大子町が位置する久慈川上流は、シガ発生の条件に適している。阿武隈山地と八溝山地に挟まれた渓谷で、特に冬は日差しが届かない。水戸の日照時間が九時間であるのに対し、福島県境の下野宮付近は三時間ほど。放射冷却現象で水温が下がり、川の表面近くが凍ってシガが形成される。
関根さんは二〇一〇年ごろ、袋田の滝の凍結を見学しようと大子町を訪れた際、久慈川のシガを偶然目にした。以後、毎年のように観測に訪れ、一四年に「シガ指数」を考案。町内のコミュニティーFM局やフェイスブックで予報を発表してきた。
指数は、民間気象会社が発表する大子と東白川(福島県塙町)の三日分の予想最高気温と予想最低気温を計算式に入力して算出する。指数がマイナス1程度になると、矢祭山(福島県矢祭町)から茨城県境付近で観測でき、マイナス10で大子町の流域全体まで延びる。ちなみに二十六日の指数はマイナス21。数年に一度の大発生で、常陸大宮市にまで至った。
シガが流れるのは通常、早朝から午前十時ごろまで。観測ポイントは、同町久野瀬の久野瀬橋や下野宮の河原、あるいは矢祭町のあゆのつり橋付近がおすすめという。今季は発生回数が多く、二月中旬ごろまではチャンスがある。
予報は、関根さんのフェイスブックページ「久慈川のシガ予報」で。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます