4月28日 39回目の優しい子倶楽部。今回から武蔵先生に習って「Navigating the Social World」に紹介されたエモーション・メーターのアイディアを取り入れた「優しい子メーター」の使用を開始した。自分の感情の強さについて定量的な感覚を学ばせ、人の気持ちを推し量る時に同様に定量的に判断できる様にする訓練である。今回は初回なので、「優しい子メーターというのをこれから使うよ」程度のほんの触りの段階であった。
夜、このことを書こうかと思ってPCに向かいメールのチェック等行っていて、ちょっと気になるブログ記載に出会った。「星に願いを」、マドさんのブログである。「障害児プール=なんだよ〜!と思ったこと 」という題であった。そちらにコメントを書こうかとも思ったのだが、この場で少し考えてみたいと思った。で、優しい子メーターの話は次の機会に譲ることにした。
詳細は分からないので、民間か公営かすら不明であるが、東京に「障害者プール」なる催しを行っている施設があり、マコちゃんは2回目の参加(1回目は面接だけで、このプールに入ったのは初めてであったらしい)。指導員が自閉系のお子さんの特性を理解しておらず、思わぬいやな思いをしたことが綴られていた。詳しく知りたい方は
http://blog.so-net.ne.jp/MADONNA-DREAM/2007-04-28
をご覧あれ。
いろいろ、思うことがある。
この「障害者プール」がどの範囲のハンディーキャップをもったお子さんを対象にしているのかは不明であるが、少なくとも面接を受けたうえで参加している以上は自閉系のお子さんを包括する活動であることは確からしい。専門性を持たない専門家?が大手を振って指導している、運動系の活動に有りがちと言えば、語弊があるかも知れないが、珍しいケースとは言い難い事例である。
基本的にはこういったケースの指導者はハンディーキャップを持っている人を見下している場合が多く(従って、命令口調になる)、その個性などには全く目をやらず、同じ色合いを持った人たちとして捉えがちである。加えて言葉多く説明して上げているのだからという、妙な押し付けがましさを持ち、自分がその分野の専門家気取りでいるから、敵わない(「正に馬鹿に付ける薬はありゃしない。」ということを絵にかいたような存在だ。)。悪口はともかくとして、マコちゃんにとっては、とんだ災難であったに違いない。
こういった運動系の活動は、例えばリトミックや感覚統合運動も含めて、自閉症児には「nice to have~あったら良いかも」程度のものであり、療育活動の根幹となり得るものではない。本質はあくまでも、楽しみを増やし、生活に豊かさを加える補助的なものである。であるからこそ、大切なことは、何よりも子ども達がその活動を楽しめることが第一である。主役はあくまでも子ども達。「勘違いした指導者のためにあるのではない。」ということが前提である。一般の療育活動と言えどもそれは例外ではない。
ヤッちゃんは年中児の時から上越市にある民間の水泳教室に通っている。この教室は一般向けのもので、特に障害者対象を謳っている訳ではないが、クラス等級の設定がスモールスッテプであり、強化刺激の設定も適切である。何よりも指導員をはじめ職員の対応が良いところが気に入っている。この企業は英会話教室や小学生向けの塾も経営しているが、障害者療育とは無縁である。では何故? そんなに上手く運営されているのだろうか? 私は子どもを主役に置いているからに他ならないと思える。だからこそ、ヤスはこれを楽しみに通っていける。これが一番大事なポイントだ。人としての優しさがあるかどうかと言ってもよい。
さて、問題の障害者プールの場合は、そう簡単に方向転換することは、難しいかも知れない。暫くは自己支援ツールを持たせてあげて、補って行くのが良いかも知れない、等と思う。