ばたばたと時間が過ぎる。
それから、ぱた。時間が止まって、F氏が吐血して倒れた話を聞く。
潰瘍ができていたらしいが、F氏はなんとなく調子が悪いと思いながらも、普通に出勤した。
職場はいつも通り忙しく、いつも通り昼休みはずれ込み、いつも通り慌ただしく昼飯を、と思った瞬間、吐血したという。
前は、穴があいていたから今回は、そんなに大したもんじゃない。
のだそう。
じゃあ、吐血は2回目?
そう。
だから、大事をとって無理矢理、休まされている。
しかし、痛くない。
寝てなさいと妻に言われるが、そうそう人間、寝てばかりもいられない。
退屈で退屈で、仕方なく。
うさんぽ。
息子が、ひとつきほど前から飼いだした兎に首輪を誂えて、気晴らしに散歩させているのだと言う。
ピンク色の紐の先にもやもやした花柄と赤いチェックの布が丸まっている。
よくよく見れば、花壇の石の陰に黒っぽい丸い動物のお尻も見えて、それがどうも兎らしいが、F氏はピンク色の紐をだらりと提げているだけの風体。
いやぁ、兎は本来、臆病な動物でねえ。
あまり、昼間お目にかかる機会のない、兎にしてみれば知らないも同然な男に、何やら着せられ(最近の首輪はベストか短いセーターになっているらしい)紐付きになって、突然、拉致されて見知らぬ場所に連れてこられて兎は固まっているのだった。
仕方なくF氏はまた兎を抱き上げ、公園の遊具の近くに放す。
兎は滑り台の陰に潜り込み動かない。
ピンク色の紐を垂らして、ぼんやりと立っている。
しばらくそうして、再度また、兎を抱き上げ、今度は林に移動。
地面に降ろすが、兎は跳ねない。
どうもねえ、兎は跳ねると思っていたんですがねえ。
3日もこうして、兎を抱いては歩き、降ろしては突っ立って、F氏のうさんぽは、F氏の思惑どおりにはいかない。
不満気であるが、相手は兎ゆえに説得は無理だろう。
療養中だから、そのくらいの「うさんぽ」がちょうど良いのだど、F氏は思うことにして、うさんぽを続けている。
「しかし、明日は兎に小屋を作ってやります。うさぎ小屋。ははは」と楽しそうにうさぎ小屋計画を話す。
本当に時間がかなり止まってる具合のF氏であった。
それから、ぱた。時間が止まって、F氏が吐血して倒れた話を聞く。
潰瘍ができていたらしいが、F氏はなんとなく調子が悪いと思いながらも、普通に出勤した。
職場はいつも通り忙しく、いつも通り昼休みはずれ込み、いつも通り慌ただしく昼飯を、と思った瞬間、吐血したという。
前は、穴があいていたから今回は、そんなに大したもんじゃない。
のだそう。
じゃあ、吐血は2回目?
そう。
だから、大事をとって無理矢理、休まされている。
しかし、痛くない。
寝てなさいと妻に言われるが、そうそう人間、寝てばかりもいられない。
退屈で退屈で、仕方なく。
うさんぽ。
息子が、ひとつきほど前から飼いだした兎に首輪を誂えて、気晴らしに散歩させているのだと言う。
ピンク色の紐の先にもやもやした花柄と赤いチェックの布が丸まっている。
よくよく見れば、花壇の石の陰に黒っぽい丸い動物のお尻も見えて、それがどうも兎らしいが、F氏はピンク色の紐をだらりと提げているだけの風体。
いやぁ、兎は本来、臆病な動物でねえ。
あまり、昼間お目にかかる機会のない、兎にしてみれば知らないも同然な男に、何やら着せられ(最近の首輪はベストか短いセーターになっているらしい)紐付きになって、突然、拉致されて見知らぬ場所に連れてこられて兎は固まっているのだった。
仕方なくF氏はまた兎を抱き上げ、公園の遊具の近くに放す。
兎は滑り台の陰に潜り込み動かない。
ピンク色の紐を垂らして、ぼんやりと立っている。
しばらくそうして、再度また、兎を抱き上げ、今度は林に移動。
地面に降ろすが、兎は跳ねない。
どうもねえ、兎は跳ねると思っていたんですがねえ。
3日もこうして、兎を抱いては歩き、降ろしては突っ立って、F氏のうさんぽは、F氏の思惑どおりにはいかない。
不満気であるが、相手は兎ゆえに説得は無理だろう。
療養中だから、そのくらいの「うさんぽ」がちょうど良いのだど、F氏は思うことにして、うさんぽを続けている。
「しかし、明日は兎に小屋を作ってやります。うさぎ小屋。ははは」と楽しそうにうさぎ小屋計画を話す。
本当に時間がかなり止まってる具合のF氏であった。