のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

11/10/3~13  たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

2011年10月20日 23時41分25秒 | Weblog
20111003 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【要点】

――文科省が福島第一原発から

45キロ離れた地点でプルトニウムが検出されたと発表。

しかし、6月6日、

当番組において、敷地外でのプルトニウムの検出を既に指摘していた

(小出裕章著「知りたくないけど、知っておかねばならない原発の真実」に記載)。

国側は、以前の核実験の結果排出されたもので、

今回の事故とは無関係と主張していたはず。

この点、どう考えるか。


プルトニウムの分析は、難しい。

それで判定に時間を要したということだろう。

ただ、肝心なことは、全地球規模で

色んな核種の放射性物質がばらまかれたということだ。


――危険性をどのように受け止めたらよいのか。

プルトニウムは、

人類が遭遇した最強の毒物であり、

ストロンチウムも危険度の非常に高い核種だ。

しかし、汚染の程度からすれば、

セシウムが桁違いに多く、

除染は、こちらに焦点を合わせた対策を取るべきだろう。

もっとも、海の汚染については、

比重の大きい

ストロンチウムの広がり具合に気を配る必要がある

(比重が大きいほど、重いので水に沈みやすいから)。


――セシウムの帯が首都圏に及び、

千葉県では1平方メートルあたり3万ベクレルから6万ベクレルを記録した。

これについて、どう考えるか。


4万ベクレルを超えれば、

放射線管理区域に指定すべきだ。

日本が法治国家なら、

一般人の立ち入りを許してはいけない。


――ほとんどの人は、背負わされているリスクに気づいていないのではないか…

国が率先して法律破りをしているからだ。

たとえば、緊急時避難準備区域への一時帰宅を認めた。

しかし、あの区域は、4万ベクレルどころじゃない、

10万ベクレルないし20万ベクレルもある。

そんなところに一時でも住民を戻していいはずがない。


――シーベルトとベクレルの単位の換算の仕方が難しい。 

「年間積算量1ミリシーベルト以上」

という言い方が記憶に残っている。4万ベクレルを超えると言うのと、同じに考えてよいか?


それで、結構。


――福島県内の5ミリシーベル以下の個所も、除染のため国が補助する対象に含める

という細野原発担当大臣の発表があった。

しかし、除染すべき地域が福島県に限られないとすると、相当な広がりを見せ、

一体どれくらいの資金が必要なのか。


東電の賠償額につき、何兆円と言われたりする。

しかし、実際は、何百兆円とかかるだろう。


――政府は、知らないのか。

当然知っている。

少なくとも専門家は、理解している。


20111004 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【要点】

――リスナーから、九州玄海原発4号機の復水器に事故が生じたことに関し、

質問が来ている。それにつき、どう考えるか。


玄海原発は、加圧水型の原子炉だ。

これは、福島の沸騰水型の原子炉とは異なり、

放射能によって汚染された蒸気が

直接タービンを回さない。

二次系と呼ばれる

一次系(原子炉を冷やす水の循環系)とは別の隔離された装置内で、

間接に蒸気が発生させ、

それによってタービンを回す。

従って、保守管理がしやすく、

放射能漏れ事故が

起こり難い利点がある。

今回のトラブルは、復水器だけの故障ということで、

多分、放射能は漏れていないと思われる。


――福島県の子どもたち130人の健康調査があった。

調査を行った長野県松本市のNPO法人、

日本・チェルノブイリ連帯基金と信州大学病院の発表によると、

10人につき、

甲状腺ホルモンが基準値を下回るなどの

機能の変化が見られた。

どう思うか。


放射性ヨウ素が

拡散する様子をシュミレートする

スピーディの計算結果を

事故後、直ちに公表すべきだった。

しかし、発表は半月後になされ、

広範な地域の子どもたちに

本来なら、ヨウ素剤を服用させるべきなのに、

何もすることもなく、

500ミリシーベルトの被ばくをさせてしまった。

最終的な結果としては、

甲状腺がんが5年を過ぎた頃あたりから、

恐らく顕著に見られるようになる。

今回の調査は、その前駆的症状を調べるために

なされたものだろう。


20111005 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


【要点】

――政府機関である放射線審議会基本部会が

国民の一年間の被ばく許容線量の基準を変えようとしている。

具体的には、年間積算量1mSv(単位mSvは、ミリシーベルトの略記号)を

1mSvから20mSvの間で数値を決め直そうようということだ。

どう思うか。


まずは呆れた。

広大な土地を放棄せざるを得なくなっている現状があるにしても、

身勝手な国だと思う。
 

――仮に、20msvになったとすれば、

どのような事態が予想されるか。


私が敬愛する

ゴフマンの評価で説明するならば、

1mSv基準では1万人の内、4人がガン死する。

20mSvになれば、その20倍。

80人がガン死する。

0歳児の赤ん坊は、

感受性が高く、大人の4倍の影響を放射線から受ける。

ということは、1万人の赤ん坊の内、320人がガン死する。

子どもに責任がないことを考えると、

容認できない結果だ。


――国民を害する選択が政治ということなのか。

結局は、国民がこんな結果を生み出す

原発を見逃しにするのか、

という問題に帰着するのだろう。


――前原政調会長がある人事をした。

エネルギー政策見直しプロジェクトチームの座長に

大畠(章宏)さんという人を就けた。

元経済産業省大臣であり、

日立の技術者として原発プラントの設計もし、

原発推進に力を注いできた人物だ。

知っていたか。


はい。

前原さんは、もともと原発推進派だった。

彼の威光で民主党全体でやって行こうということだろう。

しかし、間違っている。

彼は、確か

松下政経塾のメンバーだったはずだが、

幸之助さんが泣いているだろうな、と思う。


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