ヤッちゃんパパ奮戦記

HFAの息子に啓発されて、化学を専攻した小父さんが畑違いの自閉症療育の世界へ。50の手習い、子育て奮戦記…

言語発達学 !?

2007-06-25 21:39:40 | 星槎大学


23日、24日は言語発達学のスクーリング。

スクーリングに対しては、自分でもかなり「慣れ」みたいなものが出てきた感じがする。カウンセリング Iで顔馴染みになった方もかなり多いし(とは言っても、カウンセリング Iでは本名を名乗らなかったこともあり、今一つ顔と名前が一致しないのではあるが)、講師の伊藤一美先生は一ヶ月前に認知心理学を受けた先生と言う安心感(授業スタイルも分かっているし)があるせいかも知れない。

初日、例によって始業1時間前ほどに会場に到着。伊藤先生は既に到着されていた。優しい子倶楽部をやっていて、最近ちょっと疑問に思っていて、如何考えたら良いか尋ねてみたいと思っていた事柄があったので、早速質問に事務室まで出向いて行った。
『どちらかと言うと認知心理学分野の質問なのですが、教えて頂きたいことがあるのですが。』と切り出すと、
『え、認知心理学の方は今日準備してきていないので、旨く答えられるかな?』
といった前置きがあったが、子どもの指導の仕方について、こちらが見落としていたポイントを的確に素早く教えて下さった。この話は今週末の優しい子倶楽部で試してみてから詳細を報告するが、正に目から鱗的な話が何の衒いもなく、さっと出てくるところがこの先生の凄いところである。脱帽!

講義は相変わらずのの早口!と言う感は拭えなかったが、内容的には充実していた。

11時半頃の休憩時間に私にしてみれば、思わぬハプニングが起きた。広島サテライトからコンタクトがあり、大学の理事長から伊藤先生への語り掛けとして始まった会話である。先週芦別の本校であった文科省の査察の状況と大学の経営、更には教員の給与をどうのと言う話である。50名近い学生が聞いてといる前で話す内容とはとても思えない内容であった。ことによったら、学生に聞かせることを敢えて意図した発言であったのかも知れないが、もしそうであったのなら、その考え方は大きな間違いに思えた。少なくとも私の本職の世界では顧客(大学では学生が相当する)に聞かせるべき話ではないことは歴然とした内容であった。だから驚いた!! 更に、それが予定した休憩時間を越えて本来の講義時間に食い込んでまで長々と続いたのである。何をか言わんやである。私の会社の仲間のノリで言えば「このオッサン、いい加減、壊れとるで!」という感じであった。更に3時半の休みにももう一度!これでは、下の者は苦労するわな。

詰まらん話はともかく、グループディスカッションもなかなか、楽しいものがあり、とにかく授業内容は充実していた。グループのメンバーに野口桂子准教授が居たのもちょっと異例だったかな? 野口先生は特別支援教育コースを取り、LD学会の資格獲得を目指しておられるそうだ。

教室で隣の席に座られ、同じグループのメンバーになられた、同年輩の男性が居た。都内の小学校の副校長さんで、なかなか話が合ったので二日目の放課後、青葉台で一杯呑むことに相成った。いろいろ話していたら、何と私が出た大学の同じ理学部、私は化学科、彼は数学科卒業と分かって、しかも彼の方が先輩ではあるが、同じ時期に同じキャンパスに通っていたことにもびっくり! 世間は結構狭いものである。尤も学生時代に会ったかどうか問われれば、全く分からない。流石は大学、大きな学校である。

さて、この言語発達学、なかなかの曲者である。事例研究がテーマの中心であるのだが、よく読むと、言語ではなく、非言語コミュニケーションにこそ問題がある児童が対象。レポート如何まとめるかね?スクーリング終了試験が返却されてから提出という指定が掛かってしまった。でも、先の認知心理学1ヶ月たった今でも帰ってきてないしね!ということで、今晩から取り合えず取り掛かることにした。
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とやま特別支援学年報

2007-06-20 22:42:00 | とやま発達研


一寸古い話題である。

昨年末に武蔵先生から「発達研」の年報を発行するという話を伺った。12月末を申し込みの締め切りにして、発達研で発表した内容をまとめないかとのお誘いがあった。原稿自体の締め切りは1月末ぐらいであったかと思う。既に優しい子倶楽部の活動も1年半ほど経過しており、一昨年発達研で発表した段階からは進んでいた。

「第一巻に載るというのはカッコいいよ。」と笑いながらお誘いを受けた。くすぐったい限りである。既に星槎大学への入学を決めており、SSTとRDIを中心としたテーマで卒論まで研究活動をしようと決めていたので、ちょっと複雑な思いで迷った。卒論は当然未発表の内容である必要があるからだ。

3月末にこの年報の第一巻は「とやま特別支援年報」として発刊された。主に富山大学人間発達科学部付属養護学校を基盤とした研究活動の報告がまとめられており、その多くは発達研で発表された内容でもあり、私のDVDライブラリーになっている物も多い。

5月の発達研が、本業の業績検討会議と重なってしまい、出席できなかったため、先週の6月の会合時に水内先生から2カ月以上遅れて入手した。ちょっと目を引いた記事があった。本文ではなく巻頭言である。旧東京教育大学の小林研で武蔵先生の大先輩に当たる藤原義博先生(前上越教育大学大学院教授、現筑波大学特別支援教育センター所長)の小文であった。曰く;

現在でもそうだが、多くの養護学校における校内研究や授業研究の在り方は、そのほとんどが自閉症を代表とする指導に困難を有する児童・生徒の「事例研究」が主流である。しかし、私にはそこにおける課題は、事例研究の対象として取り上げられる児童・生徒の固有の問題ではなく、実は全てのクラス児童・生徒に必要な教育的支援や配慮の問題に思えるのである。むしろ、現在の知的障害教育においては、全体にそうした教育的支援や配慮に対する認識が不十分なために、“はみ出す”児童・生徒が目立ってしまうのではないかと考える。しかも、そうした“はみ出した”児童・生徒への教育的配慮が、個別的な手厚い人的配慮にゆだねられていることに課題があると思われるのである。(中略)この4月からこれまでの特殊教育は特別支援教育へと大きな制度的変換を迎える。しかしながら、この制度の変革が真に教育的成果の変革を生むものとするためには、教育内容及び教育方法の変革を伴うものでなければならない。

インクルージョンとは、正にそういうものであろうと思える。しかしながら一方で、教育・療育の手段を学び、微力ながらでもインクルージョンに寄与したいと思い、学ぶ立場の難しさは、藤原先生が指摘されるように、指導成果のイメージを我々が如何に持てるかという点にあると言えよう。指導成果のイメージとその見通しは、適切な指導を現場で行って初めて分かるものであり、実施した者にしか分らないという性格のものであるのではと思えるからである。言葉を換えて言うなら、誤った認識、プライド、専門意識こそが実は大きな弊害ということになる。我々は学びの前には謙虚であるべきだと、つくづく思う。
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國分康孝 師 の 著作

2007-06-18 21:46:12 | 書籍


今日、白木先生から昨日の書込みにコメントを頂いただけに、この題は照れくさい。さして國分康孝師について詳しいわけでもなく、面識があるわけでもない。偉そうに書評を書ける立場でもない。

ただ、ちょっと感じ入ったのと、「カウンセリング I」の講義の中で、この書籍の紹介があり、私がたまたま読んでいたこともあったので、触れてみたい。

5月22日の書き込みに三部作として國分師の著作を紹介した。そのうちの一冊、「カウンセリングの原理」は上越に置いて来たので、今日は触れない。

「カウンセリングの理論」は柴田先生も紹介されていたもので、1980年、27年前に初版第一刷が発行された。柴田先生が個人的に皮装にされていた本は10刷、私の本は39刷で、内容的には未だ初版本で同じ。価格も¥2,300.-で同じ。昔買った方が割高だったか、以前から読めた方が安上がりだったのかは良く分からない。

内容的にはカウンセリング定義から始まり、各理論の解説をしている。行動分析派の私からすれば、行動理論の説明は少し不正確に思えるが、そんなことより、彼の折衷理論の説明には、多大の感銘を受ける。私は昔から、自閉症児の幼児療育について、ポーテージなりTEACCHなり、とにかく「良いとこ取りすべき」だと説いて来た。RDIにしてもそこから何が抽出できるかが大事だと主張してきた。この考え方は、國分師の説く折衷理論と何等変わらない。「折衷」という言葉は中途半端というイメージを時として与えるかもしれない。が、そういうことではない。柔軟性を持ってことに当たれという教えである。

「カウンセリングの技法」は、講義であったコーヒーカップ法の解説である。こちらは38刷初版本。¥1,700.-である。後半に応用事例も載っている。

二冊目の方に、強いメッセージを受け取った。カウンセリングの倫理というところである。國分師は次のように言われる;

『カウンセラーの倫理を二つ挙げたい。第一は秘密保持であり、第二は勉強である。』

第一はカウンセラーにとっては自明の理である。第二について師は言う

『勉強という場合、私は次の三つを意味している。一つは実証的研究である(これは実際に経験を積まなければならない)。第二は読書である。第三は耳学問である。読書について、ある一冊の本を読んでいなかったばかりに不適切な助言をしてしまうことがある。耳学問もそうである。耳学問を軽蔑する人もいようが、会話や講演から自己盲点に気付かされることがよくある。要約すればカウンセラーにとっては知的貪欲も倫理である。』

その通りと思う。十数年前所属していた会社で、組織のシニアマネージメントとして、部下に「本を読め」と私は良く薦めた。営業スキル、マーケティング、マネージメント、企業人として人を育てるとき大切なポイントである。広く知識求め、その中から何かを抽出し、自分流の考えをまとめ、実践し、検証する。企業人として成長するためには大切なことである。合弁事業の相方として、私の直属の上司となったその企業の社長は私のこの指導にこうコメントした。

『本を読んで物が売れるなら、誰も苦労しない!』

これはある意味正論である。その通り。しかし、本を読まない人は、それまでということである。何も「本の通りにしろ」とは誰も言っていないのである。読み取れ。自分なりに解釈して試してみろ。人の意見を聴いて視野を広げろ。と言っているのである。ヒトとして成長できるかどうかは、正にこういう点をどう受け止められるかというところにあると言えよう。
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カウンセリング I 終了

2007-06-17 20:23:37 | 星槎大学


4日間にわたるスクーリング終了。正規レポートを提出しようと勇んでいたが、課題のカウンセリング理論については、結局講義がなかった。ヤバイ、課題の変更があるかも!?ということで、柴田講師に単刀直入にもう書き上げてあるのだがと切り出してみた。「それで良いですよ。」ということで、ついでに下見をして下さった。35年ほど前には、こうしたパターンでは大体レポート内容にイチャモンが付くことになるという、ネガティブな経験が多々あって、あまり嬉しくなかったのだが、折角のお話ゆえ、見て頂いた。

案の定、私が教える立場なら、こんな難癖つけないよなぁと思う指摘が一つ。ごもっともという指摘が一つ。マ、再提出には違いないが、再提出と正式に判定されないだけ良かったのかも知れない。ということで、今晩訂正し、明朝送付する運びになった。

それにつけても、今回のクラスはとても楽しかった。クラスメートに感謝!!
放課後、再度碓氷先生と、芦澤氏を交えてゼミの下相談。6時ごろ星槎大学を後にしたら、バス停で柴田先生と再会。4人で仲良く青葉台駅まで向かった。青葉台からは私だけ逆方向。酒のつまみに刺身を買ってご帰還となった。

今日の終了試験の課題
********************************************************
実習を通して感じたこと、気付いたこと、また今後どの様に自分の生活に生かせるか述べなさい。(字数制限: 800~1,000文字)
********************************************************
カウンセリングIのスクーリングを通じて得た大きな収穫は、リレーション構築の大切さ、カウンセリング理論を折衷的に取り入れていくことの重要性を感じ取れたこと、そして何よりも講師である柴田右一先生が師と仰がれる國分康孝師の著作に出会えたことであった。

私はこれまで数年間、自閉系の発達障害を持つ未就学児や小学生の親支援ということで、ポーテージプログラムを核に親御さんによる家庭での教育・療育の支援活動を行ってきた。極めて限局的な場面ではあるが、親との面談はカウンセリングの要素を含んでいる。今回の講義において気付かされた点は、リレーションの取り方の違いである。これまでの私の場合は、面談する親御さんの目的がかなりハッキリしていたので、一応の話を聞いたうえで、具体的な指導方法や対象児に合わせた教材の提供と言う、ノウハウの提供を通じて、親御さんの信頼を得る、即ちリレーションを図るという手法をとっていた。この方法は、私の本業であるスペシャリティーケミカルズの分野での提案型営業手法と基本的には同じ手法である。これに対して今回の講義で学んだ手法は、自分が何かを提供する以前に、まずしっかりとしたリレーションを構築すると言うことであり、先の営業手法では「まず、自分を顧客に売り込む」というスタンスに近い。幅広い種々のケースに対するカウンセリングの手法としては、これは極めて大切なことであることを知った。

限られた、今回の講義のみにおいて、私自身がカウンセリングの技術をマスターすることは不可能である。しかしながら、学びの糸口として、今回の講義は私にはとても意義深い。柴田先生の講義は國分流のカウンセリング手法に対する興味を持たせてくださり、早速國分師の数冊の著作を購入し、読み始めた。國分師の説かれる思想の中で特に大切にしたいと思えたのは、
① 実際のカウンセリング活動を通じて経験をつむことと、読書等を通じて広く知識を広める不断の努力を怠らないこと。
② カウンセラーとしては、ジェネラリストになることに努め、バークボーンとするカウンセリング理論は折衷的に対象者に合わせる様にし、自分流のスタイルを確立すること。
の2点である。この考えは柴田先生の思想とも合致すると思われる。この2点を指針に今後の自己研鑽を積んで行きたい。
(970文字)

これが私の解答である。
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カウンセリング I

2007-06-17 05:29:00 | 星槎大学


やっと、追い書きが実時間に追いついて来た。

6月16日土曜日。カウンセリングIのスクーリング後半戦だ。9時10分過ぎに会場に到着。既に登校してきている方もいたが、予定通り最前列の席を確保。とはいっても、今日は終日ロールプレーであった。授業で行うリレーションの取り方は、普段のかなり限定されたカウンセリング場面で私が取ってきたスタイルとはかなり違うものであり、より一般化された感じである。慣れて来るに従ってだんだんコツが分かって来たように思えるから不思議である。勉強しているのだから当たり前か!

向かいの教室で碓氷教授が共生科学概論IIIの講義をされていた。放課後ゼミの下打ち合わせをする約束であったが、あまりご気分が優れない様子で、昼休みにしましょうという話になった。ところが昼休みの取り方にこちらと違いがあり、午前の授業が終了した13時には、既に碓氷先生は午後の授業を開始されていた。

昼休みに「明日のスクーリング終了試験(予め問題内容を知らされた記述式課題)の原稿を仕上げている人は見てあげるから提出しなさい。」と言うお話であったので、提出。こちらは下原稿のつもりだったので、記名していなかったのだが、受かりそのまま提出してしまい、後で慌てる結果となった。OKが出たのできちんと記名したスタイルに帰宅後打ち直し、明日提出する。

実は、スクーリング受講後提出する正規レポートの方も既に仕上がっている。これはあくまで、受講後ということなので、明日講義が終わったらその足で事務局に提出して帰宅の予定。(この話を碓氷先生に話したら、大笑いされていた。)

放課後、丁度共生科学IIIの講義も終了したところであったので、向かいの教室に出向き、お身体の具合を伺ったら大丈夫というお話だったので、1時間ほどお話をさせて頂いた。今年のFゼミ受講者は私を含め4名であるが、後の3人には今日はお会い出来なかった。今後どんな格好に発展するのか碓氷先生ご自身もつかみかねているご様子であったが、旨くすると…なんて不謹慎なことを言ってはいけないが…先生を独り占め出来るかもしれない(ニャリ)。

4年生を最低3年ほどする心積もりである。卒業が目的ではなく勉強が目的なので、それは構わないのだが、大学生活でゼミと卒論は「重要な」というか、本来中核をなすものであるからケジメとしてもキチンとこなさなければならない。ということで、ゼミの単位は初年度にとって仕舞うつもりではあるが、

① まず3年ほどは継続してお世話になりたいということ。

② 私が本題として考えているRDIの検討、SST小集団への試行、行動論からのRDIの解釈、日頃考えている折衷的な日常的応用方法について、ゼミと卒論で取り組みたいこと。

③ しかしながら、せっかくのご縁なので碓氷先生が専門とされている分野、ケースメソード(おっと、ケースメソッドと呼ぶんだった、この分野では)も勉強したい。②は長丁場なので初年度はむしろこちらにウエイトを置いてみたい。

と欲張りなお願いをさせて頂いた。

6時下校。何時もは駅まで徒歩なのだが、今日はバスで碓氷先生とご一緒した。入梅宣言もつかの間。今日は快晴。心も晴れ晴れ。


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本人告知

2007-06-16 04:16:45 | 子どものこと


6月15日金曜日。8時前に上越を出発し富山大学付属病院へ向かう。今日は次兄の本人告知をしてもらう日。

本人告知に就いては県内のH療育センターのT医師が小学生低学年の児童に無分別に行い、多くの問題を引き起こしてきたことを、折に触れて、多くの場で触れてきた。

本人告知の問題は思春期の子どもを持つ親にとって深刻な問題であることに違いない。横浜発達クリニックの吉田友子医師がこの分野では第一人者であること言う思いは、今でも揺るぎないが、残念ながら我が子たちの主治医ではない。今回告知をお願いした富大の岩田医師には、全幅の信頼を寄せているからこその、今日の告知であった。

ところが、…本人告知…どこにそんな意味があるのかという局面が我が家にはある。次兄とヤスの兄弟喧嘩の一場面;

次兄「ばぁ~か! 何でそんなことも分からないのか?この自閉症!!」
ヤス「煩い!このEHD!」(本人はADHDをEHDと呼ぶと思い込んでいる。)

3年ほど前の場面である。ヤスも含めて、自分の特性を全く知らないと言う状況ではない。この様な会話が飛び交う環境で、今更、本人告知もないだろうと思える状況である。この可笑しな会話のやり取りはともかく、一方でそれでも、本人告知は大事だと思う。医師と言う全く第三者の口を借り、それなりの重みを感じ得る雰囲気での告知は、親が伝えるメッセージに明らかに異なった意味を与えるからである。

ADHDの特性、次兄のよい所、困難なところ、決して悲観すべき内容ではないこと、それを医師の口で伝えてもらうことは、それなりの意味がある。岩田医師によれば、一部の子どもは、この本人告知によってショックを受け、極端な場合うつ状態になることもあるそうであるが、予め下準備をしたうえで、この告知に望んだ次兄にとっては、逆に気持ちの整理ができてよい結果であった。特に20~30人に一人はいるという話が、本人を非常に安心させた。

診察後、上越にとんぼ返りし、JRで状況翌日のスクーリングにの備えた。

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2回目の校内委員会

2007-06-14 06:12:21 | 子どものこと


6月14日木曜日。大阪から戻り、19:30、何時になく遅い時間から始まった校内委員会に出席。当初は16:00からの予定であったが、市教委の就学指導委員会の全体会議が飛び入りしてしまい。情緒通級の担任教諭がそちらに出席しなければならなくなった。最初は彼抜きと言うことも考えたが、こちらも切実で校内通級枠を拡大してもらうためには、助っ人は一人でも多い方が良いと考え時間を遅くに変更させてもらった。

一昨日、発達研の後で富山市恵光学園の橋本先生と食事に行った折に、たまたま今日の話をしたら、「え?校内委員会に親が出るの?」とちょっと不思議がられた。いつもいろいろ教わる富山市/富山県の方の発言としては、ちょっと意外であった。上越市全体がどうかは分からないが、少なくとも次兄の中学校にしても、ヤスの小学校にしても、私どもの子どもの場合には校内委員会は親が主役なので、親抜きの校内委員会というのは存在しない。

ともあれ、学校長、教頭、クラス担任教諭、特別支援コーディネーター担当教諭、学内通級担当教諭、情緒通級担当教諭、家人と私、フルメンバーで21:00まで、ここ2ヶ月の状況確認と今後の対応について話し合った。

GW明けから、若干の逃避行動(辛くなるとトイレに一人で行ってクールダウンする行動)の増加が認められる反面、運動会などは問題なくこなせた。との報告を受けた。入学した初年度とクラス担任が変わった2学年時と比較的類似した挙動傾向に不安を持っていること。3月末のWISC-IIIでは総合IQが二年前に比べると10ポイント程あがっており、動作性IQと言語性IQの乖離が26ポイントから18ポイントに狭まったことはあるが(10歳児では11ポイントが5%信頼限界なのでまだまだ有意な差と言える)、言語性IQの下位項目の特定項目二っつが、顕著に落ち込んでいる特徴は全く変わっていない。算数が得意で学年で10位以内であろうと、言語支持が入りやすくなったように見えようと、この子の特性は全く変わっていないと言うことを忘れてはならない。「楽観視してはいけない。」というのがこちらの論点であった。

実は、一昨日の情緒通級(10名ほどの小集団SST)において、授業終了後、ADHD系の3人ほどが、小突きあいと言うかじゃれ合いを始めたらしい。ヤスはどうも「これはバトルの場になった。」と一人合点し、参加を決めた。殴られた振りをしてそばに倒れこんだ子に、思いっきり蹴りを入れてしまったのである。当然相手は驚き、怒った。喧嘩に発展しそうになった状況で通級担任が割って入り、事なきを得た。ところがヤスには何がいけなかったのか分からない。要するに場の雰囲気が読めないのである。「だってバトルになっちゃタンだよ!」そうなった以上は「自分も一緒にせにゃいかん」と言うわけである…。こういった自閉系の子どもの特性は、訓練ではそうそう簡単には変えられないのである。

通常級での授業場面では、幸い視覚支援が大幅に改善されたこと、トークン表の効果に学級担任が気付いてくれたこと、いい面も出てきたので、校内通級枠をいきなり5時間も増やす必要はなさそうであったが、道徳の時間を新たに校内通級に切り替えることになった。「道徳」は現在文科省が力を入れている教科であり、週一時間のこの枠をはずすことには議論があったが、道徳授業をお客様状態にしてしまうよりは、一時間枠に固定するより、各通級時間に細切れにして取り入れ指導した方が実質的な効果があるだろうということで、コンセンサスが出来た。学校長、教頭の柔軟性に感謝。

さ来週は長岡の精神医療センターに学級担任と特別支援コーディネータ、そして私と出かけ、担当医のお話を聞貸せて頂く予定でもある。
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バス通学だって!!

2007-06-12 22:35:56 | とやま発達研


6月12日火曜日。久々の発達研。先月は本業のため出席できなかったので、4ヶ月ぶりである。今回の話題は養護学校高等部の生徒の一般就労に向けての取り組みと、中学部の知的障害を持つ女の子に対する登下校の自立に関する取り組みと言う二つの話題であった。

特に後者に興味が引かれた。当該児は、当時中学1年生の女児。数字や仮名文字が読めないと言う程度の知的障害児である。自宅から養護学校までのバス通学はDoor to Doorで約40分のバス通学であるが、一回バスを乗り換えなければならない。特に下校時に問題が多く、バスの乗り遅れ、車内で眠ってしまうなどの困難さを抱えていました。約3ヶ月のトレーニングでこの問題を克服できたのであるが、キーとなったのは支援ツール。写真を多用した当該児向けの手順書。眠らないように道順に沿った看板探しクイズ、バスの運転手さん向けのメッセージプレートなどなど。

これらの支援ツールが本当に旨く機能するか、実際に使ってみて検証するのは勿論、バス会社の渉外担当者のみならず、現場の運転士さんにも直接意見を聞いて支援ツールを工夫する辺りが素晴らしかった。

特に目を引いたのが、バス会社との交渉を学校が表に出ず、親に直接交渉する様に求めた点である。学校が逃げたのではなく、親に意識を持たせる目的のこの手法は、この事例では良かったように思えた。

7月22日武蔵先生の講演会が柏崎で(親の会―どの会かは不明)、8月8日上越で(上越市特別支援教育研究会ー教師の集まり)の二回、支援ツールをテーマに行われることを確認。前者は「教育学」のスクーリングと後者は「事業部会議」とバッティングして、私は出れない。後者には家人が参加の予定。
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学習障害概論・・・レポートその後

2007-06-07 10:04:27 | 星槎大学


6月3日、カウンセリング Iのスクーリング修了試験の下書き原稿を仕上げ、加えて学習障害概論の自主追加レポートをほぼ完成した。引用したWISC-IIIのデータとK-ABCのデータの解釈について、再考しようと考えたが、K-ABCの詳細データを新潟において来てしまったので、完成は見送った。

6月5日、K-ABCのデータを再レビューし、追加レポートを完成。西永先生に送付。今回は横浜情報センターを通す必要がないので、表紙を割愛し、メールで直送した。

6月6日、驚いたことにもうレポートにコメントが付いて返送されてきた。
師曰く
「2度目のレポートお疲れ様でした.コンパクトにまとめられていまして,第三者が読んでもわかりやすいと思います.長期的な視点として調理師免許の取得というプラクティカルな選択はとてもいいと思います.また,読みが苦手であるけれども,音声による理解は得意であり,読み上げる支援があれば,学習を進めていくことができるのは素晴らしいことであると思います(読み上げ支援は容易な支援ではありませんが,コンピューターによるエイドがつかえるといいなぁと思います).
検査結果は,やはり学習障害でしょうね.学習障害とADHDは相反するものではないので,お医者さんの診断も間違っているとは思いませんが...お子さんを見たわけではないので,はっきりしたことは言えませんが,不注意による視覚弁別が弱くて,字が読みにくいかもしれません.視覚弁別練習も有効だったかもしれませんね.」

レポートには中学生になる対象児の学習障害による困り感、現状の支援方法、就労に向けてのビジョンの組み立てと、長期支援の展望について記載した。あくまでも教科書のつまみ食い的な内容は避けたつもりである。対象児は実は医療的にはADHDの診断を受けてはいるが、学習面においての困り感は学習障害と何ら変わるところはない。医療判断はあくまで一つの切り口であり、金科玉条のごとく、ADHDだからと、縛られる必要はないのである。

さて、今週末は優しい子倶楽部、ポーテージ新潟教室。翌週末はカウンセリング Iのスクーリング後半戦、そしてその次は言語発達学…当分週末は忙しい。ぼちぼちカウンセリング Iのレポートの準備に取り掛かることにしよう。
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地球温暖化・・・何が大切なのか

2007-06-06 21:46:53 | 子どものこと


授業参観に行ってきた。

5月の末に、校内通級の時間数を増やして算数と道徳を個別支援に切り替えてくれという申し入れを学校にした。今年新任で来た教頭先生が校内委員会にも出席しなかったので、一度面識を得ておきたいという意味合いと、ヤッちゃんの状態に5月に入って懸念が生じてきたので、6月の校内員会まで待つのが時間的に惜しいという気持からだった。初めてお会いした教頭先生は50代であったろうか。面談にあたって筆記用具すら持参しない態度に違和感は覚えたが、サポートブックとWISC-IIIの結果を渡し、一応の説明をした。こちらの要望も伝えた。「校長とも相談して回答します。」という返事を真に受けて、何らの進展もなく今日に至っている。

さて、今日の授業参観は道徳の授業。「地球の温暖化を考える。」というテーマであった。私の申し入れに対して、どのような変化が生まれるか?興味深く見学させて頂いた。視覚支援の要素は確かに増えていたが、授業の内容にはかなり疑問がもたれた。温暖化に関する講義…

・地球の周りには大気と呼ばれる空気の層があります。太陽からの熱は地球にとどき、反射されて宇宙に逃げますが、最近この空気の層が厚くなってきました。するとどうなりますか?空気の層が厚くなると、熱が逃げにくくなります。それが温暖化の原因です。??

・地球が温暖化すると病気が増えます。そのため50年後までに30万人の人が死に、100万種の生き物が絶滅します。みんなウイルスって知っているかな?SARS知ってる人(誰も手を挙げない)、ん~、鳥インフルエンザは?(数人手を挙げる)、こういった病気の原因となるのがウイルスです。ウイルスは空の高い所にいますが、地球が暖かくなると下に降りてきて、病気が広まります。????

・温暖化の防止にはリサイクルは大事です。去年まで給食の牛乳は壜でしたが、今年から紙パックになりました。先生はとても残念に思っています。??????

何とも珍妙な説明が展開される。ことに因ったら、子どもに分かり易いようにという配慮があったかも知れない…しかし、嘘はいけない。こういった環境問題は正しい知識を教えてこそ価値がある。子どもにとって先生から貰うこういった知識は絶対的なものである。出鱈目を教えてしまえば、そのまま記憶され、将来その誤りがとんでもない形になって現れるか分かったものではない。その子たちの科学的な興味、将来のポテンシャルを摘むかもしれないぐらいの危機感を持って欲しい。教える以上は正しい知識を教えるべきだ。

⇒大気の層が厚くなれば、気圧が上がります。地球の平均気圧(もしそういうものが測られているならば)あるいは、ある特定の都市の平均気圧が上昇しているなどという報告はない。「空気の中には、熱を逃がしやすい成分と逃がしにくい成分があります。この割合が変化してきていて、熱を逃がしにくい成分、例えば二酸化炭素が増えて来ているため、地球の平均気温が上がってきています。」という説明が妥当であろう。

⇒30万人の人が1年当たり死ぬのか、50年間で死ぬのか、よく分りません。種の絶滅も根拠や妥当性がどの程度あるのか分りませんが、ま良しとして、「ウイルスが上から降ってくる」というのは…どういう話なんでしょうね?空気が暖かくなったから上空からくるというのであれば、上空ほど暖かいという前提が必要になります。イカルスの話が嘘であることはは誰でも知っていますが、さて、さて。ウイルスがあったかい所を好むのであれば、そもそも高空にはいないはず。1万mの上空では夏でも-50℃位ですから。「地球が暖かくなると、病気を媒介する虫が寒い地方まで広がって、暖かい地方にしかない病気、例えばマラリアなどが、寒い地方にも広がります。」ということでしょ。

⇒牛乳のパックは壜でも紙パックでもリサイクルされます。紙パックはガラス瓶よりははるかに軽いので、輸送にあたって燃料を食いません。即ち排気ガスが中の二酸化炭素軽減に僅かながらでも寄与する筈です。

さすがに、子ども達の前で先生の間違いを指摘するのも気がひけたので、メモにして帰りがけに手渡してきた。

なんでこんな状態がまかり通っているのか、よく分らないが最近の子どもの学力低下もわかるような気すらする。

件の教頭先生も、ネジ巻きが必要なのだろうか?
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