輪島市三井町にある能登空港ターミナルビル1F能登の旅情報センターのガラス展示ケース(到着口近く)に少し古びた人形が飾られています。
この人形は米国人宣教師シドニー・ギューリックの提唱により、昭和2年に「世界の平和は子供から」のスローガンのもとアメリカから送られてきた友情人形(青い目の人形)11,970体のうちのひとつで、間垣の里として知られる輪島市大沢の近くにある輪島市立西保小学校(原田校長・児童数19名)で保管されているものです。
青い目をしたこのかわいい人形の名前は「メリー」で胸を押すと「ママー」と呼んだり、寝かすと目を閉じたりし、多くの子供たちに喜ばれ歓迎されたそうです。着ている洋服は贈られてきた当時はピンク色だったそうですが、長い年月のうちに色が褪せて今は白っぽくなています。
日米友好親善の思いを込め贈られてきた「メリー」ですが、贈られてきた友情人形の多くは太平洋戦争の激化とともに敵国アメリカの象徴とばかりに子供たちの目の前で壊されたり焼却され、ほとんどが失われてしまいました。現在確認されている青い目の人形は200~300体程度で、石川県内では3体、能登にはこの1体しか残されていません。
戦時中、多くの友情人形が悲惨な最後を迎える中、西保小学校(当時は西保国民学校)植村校長は「メリーに何の罪があろうか」と人目につかない所に隠し、戦後も30年に渡り大切に守られ続け、昭和50年にようやくその存在が公表されました。
今は西保小学校玄関に展示され子供らに親しまれている「青い目のメリー」ですが、今回2009年7月3日から始まった能登ふるさと博を機会に能登が守り続けた大切なもの(秘宝)のひとつとして、多くのひとたちにその存在を知ってもらおうと能登空港で特別に展示公開されることになったそうです。能登空港での期間は2009年7月3日~8月31日までで、夏休みが終わる頃には西保小学校へ帰りいつものように子供たちをやさしく見守るそうです。
「青い目のメリー」を通して、友情や優しさ、そして戦争が生み出す悲劇について考えるきっかけになるといいですね。
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