オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

金・銀・銅賞/7月句会

2006-07-08 18:24:38 | 7月句会

【金賞】
★水着の子太き腕(かいな)で水を切る/飯島治蝶
水を切って泳ぐ子どもの健康でたくましい姿が、明快に詠まれている。腕を上げ、たくましく水を切る場面がクローズアップされ、一枚のポスターを見るようだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★風立ちて時空を渡す天の川/篠木 睦
天の川の表現として、「時空を渡す」は、よく言われることかもしれないが、この句のよさは、天の川の下に立って、「風立ちて」と感じたところである。天の川の下にあって、風を感じる。そのことが、むしろ時空を感じることになっている。 (高橋正子)

★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし
棚田は、まさに水平だ。「積み上げ」ているから、なお、実感として受け入れたのだ。「青時雨」の抒情が句を整えた。(高橋信之)

【銅賞/4句】
★伸びゆきて山に色なす今年竹/池田多津子
今年竹の色は、万緑の山にあって特別で、あかるい緑を置くことになる。「伸びゆきて」の措辞がうまく働き、伸びやかな句になっている。(高橋正子)

★日暮より向日葵向きを緩めたる/碇英一
向日葵は、たくましい。一日たくましいかというと、そうではなく、日暮れからは、その力を緩める。かっと照りつける日には、力強く真向かい、入日には、ゆるやかに向きを変える。緩急が、太陽とともにある向日葵である。(高橋正子)

★満山の音かき集め西日去る/木村 修
一山のもろもろの音、木々のざわめきなどをすべてかき集めて、西日は静かに、おもむろに沈んだ。音を引き連れて沈んだのだ。日が沈むときの静寂と残照を詠んだ。(高橋正子)

★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
子どもらが、蜻蛉を追って補虫網を振り回す。蜻蛉は、風の吹く高さを飛ぶから、子どもたちは、風の高さに網を振る。高く差し上げられた網と、ひろびろと吹く風を飛ぶ蜻蛉が涼しげである。(高橋正子)


3 コメント

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御礼 (飯島治蝶)
2006-07-09 12:40:09
正子先生、「水着の子太き腕で水を切る」の句を金賞に御選並びにコメントを頂き、誠にうれしくまた、ありがたく存知ます。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
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金賞、おめでとうございます。 (岩本康子)
2006-07-09 14:17:20
「水着の子太き腕で水を切る」、信之先生の句評を拝見して、なるほどと思いました。 見逃してしまった自分が大変悔やまれます。 毎日接する子どもたちへの愛情が感じられる句ですね。
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お礼 (碇 英一)
2006-07-09 17:31:51
正子先生「向日葵」の句を銅賞にお採り上げ戴きまた丁寧な句評を賜り有難うございました。
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