リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

岐阜新聞 編集余記より 琵琶湖DVD

2007-04-12 19:36:12 | 琵琶湖”逍遙”撮影記
岐阜新聞 1面コラム、編集余記

永井豪さんがWWFのDVDについて執筆された。
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編集余記 2007年 4月 5日(木)
 東京に行く時には必ず富士の山容を目で追うように、京都に行く時は琵琶湖の湖面を探し続ける。移り行く風景の中に、決して変わることのない何かを求めるかのように。

▼岐阜市の生態写真家新村安雄さんが制作したDVD「淡海と生きる~琵琶湖~」を見た。琵琶湖の保全活動を進める世界自然保護基金(WWF)ジャパンが宝くじ協会の助成で2000部を作成、全国の図書館や博物館などに配布している。

▼体長1メートルを超す大ナマズの映像が、日本最大の湖の自然のスケールを強く印象づける。なれずしにするニゴロブナ、京の食文化を支えるホンモロコやビワマス、そして鮎…。たつべ漁、鮎沖すくい漁、ヤナ漁、えり漁など数々の漁法とともに語られる人と魚の昔と今。

▼多くの流入河川や内湖が、護岸工事や干拓で分断され、埋め立てられた。1970年代から琵琶湖総合開発が始まり、瀬田川洗いぜきも改修、ヨシ原は激減し、水位は季節と無関係に上下するようになった。水質悪化や外来生物の影響もあるが、何より構造的に琵琶湖は激変した。

▼それでもかろうじて生き残る魚たち。生命のつながりを象徴する繁殖行動の実写は鮮烈だ。人も今では自然への配慮を欠いた開発を反省し、水路に魚道を設けたり、ヨシ原を再生し始めた。減農薬の田にニゴロブナを放し「環境こだわり米」の試みも進んでいる。

▼「太古から続く生命の営みは、今も人々の生活とともにある」と結んだ新村さん。風景の中にある自然の今を、生き生きと見せてくれた。 

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 ありがとうございます。
     ニイムラ頓首
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