Niyatsukuのあなろぐゲーム探検隊

ドイツ発信、電源不要な傑作ゲームの数々。
遊びやすくて抜群の面白さ、その謎を追え!

80日間世界一周

2008年01月19日 | バリアント・ルール
その名が示す通り、ジュール・ヴェルヌの冒険小説『80日間世界一周』を題材としたゲーム。ボードやカードの装丁がとても見栄え良く、ゲームを通して冒険旅行の雰囲気を楽しめるし会話も弾む。結構好きなゲームなのだが、ただ不満な点もある。

そのひとつが、イベントカードの「嵐」と「遅延」。カードの繰り方が悪いのか、何度かのプレイ経験では「嵐」「遅延」の発生頻度が高く、せっかく手にしたイベントカードが何度も没収される羽目になり、興ざめになるときがある。また、「嵐」「遅延」でプレイヤー全員が旅程をロスするのもあまり意味がない気がする。

二つ目は、ゲーム進行がまったりしすぎな点。もう少し緊迫感をもってキビキビ進行したほうが引き締まると思う。

といったことを解消する我が家のハウスルールをご紹介します。
ぜひ、お試しあれ。

①「嵐」「遅延」カードについて
「遅延」カードのほうは使用せず、箱にしまっておく。
「嵐」カードを引いた本人自身は、旅程をロスしない。

②ゲームの終了条件について
3・4人プレイの場合、2人目がロンドンに到着した時点でゲーム終了。
5・6人プレイの場合、3人目がロンドンに到着した時点でゲーム終了。
ロンドンに着いたプレイヤーのうち、一番少ない日数のプレイヤーの勝ち。


ポイズン

2008年01月19日 | ボードゲーム
プレイヤーは少々マッドな科学者たちを演じる。
どんな効能を持つのか、ビンに入った赤や青や紫の液体。
このどう見ても体に悪そうな薬品を交代々々に釜に注いてゆく。
一定の量を超えて注いでしまった科学者は、罰として釜の液体を飲み干すゲーム、それが「ポイズン」だぁぁぁぁぁ。

というわけで、今回はクニツィアの高品質な小品「ポイズン」の面白さの工夫を探検し隊。カウントアップ系とトリックテイキングを足して2で割ったようなゲームで、非常にシンプルなルールでありながらも、そこはクニツィアの作品、一筋縄ではいきませぬ。

手札の薬品カードの中から1枚プレイし、釜に注がれた薬品の量が13を超えたらバースト。その釜の薬品カードを飲み干す(引き取る)。それらは基本的にマイナスポイントとなるので、何とか自分が飲み干さないようにあがく、あがく。

通常のカウントアップ・ゲーと違うのは、ゲーム開始時に全ての薬品カードを配りきってしまう点。プレイヤーは手札から1枚ずつ出していき、全ての手札を出し終えたらゲーム終了となる。

そして、そこにクニツィアは毒のあるルールを仕込む。それが「各色の薬品カードについて、一番多く飲み干した科学者は免疫ができたことになり、マイナス計上しなくて済む」というルール。

これらの仕掛けにより、手札の中からどのカードを出すかはスキルを問われる。液体を飲まないように頑張るか、はたまた、人一倍飲んで免疫体質を目指すか。最初に配られた手札を眺めて方針を決め、他人の動向も見つつ、カードを選んで出していく。そして手札の数が減っていくにつれ、徐々に体に毒が溜まっていく。最悪なのは免疫体質を目指して達成できなかった場合。もう体中、毒まみれ。
この真綿で首を絞められるような過程を遊び手に経験してもらうところこそ、面白さの構造。

蛇足ながら、カードの数値の構成にも唸らされる。なんと1、2、4、5、7の5種類しかない。しかし、これによってプレイアビリティが格段に高められていることは、プレイしてみればすぐに分かる。グッジョブ!

ゲームが終わったら、敗者はぜひ箱を手に取り、描かれた絵をしげしげ眺めて欲しい。いつもの言葉「クニツィアめぇ~」と言いたくなること請け合いです。


[data:POISON 3~6人用、Reiner Knizia作]