのも魅力です。
そこが逆にツアーの面白さだったりもすると思うのですよ。
にゃほほほほほ。





NYチャイナタウンのマッサージ屋さん、恵生中薬行って

2010年05月06日 | アメリカ徒然日記
 


そんな疲れるほどお仕事している訳でもないのですが、
どうも数年前に鎖骨を骨折してから肩がこるようになってしまいまして。
しかもここしばらく、原因不明の首筋痛に悩まされています。
今日もできるだけ首を動かさないようにして、このブログを書いています。
あ、痛てて・・・・。

まあ、そんなこともあって先日マッサージに行ってきました。
ウェブや日系フリーペーパーで事前調査したところ、
チャイナタウンにあるFishion Herb Center(恵生中薬行)なるお店が良いらしい。
なんでも、アメリカの“ぴあ”こと、タイムアウトNYのマッサージ屋さん特集で
唯一の5つ星を得たお店なんだそうな。
ということで電話で予約を入れて出かけてみた。

107 Mott St New York, NY 10013-4981
Phone: (212) 966-8771




NYのチャイナタウンでも特にレストランが集中しているMott Street。
そのMott Street沿で、チャイナタウンのメインストリートであるCanal Streetから北側に少し入ったところ、
Hester StreetとCanal Streetとの間にあります。
お店の受付は路地を少し入ったところにありますが、
写真のようなビニール製の屋根+サインがあるので割りと簡単に発見できました。

今回は久々のマッサージだったので思い切って背中(1時間)+足ツボ(40分)のロングコースを選択。
料金は背中が$40、足が$25で合計$65でした。
マッサージをしてくれたのはジョンさんという大連出身の中国人男性。
なんでも7年間ほど日本で働いていたそうで日本語がかなり達者です。
マッサージというと結構、モミが強くて痛いと感じるところも多いのですが、
ジョンさんのマッサージは割りとソフトで僕にはちょうど良い具合でした。

1分$1程度が相場のNYのマッサージ業界にあって
1時間$40-45は安いほうだと思います。
受付の女性も感じ良く、施術にも安心感があったので、初めてのお店でも特に不安な感じはなかったです。
また行きたいな、と思ったし。

しかし、人間の心理って面白いですよね。
マッサージ師さんに「うわーこってますね」とか、「こんなに硬い人は珍しい」とか言われると
なんか嬉しくなります。
いやいや、健康な方が良いでしょう。
なのに「悪い」と言われるほど嬉しいのはなぜなんでしょうねえ・・・。

以前、美容院で「僕、髪、伸びるの早いんですよね」と話したら、
美容師さんに「だいたい皆そう言います。」と言われたのと似てるかも・・・。