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ブリッジ・オブ・スパイ

2016-02-01 21:58:25 | 活弁見聞録

つれ:「タイトルにスパイと入っていても米ソ冷戦時代の歴史ものだからいきなりド派手なアクションをカマす筈もなく、ここんとこ見慣れてるスパイフィクションに比べるとやはり実話は渋めの出だしだなと思ううちに中盤以降はむしろなまじなスパイものよりよほど緊迫した展開で、ストーリーの大筋はハナからネタバレしてるにも関らず申し分のないサスペンス感が味わえるところはさすが手練れのスピルバーク監督作品だねぇ。
ドンパチの代わりに国際政治の非情な力学が火花を散らすところに往年のボンドものっぽいクスグリをさりげなく交える緩急の心憎さに加えて、アメリカの良心を軽妙に演じるトム・ハンクスさんの芸達者ぶりと重厚なソ連のスパイを演じた役者さんの奥行深い表現が好対照になってるのも大層印象に残る所以じゃないかぃ。
きょう日はU2で検索すればバンド名が出てきてベルリンの壁てぇフレーズも物の喩えくらいにしか登場しないけれど、無人攻撃機と共に未だU2機も現役だしイデオロギーの壁がなくなっても民族宗教の壁を巡る悲劇が絶えない現実を思うに、いい映画を見せて貰ったと感動しつつあの壁の崩壊で世界平和が訪れるかと期待したのも冷戦世代ならではの甘美な幻想でしかなかったと黄昏ちまったよ」

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