国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

アメリカで買える舞台備品が日本で買えるサイトって

2010年05月12日 | 海外公演

アメリカ舞台の定番“ギャフテープ”リノリュームを貼るのにも使えます。
蛍光色なんかもあります。つや消し黒は反射も少ないので照明家にも人気。


このブログ、一応「舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。」
なブログなんですけど、実際、どの程度、舞台関係の仕事に従事されている方にご覧頂いているのでしょうね。
というのも、今回のトピックは、テレビや舞台関係の、しかも裏方のお仕事をしていない方には全く関係がありません。
よくホームセンターとかで、工具とかにやたら興奮している男子がいる一方で
全くその面白さが理解できない女子の図ってないですか?
今回はそんなトピックです。

知人がアメリカで販売されている舞台備品の販売の会社をウェブ上で始めました!!
舞台関係の方はご存知のことと思いますが、
舞台やテレビ・映画の市場が日本の何倍もあるアメリカでは、当然、様々な備品が開発され流通しています。
そして多くは日本にも輸出されたりしていますし、
当然、流通してる量も桁違いに多いですから、単価は当然、日本より安くなります。
今まで誰もそういう物品を販売してこなかったのがむしろ不思議なくらいで
僕自身が手掛けても良さそうなのですが、知人に先を越されたので、この商売は無理です・・・。

てな訳で「うらかたや」です。
まだはじめたばかりなので、掲載されていない情報や商品もありますが、
随時アップデートされるのでしょう。
もうちょっとウェブのデザインに凝ったらどうかなあ・・・
「うらかたや」って屋号、どうよう・・・・
とは思うのですが、商品はとりあえず間違いないし、価格も安いですからね。
上手く行くと良いのですが・・・
ご興味のある方はどうぞー



巻きが大きいので経済的!


NYの日系紙に掲載されたシニア劇団のNY公演情報って

2010年05月09日 | 海外公演



一時期、日本ではフリーペーパーの創刊がブームとなりましたが、
NYにも日本語媒体のフリーペーパーが多数あります。
配信記事やスポーツ新聞の特約記事、または地域の情報など様々な特徴がありますが
そんなNY地元紙の1つで、紙面の信頼感に定評があるのが「週間NY生活」です。
配信記事や特約記事よりも、独自取材でNYやコミュニティの情報を丁寧に網羅している印象があります。
また、若者よりも家族持ち世代に、学生よりも会社で働いている人たちにより読まれている印象を持っています。
そのせいか、記事情報は信頼性が高く、真面目で堅い印象もあります。

そんな「週刊NY生活」の5月8日号(301号)に
大阪・箕面市のシニア劇団「すずしろ」のNY公演の記事が掲載されました!!

                


記事は「週刊NY生活」のサイトからご覧いただけます。
サイト上ですべての紙面の閲覧も可能ですから、他の記事も合わせて閲覧されてはどうですか?
NYの日本人コミュニティの様子や、NYでの日本関連の事件やイベント、人物などが伺い見れますよ。


さてさて、それで劇団「すずしろ」のNY公演のチケットを入手されたい方は、こちらのサイトから申し込みが可能です。
劇団員も最後の追い込みに頑張っている様子!
是非、見に来てくださいね~~!!


   


現代音楽界のマイケル・ジャクソンって

2010年05月08日 | 海外公演
 


前回、STEIMについて書きましたが、今夜、ジャパン・ソサエティで、
STEIMアーティストによる「トーク&デモ」イベントが開催されました。
上写真右の向かって左から、
STEIMのアーティスティック・ディレクターdj sniff (aka Takuro Mizuta Lippit),
そして同じくSTEIMアーティストのYutaka Makino,
そしてNYをベースに活動するTomomi Adachi
の日本人アーティストが3人が参加しました。

それぞれ活動の場を求めて日本を離れた3人。
日本とNY、そしてヨーロッパの状況を聞かれ、一般論としては日本よりもNY,
NYよりもヨーロッパのほうが活動はし易いとのこと。
その理由として、やはり政府によるファンディング制度の充実を上げていました。
また、芸術活動に対する社会や世間の寛容さや理解も理由なようでした。
しかし、3人とも“日本を背負って”とか、“海外で一旗上げよう”みたいな気負いは一切なく、
むしろ、より活動し易い環境を求めるうちにアムステルダムやNYにたどり着いた感じでした。


 


トークのあと、Tomomi Adachi氏によるデモンストレーションもあったのですが、
非常にユニークで面白かったです。
現代音楽や即興、前衛音楽と聞いただけで食欲がなくなる方なんですが、
デモということで比較的短い作品を3作品だったので、そんな僕にも程よい感じで良かったです。
1作品目では納豆と湯飲み茶碗の白湯に電極を突っ込み、2曲目では金属の彫刻のようなオブジェを使って演奏。
3曲目では赤外線センターが縫い付けられたジャケットを着て、
電極(?)付きのグラブをはめて踊るように演奏したのですが、
その踊りとボイスチェンジャーの絡み具合が思わずマイケル・ジャクソンを思い出させ・・・。


 
納豆をこねる足立さん。    マイケルもびっくりの現代音楽、そしてダンス!

Adachi氏には、これ以外にもアカペラでボイスだけのパフォーマンスもあってビデオで紹介されてました。
面白いので興味のある人はチェックしてみてくださいな。

とまあ、非常にユニークな夜となりました。
明日は劇場でのコンサートです。
今日のNYタイムスにも、カラー写真入りで公演が紹介されましたからね。
楽しみです~~。







アムスからやって来たSTEIM Mobile Touch Exhibitionって

2010年05月08日 | 海外公演
 


今日(5月7日)から2日間の予定でSTEIM Mobile Touch Exhibitionなる
触って遊べる現代音楽楽器の展覧会がNYのジャパン・ソサエティで開催されています。
この展覧会、アムステルダムに拠点を置く現代音楽アーティストの集団であるSTEIMによるもの。
STEIMとは、Studio of Electro-Instrumental Musicの略称。
つまりは電気楽器を使った音楽スタジオ(集団)ということでしょうか。
すでに40年ほどの活動実績を持ち、様々な国籍の現代音楽家や作曲家、DJ、即興演奏家たちと
緩やかに連携しながら演奏活動やパフォーマンスを実施しています。
実はこのSTEIMのアーティスティック・ディレクターは、Takuro Mizuta Lippit (別名 dj sniff) なる日本人。
こんな風に海外で暮らし、日本を背負い込まずにボーダレスに活動する日本人アーティストは増えています。

それでSTEIM Mobile Touch Exhibitionですが、
主にはコンピューターで制御された手作り楽器(音響器機)の展覧会で、
どれも非常にユニークな造詣で想像力を掻き立てます。

 

このヘッドフォンタイプの楽器は"Music Navigator" といいます。
ヘッドフォンを装着すると、ややビート感のあるノイズが流れてきます。
そのまま頭を前後左右に傾けると、その動きにあわせてノイズも変調します。

 

こちらは"Finger Web"と呼ばれる楽器で、くもの巣状に張られた釣糸に
あやとりか琴の要領で指をかけ、それらを引くと音が出ます。
糸によっても違った音が出ますし、引く強さによって音を変調させることができます。

 

これは箱のふたを開ける角度や、どちらのふたを開けるかで音が変調する"Sound Treasure" "Music Treasure"

 

上写真左は"Voice Scratcher" 設置されたマイクに音声を吹き込み、
その後、木製の小さな樽のような2つのパーツを離したり近づけたり、くっ付けたりして変調させる楽器。
右は木製の小さな箱型の楽器で表面に取り付けられた電極を指で押さえることで音を出し、
指を動かして電極のどこを押さえる位置を変えることで変調さる"Clackle Box"

 

上写真左はパット上で指を動かして音を出す"Sonic Alladin"
右は鏡を覗き込み表情の変化で変調させる "Whistling Mirror"

などなど想像力を掻き立ててくれそうな楽器ばかりで
大人も子供も大いに楽しめるSTEIM Mobile Touch Exhibitionでした!!
(ってまだ明日もやっていますが・・・。)



海外ツアーでは劇場のサイズがまちまちになるって

2010年05月06日 | 海外公演
以前、大蔵流狂言・山本家の北米ツアーについて書きましたが、
掲載した都市以外にもツアーしていて、実質14日間で6都市・8公演行いました。
NYを除く都市では1公演か、せいぜい1公演+1ワークショップだったので、
日程ほどには強行スケジュールにはならなかったのですが、まあ、ツアーは色々大変です。
狂言の場合、舞台装置も照明も簡潔だし、基本的に音響装置は使用しないので、
通常、アメリカでのツアーでも当日仕込・当日本番が通常です。
1日目に移動して劇場下見、2日目に仕込と公演、3日目に移動というのが典型的なスケジュールです。
ワークショップが入る場合は2日目の午前か午後の早いうちとなります。

狂言や能の場合、現場でリハーサルは通常しません。
装束付けにだいたい1時間ですから、通常、開場の1時間半ぐらい前に演者は小屋入りします。
ただ、ツアーの1箇所目だけ、字幕合わせのためにリハーサルをお願いしています。
なので1箇所目は仕込もまだ手馴れてないなかで、リハもあるので、それなりに忙しくなります。
リハ後に字幕の修正やタイミングの調整のための時間も必要ですし・・・。

それとツアーで困るのは劇場のサイズがまちまちになることです。
狂言や能の場合は仕込がシンプルなので対応もし易そうですが、
その分、主催者側が準備する会場もちゃんとした劇場から、大きめの教室のようなスペースまで
かなりまちまちになることが多いです。
ただそこであまり贅沢を言っていると、ツアーを組むのが難しくなるので、
演者の方たちの理解と協力を得ながら、上演に向けて舞台設営に工夫することになります。




トロントではすでに自前の能舞台が設営されていましたので、
字幕用のプラズマの設営と、楽屋周りの準備だけで済みました。
トロントへは飛行機での移動だったので、これは助かりました。
またツアー最終地でもあったので、演者の負担も少なくて好評でした。




一方、フィラデルフィアのペンシルバニア大学の会場はガランとしたホール・スペースでした。
バック幕を吊る場所もないので、淡路人形浄瑠璃ツアーでも活躍した仮設ポールセットを持参しました。
で、仕込んだ状態がこちら。

 

 

もうちょっとパイプセットと袖幕を持参しておけば良かったなとも思ったのですが・・・。
まあ、しかし、主催者の方は非常に喜んでくれましたし、
観客も少しですが能舞台の雰囲気を味ってもらえたかなと思える舞台になりました。

ツアーは時間と予算の制限も大きくて大変ですが、工夫して作った舞台を喜んでもらえると嬉しいですし、
地方ごとの人やスタッフたちと交流できるのも魅力です。
そこが逆にツアーの面白さだったりもすると思うのですよ。
にゃほほほほほ。