リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

奄美大島は渇水 

2006-11-15 21:24:57 | リュウキュウアユ研究会/奄美大島
西日本新聞 WEB



☆テキスト版

リュウキュウアユ危機 奄美市住用町の川内川 記録的少雨で生息域分断

写真
堰を境に下流が干上がった川内川。リュウキュウアユの姿は見られない=奄美市住用町
 記録的な少雨が続く奄美大島で、奄美市住用町の川内(かわうち)川が約1.2キロにわたって干上がり、産卵シーズンを迎えたリュウキュウアユが死滅したり、行き場を失って孤立したりしている。リュウキュウアユは地元では「ヤジ」と呼ばれ、その保護に取り組む「ヤジ友の会」会員らの現地調査に12日、同行した。

 川内川は県管理の2級河川、延長3・3キロ。川内集落外れから上流へ、第二井堰(いせき)‐第一井堰の間の約1.2キロを歩いた。川床は乾ききり、ノリや川エビなどの腐臭が鼻を突く。「友の会」事務局長の井上恒和さんは「砂漠のようだ。生き物がいない」と驚いていた。

 川内川は2つの井堰の間で水流が分断されていた。井堰近くの水量が減った川に体長15センチ前後のリュウキュウアユ約60匹が封じ込められ、シラサギやカラスが樹木に止まって狙っている。

 リュウキュウアユの繁殖期は11‐2月で、海に近い下流域に移動し産卵する。井上さんは「このままでは産卵できない。上流に取り残されているアユを早急に救出しなければ」と話す。

 鹿児島大水産学部の生息調査では、2003年に川内川で約1800匹のリュウキュウアユを確認している。川の保護活動を続けている川内集落の山田紘一区長(63)は「来春、稚アユが遡上するか心配だ。井堰の撤去など対策を要望したい」と話している。 (奄美通信部・幸正昭)

 リュウキュウアユ 沖縄では1970年代に絶滅。奄美大島の川内川、住用川、役勝川などに自然生息する。環境省のレッドデータブックで絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧(きぐ)1A類」に分類され、県が希少野生動植物として保護している。

=2006/11/15付 西日本新聞朝刊=
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