大きなのっぽの古時計

大きなのっぽの古時計。
おじいさんの時計。
おじいさんの寿命が尽きたその時、古時計の脚部が壊れて、おばあさん目掛けて倒れかかった。
それを間一髪のところでかわしたおばあさんは、時計に向かって言った。
「そういえば、おまえはいつもちょっと遅れてばかりいたねえ。おかげで助かったよ」

危険な仕事

新聞の求人広告欄を見て、片っ端から電話をかける。
しかし、どこも既に採用が決まっているようだ。
最後に動物園に電話をしてみた。
「求人広告を見たのですが、どんな仕事でしょう？」
「いや、うちのゴリラが病気になってねぇ。いろんな芸ができて結構人気があるんで、こいつがいないと客が減って困るんだよ。それで、ゴリラの着ぐるみを着て、ゴリラになってほしいんだよ。客にバレないようにね」
自信はなかったが、せっかく仕事にありつけるのだから男はそれを引き受けた。
はじめてみると、これがなかなか面白くて、男は調子に乗ってタイヤのブランコにまたがり、観客の「もっと高く!」という声に合わせて、ブランコを思い切り揺らした。
ところがあまりに大きく揺らしたせいで、男はとなりのライオンの檻の中に落ちてしまった。
男はあわてて、「助けてくれ!　俺は人間だ、ゴリラじゃない!」と叫びながら、着ぐるみを脱ごうとしました。
すると、ライオンが勢いよく走り寄ってきて言った。
「静かにしろ!　さもないと俺達は2人とも職を失うぞ!」