
この冬は、中途半端な風邪が長引いていた。風邪っぽいなァ、という初期症状でベンザブロックを飲むと、あっさり治るのだ。しかし、数週間で、また風邪っぽくなって…。それを3回ぐらい繰り返しただろうか。正月明けも風邪っぽくてダルかった。そんな折、両親がサバを喰って当たったらしく、嘔吐と下痢で大騒ぎ。両親の食中毒は軽症で、翌日には元気になっていたが、今度は、俺が本格的にダウンした。
軽い風邪を繰り返していたが、とうとうベンザブロックが効かないレベルになったらしい。フラフラして悪寒が止まらない。トイレに行こうと立ち上がったら、思いがけない吐き気に襲われて、ゲロッてしまった。布団と服が少し汚れてしまったが、何とか吐き気を抑えて廊下に脱出。そこで堪え切れずに残りをゲーロゲロ…。異変に気づいて飛んで来た両親に介抱されながら、苦しさと情けなさに涙まで出た。
自分の部屋を汚したくない一心で廊下に撒き散らしたが、愚息の吐瀉物を片付ける母親の姿を見て罪悪感に潰された。それでも吐き切ったお陰で随分と楽になった。これで眠れるだろう…。しかし、暫くすると、また具合が悪くなってきた。吐き気は治まったものの、悪寒がブリ返し、体中の筋肉と関節がギシギシ痛み出した。腹痛はなかったが、腹もゴロゴロ鳴って、トイレに行くと水の様な便が…。
その夜は、妄想と現実がゴッチャになって、眠っていないのに同じ夢を何度も見た。朝方、朦朧としながらスマホで症状を検索してみると、どうやらインフルエンザのようだ。40年弱の人生で一度も罹った事がなかったので、俺は、インフルエンザにならない人間なのだとタカを括って予防注射すらした事がなかった。しかし、とうとう俺も罹ってしまったらしい。8時を過ぎて、自力でクルマを運転して病院へ。
ヘロヘロになりながら病院に辿り着くと、なんと、臨時休診日だった。一旦、帰宅して、別の病院の診察券を持って再び出発。10月まで骨折で通院していた総合病院へ。この病院は、市内で最も混雑しているから避けたかったんだけど…。受付で症状を言って問診票を記入。受付番号は33番だった。そして、間抜けにも財布を忘れた事に気が付いた。ヘロヘロなのに、またまた帰宅し、またまた病院へ。
待合室の椅子でグッタリ…。読書する気力もないので、ただ耐えながら待つ。1時間ほど待って看護師さんから体温計を渡された。計ってみると、なんと、38.7度。平熱が35.4度ぐらいしかない俺にとって、信じられないような高熱だ。インフルエンザ検査で鼻の穴に綿棒のようなモノを突っ込まれて悶絶…。それから更に1時間も待たされて、マジで死にそうだった。なんで、こんなに混んでいるんだよッ!
インフルエンザ検査は、陰性だった。「実費で4000円しますけど、ノロの検査もしますか?」と医師が言う。両親の食中毒は、たった1日で治ったし、変なモノを喰った覚えがないから違うと思うけど、念の為にノロ検査も受ける事にした。ただの風邪で、こんなに辛いハズがない…。人生初の点滴を受けながら、風呂に入っていない不潔な肛門をグリグリされてノロ検査をした。看護師さんも大変ですねェ。
120分の点滴に苦しんでいると、まさかのノロ宣告を受けた。マジかよッ! どこで喰らったんだろう…。正月3日に靖国神社で喰った屋台メシか? やっぱり、両親からなのか? 70代の父親と60代の母親が軽症なのに、30代の体力バリバリな俺が重症って、そんなバカな事があるのかよ…。風邪で免疫が弱っていたから、モロ、喰らっちまったのだろうか。で、更に抗生物質などの点滴を2つ追加された。
鰍ッ布団を2枚かけてくれたが、それでも寒くて仕方がない。また昨晩の様に妄想と現実がゴッチャになって、眠っていないのに同じ夢を何度も見た。寝返りを打った時に点滴のチューブがズレてしまったらしく、血液が逆流して兜z団に血が零れていた。ナースコールで看護師さんを呼ぶと、血で汚れた鰍ッ布団を没収されて、その後は1枚で我慢。朝9時から2時間も待たされ、その上、5時間半の点滴とは…。
やっと点滴から解放されて受付に行くと、18時になろうとしていた。地獄の1日だったぜ…。治療費も8360円の地獄プライス。処方箋が出ていたが、金も体力もなかったので、後で父親に行ってもらう事にして帰宅。薬を飲んで眠ると、翌日には、ほぼ回復していた。しかし、腹の中にノロが残っていて、2~3週間は、他人に感染する可能性があるらしい。当分、ジムも我慢か…。人生最悪の新年である。
お大事に。