オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

入選Ⅱ/正月句会

2006-01-10 17:14:25 | 1月句会
【入選Ⅱ/17句】

★すやすやと幼子着膨れ腕の中/高橋秀之
幼子がすやすや眠れる、平和な年でありますよう。(渋谷洋介)
安住の場所、腕の中ですやすや眠る子、寒くないように気を配られた着膨れ、恵まれた子供ですね。(河野一志)

★六脚の椅子の埋まって二日かな/渋谷洋介
お正月の久しぶりの家族の団欒。賑やかで幸せに過ごした喜びを感じます。(大山 凉)
さりげない描写の中に、新年を迎えた家族の幸せが詠まれています。(中村光声)
家族6人で揃って平和なお正月。現代では失われかけている平和な光景ですね。お正月を新しい感覚で詠まれた句だと思います。(岩本康子)

★空札の声ほのぼのと歌がるた/野田ゆたか
競技歌留多の世界とは異なり、家庭内での読み手交替ごとに、から札(私の場合:瓜売りの・・・でしたが、)が読まれ、いよいよ気合が入るところでしょうか?数十年前の我家の状景を思い出させて呉れた句でした。(佐藤 貴白草)

★風花のきらめき翳す手を逸れる/志賀たいじ
雪がちらつく中にも、暖かい日が差している風情を感じました。(高橋秀之)

★初雀日輪の中の空に翔び/大山涼
新年の清々しい空を雀が飛ぶ風景が上手く表現されていて好きな句です。(篠木睦)

★大雪や鉄路に点る赤信号/長岡芳樹
今年の雪を活写して、赤信号が強く印象的です。豪雪お見舞い申し上げます。(霧野萬地郎)

★餅花や老舗の奥に竿秤//作者不明
老舗がまた新たな年を迎えました。今は使われていないであろう竿秤も昔のままの老 舗に、餅花が飾られています。落ち着いた中にも、はなやいだ新年の景があります。(飯島治蝶)

★七草粥足らぬひとつを語りつつ/木村修
七草を全部揃えるのは大変という発想は、多いと思いますが「足らぬひとつを語りつつ」と捉えた感覚に感心しました。(古賀一弘)

★老若の御慶それぞれ承る/矢野文彦
少しかしこまってする年始の挨拶、年配の人はさりげなく、若い人はすこし気恥ずかしく、新年の挨拶の様子が伝わってきます。(黒沼風鈴子)

★雪止みてパン工場の香過ぎゆけり/河ひろこ
「パン工場の香」が新鮮にひびきました。「パン屋」ではないところに句のスケールを感じます。(尾 弦)

★重過ぎる雪の結晶日本海/佐藤貴白草
★初鏡三十路の紅を選びたり/かわなますみ
★葉牡丹の雫煌く朝かな/中村光声
★窓にみな吹雪貼り付き朝日受く/作者不明
★残照を透かすポプラの枯木道/霧野萬地郎
★追羽子の記憶に鳴れる硬き音/臼井虹玉
★蓋取れば土鍋青々薺粥/大山涼