【高橋信之特選7句】
★桜ミモザ束ね山より下りてきし/高橋正子
日常の一齣を切り取った句だが、生活の拡がりがある。「桜ミモザ」は、山から来て、部屋を飾ってくれるであろう。日常の生活に詩がある。(高橋信之)
★先生と桃組さんは春の土手/甲斐ひさこ
先生と園児達が春の土手で、にぎやかに可愛らしいお花が咲いたようです。(石井秀子)
★残る鴨みずから生みし輪の芯に/かわなますみ
静かに池か濠に浮かぶ一羽の鴨を観察されている作者の姿が浮かびます。「みずから生みし輪の芯に」という表現はゆっくり広がっていく水輪とともに、幅広い想いを生んで深いものが感じられます。(岩本康子)
残り鴨の描く同心円の芯(中心)に自身が存在するという小さな宇宙観を感じます。(飯島治蝶)
★比良を背に菜の花明かりひろびろと/黒谷光子
近江平野に広がる菜の花畑が明るいですね。「朧月夜」の歌を思い浮かべます。(多田有花)
近江の美しい春がぱ~っと思い浮かび、好きな句です。(甲斐ひさこ)
★樹齢知らず万の芽抱く大公孫樹/渋谷洋介
★全山に花揺れやまず匂いけり/尾弦
★花の上に花咲き空の近くなる/池田加代子
【高橋正子特選7句】
★朝の日に影を伸ばして牡丹の芽/野田ゆたか
牡丹の芽が朝日を受けて影がすっと伸びている。芽を持つ牡丹の朝の影がしっとりとしている。(高橋正子)
★残雪の山間(あい)ぎっしり闇つまる/志賀たいじ
残雪の山と山の間は、ぴったりと隙間なく闇。残雪と闇との間に何もゆるさない自然が毅然としてある。(高橋正子)
★地虫出づ空青々と雲もなく/大山 凉
雲ひとつなく空青々と晴れた春の空だ、啓蟄の空である。作者は虫を見たであろうか、見なくともそうに感じただけでいい、「地虫出づ」の季語が活き活きしていて明るいこの句が好きです。(志賀たいじ)
地上に出た虫が見る大きく晴ればれとした世界、春となったよろこびがおおらかに詠まれていて、読むほどに味わいを深くします。(臼井虹玉)
★翳りつつ己がひかりを夕木蓮/宮地ゆうこ
夕暮れに咲く木蓮の静かな美しい趣の深さを感じます。(藤田洋子)
★いぬふぐり今年は今年の地図広げ/竹内よよぎ
花から少し離れて花の群れを見つめる作者。この花の状態を今年1年という大きな景に詠み上げられていて好きな句です。(野田ゆたか)
いぬふぐりの地面に広がっている様子を地図にたとえられたことが素敵です。(黒谷光子)
★残る鴨みずから生みし輪の芯に/かわなますみ
水輪のひろがりに残る鴨の姿が静かです。「みずから生み」「輪の芯に」は高潔な宇宙を感じます。(宮地ゆうこ)
自立して生きる強さ、人生観の深さに根ざす、作者の確かな目に感動し、感服いたしました。御句に接した後には、時々、輪の芯にいる茶色の、なぜか雄鴨が目に浮かんできます。感動をありがとうございました。(竹内よよぎ)
★全山に花揺れやまず匂いけり/尾弦
▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。
★桜ミモザ束ね山より下りてきし/高橋正子
日常の一齣を切り取った句だが、生活の拡がりがある。「桜ミモザ」は、山から来て、部屋を飾ってくれるであろう。日常の生活に詩がある。(高橋信之)
★先生と桃組さんは春の土手/甲斐ひさこ
先生と園児達が春の土手で、にぎやかに可愛らしいお花が咲いたようです。(石井秀子)
★残る鴨みずから生みし輪の芯に/かわなますみ
静かに池か濠に浮かぶ一羽の鴨を観察されている作者の姿が浮かびます。「みずから生みし輪の芯に」という表現はゆっくり広がっていく水輪とともに、幅広い想いを生んで深いものが感じられます。(岩本康子)
残り鴨の描く同心円の芯(中心)に自身が存在するという小さな宇宙観を感じます。(飯島治蝶)
★比良を背に菜の花明かりひろびろと/黒谷光子
近江平野に広がる菜の花畑が明るいですね。「朧月夜」の歌を思い浮かべます。(多田有花)
近江の美しい春がぱ~っと思い浮かび、好きな句です。(甲斐ひさこ)
★樹齢知らず万の芽抱く大公孫樹/渋谷洋介
★全山に花揺れやまず匂いけり/尾弦
★花の上に花咲き空の近くなる/池田加代子
【高橋正子特選7句】
★朝の日に影を伸ばして牡丹の芽/野田ゆたか
牡丹の芽が朝日を受けて影がすっと伸びている。芽を持つ牡丹の朝の影がしっとりとしている。(高橋正子)
★残雪の山間(あい)ぎっしり闇つまる/志賀たいじ
残雪の山と山の間は、ぴったりと隙間なく闇。残雪と闇との間に何もゆるさない自然が毅然としてある。(高橋正子)
★地虫出づ空青々と雲もなく/大山 凉
雲ひとつなく空青々と晴れた春の空だ、啓蟄の空である。作者は虫を見たであろうか、見なくともそうに感じただけでいい、「地虫出づ」の季語が活き活きしていて明るいこの句が好きです。(志賀たいじ)
地上に出た虫が見る大きく晴ればれとした世界、春となったよろこびがおおらかに詠まれていて、読むほどに味わいを深くします。(臼井虹玉)
★翳りつつ己がひかりを夕木蓮/宮地ゆうこ
夕暮れに咲く木蓮の静かな美しい趣の深さを感じます。(藤田洋子)
★いぬふぐり今年は今年の地図広げ/竹内よよぎ
花から少し離れて花の群れを見つめる作者。この花の状態を今年1年という大きな景に詠み上げられていて好きな句です。(野田ゆたか)
いぬふぐりの地面に広がっている様子を地図にたとえられたことが素敵です。(黒谷光子)
★残る鴨みずから生みし輪の芯に/かわなますみ
水輪のひろがりに残る鴨の姿が静かです。「みずから生み」「輪の芯に」は高潔な宇宙を感じます。(宮地ゆうこ)
自立して生きる強さ、人生観の深さに根ざす、作者の確かな目に感動し、感服いたしました。御句に接した後には、時々、輪の芯にいる茶色の、なぜか雄鴨が目に浮かんできます。感動をありがとうございました。(竹内よよぎ)
★全山に花揺れやまず匂いけり/尾弦
▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。