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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009-03-21 00:27:01 | 活弁見聞録
つれ:「歳をとるにつれ若返っていくてぇ奇譚自体はけして珍しくはないものの、その一生を一人の相方との純愛を通じて描き上げた大河ロマンスとしてむしろ今時珍しい3時間に及ぶ長尺も気にならない壮大な物語に仕上がってるよねぇ。
 第一次世界大戦直後からほぼ現在まで時系列を追うようなエピソードをさりげなく鏤めつつ若返る男と老け行く女の推移を対比させる手法に隙はなく、手法の見当はつかないけれどおそらくはメイクや合成の粋を凝らしたであろうリアルな老人姿の幼年期にも不自然さがなく、見事なお手並みに見とれてるうちに気が付けば時間が過ぎてるのも何やらテーマに重なる按配だょ。
 年齢が逆行するてぇ設定以外は奇を衒った仕掛けのない至極まっとうな展開で押し出されるとそれだけ齢を重ねる無常感が切実に迫ってきて、我が身も多感なお年頃に戻ったかのように年甲斐もなく残り少ない人生をどう送ったもんかとつい哲学しちまうようじゃないかぃ」
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