臍曲がりの独り言

行動記録と私見

「国防の真実」こんなに強い自衛隊

2007年06月29日 | 書籍紹介・評
先の戦争中私は大学の工学部機械科の学生で、当時理工系の学生は入営延期処置で軍隊には行きませんでしたが、海軍の艦政本部に動員されたりして、当時の一般には知られざる日本海軍の技術情報を教えられたことがあります。
例えば戦艦大和の本当の大きさ、搭載した18吋の主砲の大きさと威力等は一般国民には知らされて無かったが、敵国側には情報は漏れいたが、残念ながらまだ造れなかったと言う事実等を知らされ感激したものです。戦後、軍隊と公称出来なく自衛隊という名前にはなったものの、温存され又開発された知られざる最新の我が兵器が如何なっているか興味津々でしたので、この本を図書館から借り出して来ました。

陸上、海上、航空の各自衛隊の装備してる最新兵器の現状に驚くと同時にまだまだ我が国には誇れる技術が温存されていると知りました。

数年前、海兵出身の中学の同級生に誘われ、横須賀に輸送艦「おおすみ」(排水量8,900頓、全長178m)を見学する機会に恵まれた時の驚き、なんだ之はどう見ても航空母艦ではないかと思われる全通甲板、横島型の艦橋、艦載機を出し入れできる大型リフト2基を備え、最近インド洋津波災害でスマトラ島に派遣され大活躍をした実績があるが、今は之より更に大きい13,500頓の同型輸送艦でなく新型護衛艦として建造中だそうである。(将来いつでも空母に変身できることを睨んでいるようであり、またいつでも空母を造る能力を持っている実力がある証明と考えると心強い)

戦闘機のみならずジャンボ機の機体、翼等はどんどん炭素繊維製に変わりつつあり、その炭素繊維は独壇場的に日本で作られつつあるという事実、搭載されているフェーズドアレイレーダーも日本で開発されたものであると言う事実、高度の技術レベルで世界中を席巻してる電化製品や民生用電子部品が武器に転用されている事実、等々沢山あるが、敗戦国であるが為米国から航空機の製造を禁止され、全て米国製の物を使用させられてきた事実がここへ来て漸く自国製の物になり出しました。例えば P3C哨戒機や C1 輸送機が川崎重工業により次期 PX, CX として民間への転用も考慮されながら完成に至ったようで、戦後60年を経てやっと自国製になるようで大変喜ばしいことと思います。

何れにせよ現自衛隊の装備についてこの本は解説してますので、昔から自分の武器は自分で作って来たという日本の伝統を思い起こし、又武器輸出三原則で輸出が認められないというハンデが逆に他国に利さない機密保持に役立つという利点もあって、我々技術者の端くれには恰好な勉強になる本だと思います。

エンジニアは要必読!!