Niyatsukuのあなろぐゲーム探検隊

ドイツ発信、電源不要な傑作ゲームの数々。
遊びやすくて抜群の面白さ、その謎を追え!

ゲームへのトランス

2008年02月29日 | 雑記
ボードゲームを遊んで、ふと気がつくと「もうこんな時間?」。
こんなこと、よくありますよね。
すっかりトランス状態に入りきってますよね。
まるで魔法にかけられたみたいですよね。


では、ゲームの世界にプレイヤーをいざなう仕掛けとは?
そんな視点で考えてみると。

まずはやはり装丁でしょう。
雰囲気満点のボードやカードの絵柄、コマの形。
これだけで気分が浮き立ちます。

それからゲームの背景や目的。
プレイヤーはどんな役を演じるのか。
どんな状況におかれているのか。
何を目指すのか。
これらは大抵、ルールブックの一番初めにイントロとして書かれていますが、ゲームの概略説明としてさらっと書かれているだけものが多いですね。"ゲームの世界にプレイヤーをトランスさせること"という観点から十分に配慮されているとは思いません。その点、先日ご紹介した「ヴィラ・パレッティ」のイントロは素晴らしいですが、他のボードゲームもこの水準くらいのイントロをつけて欲しいものです。イントロはそのゲームを初めて遊ぶプレイヤーにとって特に重要です。

それから、期待・予想・ジレンマもトランスのための要素です。
ダイスを振るとき、カードを引くとき、タイルをめくるとき、良いものが出るように期待しますよね? ここぞという場面では神に祈りさえしますよね? 
また、ゲームに勝つためには相手の手の内や狙いを予想しますよね?
そして、いくつかある選択肢のジレンマにもだえつつ、「よし、これで行こう」と意思決定するとき、それが最善の結果につながることを期待しますよね?
はい、あなたはすっかりゲームに没入しています。
このように、期待・予想・ジレンマによって、プレイヤーはより深くゲームの世界に没入していきます。


ぱっと思いつくところ、そんなところでしょうか。
これらの要素はバラバラでもダメで、ルールとうまく絡み合って魔法が発動するのだと思います。




ヴィラ・パレッティ

2008年02月09日 | ボードゲーム
むかしむかし、レモンの花咲く国にパレッティという名の若者がいました。彼にはひとつの夢がありました。天高くそびえる立派な塔を建てることです。しかし、それには莫大なお金がかかります。いったい夢がかなうのはいつのことやら・・・。そんなある日、彼は名案を思いつきました。「そうだ、新しい柱を買う代わりに、下の階の余分な柱を引っこ抜いて、上の階に移し、そしてまた上の階を造っていけばどんどん高くできるぞ!」 そして、さっそく彼は塔の建築に取り掛かることにしました。

じつに素敵なイントロですな。
まず間違いなくボードゲームのイントロ・ベスト5には入るでっしゃろ。
ちなみに、わし的に第一位は「カタンの宇宙船」でっけどな。
というわけで、今回は、大方の予想を裏切って見事に2002年ドイツゲーム大賞に選ばれたバランスゲームの傑作「ヴィラ・パレッティ」を探検しまっせぇ。

遊び方はいたってシンプル。基本はジェンガのように下の階の柱を抜いて、上の階に乗せるだけ。これ以上抜いたら崩れるという限界点に達したら、新たに上の階の床板を乗せて、また、下の柱を上に移していく。上の階にいくほど床面積は小さくなっていき、バランスもどんどん危うくなっていく。柱の長さが微妙に揃っていないことも良い味付けとなっていて、柱を抜くときのドキドキハラハラ感を増幅させる。

もちろん、ドイツゲーム大賞に選ばれるからにはそれだけではない。柱には3種類の太さがあって、太いものから順に3点・2点・1点と価値が異なる。他人よりも数多く、価値の高い柱を上の階に移していくことが求められる。どの柱から抜いていくのか。そして、抜いた柱を上の階のどこに置くか。おおっ、これは一種の陣取りゲームやないですか。きっちり考え所も仕込まれていて、通常のバランスゲームより一段奥が深いでんな。

そして、また楽しいのが床板のモダンな形や色。パーツが大きめなことも相まって、高く積みあがっていく様はまさに圧巻。このゲームの終わり方には、誰かが塔を崩して終わる場合とてっぺんまで塔を建てきって終わる場合の2種類あって、塔が崩れたときの「ガッシャーン!」という衝撃、あるいは塔を建てきったときの達成感はかなりのもの。

結論、[バランス]+[陣取り]+[アート]の傑作ゲームとでも言いましょうか。
いや、[バランス]×[陣取り]×[アート]というほうが相応しいですな。
これは遊ばな損でっせ。


[data:Villa Paletti 2~4人用、Bill Payne作]

森前首相の偉業

2008年02月01日 | ジョーク
森前首相の偉業。
間違いなく後世まで語り伝えられ、人々を幸せにすることでしょう。

時は2000年7月。
沖縄サミットでクリントン大統領との会談にあたって、森首相はせめて挨拶くらい英語で話せるようにしておこうと事前にレクチャーを受けた。

いいですか、クリントン大統領に会ったらまず、『How are you?』(調子はいかがですか)と尋ねてください。

大統領は『I'm fine, are you?』(上々です。あなたはどうですか)と答えるでしょう。

そしたら『Me, too』(私もです)と応じてください。

ところが本番、森首相は「Who are you?」(あなたは誰ですか)と切り出した。

クリントンは戸惑いながらもジョークかと思い、「I am Hillary's husband.」(私はヒラリーの夫です)と切り返した。

森首相は「Me, too」と大統領と固い握手を交わしながら、満面の笑みをたたえて言った。

これには、さすがのクリントン氏も絶句したとさ。