オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

5月句会入賞句/金・銀・銅賞

2006-05-03 18:21:48 | 5月句会
【金賞】
★山々を映し代田のつながれり/池田多津子
代田に水が入ると代田は一面の水につながる。そこにいつもの見慣れた山々が姿を映し、新しい風景を作っている。田植え時の風景がさらりと詠まれた。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★麦の香のほのと寄せ来る砦跡/井上 明
砦は今は昔のこととなり、高台にその跡が残るのみ。その砦の跡に、熟れ麦の香がほのかに寄せてくる。郷愁の句。(高橋正子)

★そよぐものみな軽やかに五月来る/臼井虹玉
五月のさわやさに、そよぐものは、みな軽い。若葉もかろやかにそよぐ。洗濯物も。もろもろの軽さが、心まで軽やかにしてくれる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★新緑の光の中へ駆け出す児/藤田裕子
新緑のあふれる光へ、駆け出す幼子もまた、光のようだ。いきいきした季節には、幼子もいきいきと活動する。(高橋正子)

★校庭の記念の大樹楠若葉/伊藤華将
どっしりとして、なにも隠すところのないおおらかな句。楠を記念樹とした生徒たちは、楠の若葉が茂るように、頼もしく成長していることであろう。(高橋正子)

★青時雨少年漕ぎ出す車椅子/希往来
車椅子で青葉を降る雨の中へ出て行くには、「漕ぎ出す」というほどの力がいる。まるで、ボートでも漕ぎ出すかのような少年の姿が、たくましい。(高橋正子)

※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。