ニュース畑の意見ピックアップ

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形骸化する「非核三原則」に見直しの声、現状認識と議論が必要との声多く

2010年08月17日 | 意見ピックアップ
人類が初めて核エネルギーの爆弾を使用した第二次世界大戦から65年。原子爆弾を使用した米国の代表者が戦後初めて、今年の広島平和記念式典に出席しました。大戦後、各国が核開発を進める中、日本は唯一の被爆国として「非核三原則」という国是ともいえる方針を決め、現在までこの「核兵器を持たない・作らない・持ち込ませない」の立場をとっています。

しかし、常に米軍の核兵器持ち込み問題がくすぶり続けており、また米国による日本の「核の傘」などとあわせ、菅首相の私的諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」がこのほど、非核三原則の「持ち込ませない」を見直す提言をまとめました。

この報道を受け、ニュース畑には「『核持ち込ませず、見直しを』新安保懇の報告書案 あなたは非核三原則の見直しが必要だと思いますか?」という投稿が寄せられました。

話題を投稿した northernbear_2009 さんは、非核三原則が形骸化していると指摘した上で、非核三原則の見直しについて問いかけています。

非核三原則については、日米安保理問題や日本の防衛方針などとも深く関わっており、ユーザの関心も高く、これまでに300件を超える意見が寄せられました。

このうち、「非核三原則は見直すべき」とのコメントが56%(33コメント)と過半数を超え、「非核三原則は維持すべき」の37%(22コメント)を上回っています。


(円グラフは8月17日時点のものです。ニュース畑の記事はこちらです。)



非核三原則は見直すべきとの意見では、現在の日本が核兵器の脅威にさらされているという現状を認識すべきだとの声があります。

核アレルギーを持つ人がいることは理解しています。しかし、現実の脅威がすぐ隣にあるのだということも理解して欲しい。日本人ならば、まず日本が危険にさらされている現状をどのように打開するかについて、希望論ではなくきちんとした論理的な議論をしましょう。その上で、事実上既に日本に持ち込まれている核兵器について「非核三原則」という原理主義によって否定することで、現在の危険をどのように回避できるのか考えて欲しいと思います。(たろちゃさん)


また、非核三原則そのものに無理があり、遵守できないことを認識して、世界情勢が変わった現在、改めて議論するべきだとの指摘があります。

非核三原則自体、そもそもの成り立ちには無理があったと思います。現実的な核の持ち込みの必要性と、対内的対外的な核アレルギーとの狭間で苦肉の策としての三原則は、当時の政府が提示できる最大限の方針だった事は想像できます。それが現実と乖離していても、当時の情勢の中では致し方なかったでしょう。しかしそれと同時に、いずれ矛盾が顕在化する事も予期できたでしょう。自衛隊の扱いのように、ろくな議論が無いまま済し崩し的に既成事実化する事なく、タブーを排した徹底した議論の下、現実に即した方針が国として堂々と明文化される事を望みます。(cogc1201さん・男/30代/関東)

我が国の国防を担う米艦船が核兵器を搭載しているのは事実。自国の防衛を十分に果たせない我が国の防衛力から判断しても、核兵器を装備している艦船の立ち寄りや常駐を拒否出来無いのが現状。核3原則を遵守する事は不可能な現状から、見直すべきである。形式ばかりの法を最もらしく大切に温存する必要はない。実状に適した法改正を望む。 (abemalonさん・男/60代/北海道)


一方、非核三原則は維持すべきと考えるユーザからは、強大な武器を抑止力とすることに無理があるとして、世界的に核を禁止するべきだとの意見がありました。

「抑止力=戦争をさせない」ためにあれやこれやと武器を作ろうとするのは、「力」を「物」で補おうとする「弱虫」の考え方。社会の個人個人を見てください。誰かと争っていたとすると、どんどん武器を自宅に確保しますか?普通の料理に使うナイフや包丁以外に、武器としてしか機能しないナイフや刀や銃を確保しますか?しませんよね。それは「法律で禁止されているから」です。アメリカなんか見てください。銃がなかなか禁止できない。そういうことになるんですよ、力を武器で抑止しようとすると!国は個人の集まりです。だったら、個人ではどうなんだ?という視点から考えて、地球全体で「核は禁止」という法律を作ったらいかがなものでしょうね?(nekogasuki_2010さん・40代/北海道)


また、人間の心理をふまえれば武器開発の無限連鎖に陥るとして、今はその連鎖を断ち切る時期だと訴える声もありました。

人間心理を分かって無いですね。武力を持てば、その武力より劣る国家が危機感を覚える。そして、軍事開発に力を入れる。相手より武力が上回ると安心するが、今度は相手国が危機感を覚える。 これの無限連鎖です。 それをどうやって、どのタイミングで無くしていくかがわれわれの課題では無いだろうか。それがオバマ氏の核廃絶に向けたノーベル平和賞受賞である だから、監視衛生を充実させ、国家間が武力を持った組織地球国家連合なるものを作り、統一政府による支配をするしか、防げないのでは無いか。(深淵到達者さん)


このほか、どちらでもない・その他を選んだユーザからも、非核三原則を再考し国民全体で議論するべきだとの意見が集まっています。

どうして非核三原則なんて自らを縛りつけるような取り決めをしたのでしょう。 一度廃止して考え直した方が良い。(yonetukaさん・男/60代/関東)

非核三原則は有名無実化していたし、何より戦争直後とは世界情勢がまるで違う。ただし、三原則はがっちり守るほうにしてもらいたい。そのほかの自衛権や兵器生産にはかなり踏み込まなければいけないだろう。 非核三原則に例外など作ると、国際信用がひどく低下してしまうだろう。ただし、この時代非核三原則を堅守するなら相当の防衛抑止力を整えなければいけない。今の政治家に防衛に対し意識があるだろうか?とくに自衛隊を統括する首相に。(rokomettoさん)

国民的議論が必要。一政権なり一政党が決めていい話ではない。国民投票でもした上で決める話です。(miya1444さん・男/40代)


みなさんは、非核三原則について、どのような考えをお持ちですか?ニュース畑では「『核持ち込ませず、見直しを』新安保懇の報告書案 あなたは非核三原則の見直しが必要だと思いますか?」で意見を募集しています(意見投稿の締め切りは8月25日0時です)。ぜひみなさんの考えをお寄せください。


* 当記事に掲載されている意見はニュース畑の利用者による投稿であり、ニュース畑編集部の意向を反映したものではありません。記事の編集方針はこちらをご覧ください。
コメント (3)
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