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海に帰りたい~@″
 

できごと

2014年01月02日 | ネメクメネ
夜、夢の中で揺れていた。

夢の中では、落ち着いた女の人が、落ち着いて話すのを聞いていた。

それは、大人の女の人で、ゆっくりと丁寧に話すから、起きているのか、眠っているのか、だんだん曖昧になっていくのだった。

声は、少し低く、くぐもっていて、それは、電話のせいかもしれない。

変だなぁ、最新の電話に買い替えたばかりなのに、くぐもって聞こえる。あぁ、これは、夢の電話なのだ。

夢の電話で、大人の女の人は、ひどく込み入った話を、柔らかく笑いながら説明する。

それは、突然、はじまり、突然、終わり、また、唐突に始まるのだけど、延々と続く曲がりくねった路地の、もう、どこから、この路地に入ったのか、わからないし、路地の先が、どこへ続いているのかも、わからないのに、


彼女に導かれると、やすやすと狭い通りを、歩き回って行ける。

どこへ行くのかは、わからなくても、歩き続けていられるのは、心が休まることだと、ゆっくり深呼吸をする。

「ヨーガをはじめて、やせちゃったのよ。若いとき、あんなに痩せたかったのに、ちっとも痩せらんなくってさ。ほーんと、実際、悩んでたのよ。わかんないでしょ?三食しっかり食べて、ビールなんか、グイグイいっちゃってるわけよ」

そうして、吸うよりも、吐くほうが大切なのだと、息の吐きかたを教えてもらった。

そうすると、体がふわふわふわふわふわふわふわふわふわふわふわふわふわふわ浮き上がり、やがては、路地を風船のように、浮きながら、

滑るように、進んでいくのだ。

スピードも出て、風を切って進む。

だんだん呼吸が、うまくなり、やがては、体に受ける風も、自分自身の息で作り出す。

彼女が、わりあい低い声で笑った。

笑った息が、風になる。


それが、可笑しくって、おもしろくなって、低く笑ったり、ゆっくり笑ったり、笑うのを我慢して、我慢して、限界まで超えてから、静かに笑いこけて、どんどん高くなる。

空の下のほうは、薄い薄い青色だったのが、笑い転げるうちに、濃い青色に変わっていくのだけれど、

空に上っているのではなく、転げ落ちているのが、また、可笑しくて、ゆっくり深呼吸をする。